H25.4

投稿日: 2013/05/02 7:41:58

春です。

今年の春は桜も例年より早く、石手川沿いは、桜の花と花見の人で賑わっておりました。

咲く花もあれば、散る花もあるのが世の常ですが、

それでも、散ってゆく桜を見て、桜の美しさの盛りを思うことができるというのですから、

西行法師というヒトはやはり恐るべしです。

また例年4月は別れの季節と出会いの季節の重なる時期でもあります。

毎年、誰かにバイバイと手を振って、千切れんばかりの思いを振りほどこうとして、

その振った手で、また新しく来た人に『ようこそ』と手を差し伸べてみる、

ちょっと複雑な思いを持ってね。

そして、でもいつの間にか、

だんだん記憶はまろやかに発酵して、

不純物が底の方に澱のように沈殿して、上澄みが上等な酒のようになることもあれば、

痛々しい思いだけがいつまでも泥の中から浮上するナマズのように頭をもたげて、

尾を引きつづけることだってあるんですよね。

でも、僕らはやっぱり前を向いて、

たとえその先に死が待っていても進むしかないんです。

60年台のロックバンド『はっぴいえんど』の有名な曲で『夏なんです』という曲があります。

これまた有名な、『お正月』っていうのもあるけど、春の歌はあったのかなあ。

ああそうだ、『春よ来い』っていうのがありますけど、

春はだれでもが、散りゆく花に思いを馳せて、生と死とかそんな境を容易にさまよえる気分になるので、

それで松本隆さんはそんな春の歌じゃなくって、

長い冬を超えておもいっきり芽を出すようなポジティブな『春よ来い』を作られたのかもしれませんね。

そんなこんなでもう春ですよ。

(H25.4.2記載)