研究者も利用しているフリーソフトMEGAを用いて
分子系統樹を描くことでク、ジラは以下の哺乳類のうち、どの生物に最も近縁かを探る教材です。
扱う分子データは多くの教科書にも掲載されているヘモグロビンのα鎖のアミノ酸配列(アミノ酸数141)です。
(イラストは風間智子さんが描いたものです)
東京書籍の高校生物の教科書(浅島ら2012)に進化を学ぶ探究活動として掲載されています。
MEGAは英語表記のソフトですが、作成した実験書は日本語なので、比較的簡単に分子系統樹を描くことができます。
これまで複数の高校の多くの高校生を対象に授業をしてきましたが、
ペアで作業することで、英語であっても、ほぼ確実に適切な分子系統樹を描くことができました。
実験書はMEGA6を利用することを前提としたものです。下記のHPからフリーでダウンロードできます。
最新のバージョンでもほぼ同様の手順で分子系統樹を描くことができます。
●期待される教育効果
・分子系統樹の作成方法を理解できる
・分子系統樹を描くことで相同形質と相似形質を区別できることを理解できる
・分子時計を用いた分岐年代の計算方法を理解できる
・種分化のタイムスケールを理解できる
・分類体系(界~種)の確認
関連論文
Yamanoi, T., Takemura, M., Sakura, O. & Kazama, T. (2012)
Development and evaluation of an activity to teach molecular phylogeny, deep time and classification systems to Japanese high school students
Asian Journal of Biology Education, 6:13-25
http://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=40476
山野井貴浩(2012)進化学の教材開発-高校生物教育の現場から-.遺伝,66(3):317-322