(何が違っていたというのだろう?)
あの娘と自分のどこが違うのだと、女は一人思い悩む。
近づけば何かわかるかもしれぬと、同じ配属地を選び、その言動に注視した。
自分の父親と異父兄妹だという彼女。
年の近い叔母と姪という関係性だからだろうか、自分と彼女を比べる者は多い。
筆頭は自分の父親だろうか。
父親の期待に応えるべく力を磨いてきたというのに、父親はあの娘の方を気にかける。
それが歯がゆくてならない。
「失礼だが……」
自身のメイドが取り違えたと下着を持参した彼女を反射的に睨みつける。
その氷のような面は、女の睨みくらいでは変わらず、それが更に腹立たしい。
だから、嫌がらせめいたことをしてしまうのだ。
「無理に部下の不始末にしなくて構わないのよ?
その貧相な身体では、必要のないモノでしょうから、興味があったのでしょう?
でも、さすがにどこの誰が触れたものかわからないモノを使うのは憚られるわ……」
クスリと嗤う。
「そうだわ、西の森に女神の泉があるのはご存知?
今回、仮面がアレでしょう? 不浄を清めなくてはならないわよね?
その時に、一緒に清めてきてちょうだい」
そういうや否や、女は受け取った下着を、力任せに目の前の娘に投げつけた。
パシリと受け取った彼女は、フッと笑って、優雅な足取りで部屋を出て行く。
その小ばかにした態度に、女はいら立ちを募らせるのだった。
[卓情報]
開催日:2017/05/31 21:00~24:23
参加PC:
★軍人(スノーリア部下)
レイフィ(人間/女)
ラリサ(ナイトメア/女)
アイカ(ナイトメア/女)
★スノーリア'sメイド
ノンシュ(タビット/女)
登場NPC:
★軍幹部候補生
スノーリア(ドレイクナイト/女)
★軍人
ドレイユ(ソレイユ/男)
リザルト:
経験点:1000EXP(基本)+140EXP(追加)+(1ゾロ×50EXP)
報 酬:栄誉章(装備箇所『その他』/効果:魔防+1/売却価格1500G)
名誉点:20点(基本)+27点(追加)
成 長:1回
【あらすじ】
闘技場の熱をまとった風が街に広がり、仄かな暑さをまとった風が夏の始まりを予感させた。
そんな熱気冷めやらぬ工芸都市のグラッセ。
とある奴隷寮の一室で、奴隷な兎メイドがやらかした洗濯物の取り違え。
部下の不手際を帳消しにする代わりにと押し付けられたのは、仮面舞踏会で使った仮面の修復。
修復するために向かうは、森にある男子禁制の女神の泉。
選ばれたのはドレイク娘の配下の戦闘奴隷、人間娘とナイトメア娘、そしてメイドな兎。
4人の奴隷な部下たちだけでは不安だと、上司ドレイクも付き添って、森の中を散策すれば、出てきたのは大蜘蛛の群れ。
大蜘蛛たちを撃退し、無事、泉に到着したのは夕暮れ時。
木々の間から夕陽の赤みがかった光が泉に落ち、やがて空は群青色に染まり、星々が輝きだす。
泉は仄かに光を放ち、妖精たちが集まってダンスを楽しむ。
そんな幻想的な光景野中、泉に仮面を浸せば、仮面は見る見るうちに浄化された。
と、その時、泉のほとりにある社から吐き出された少女。
名前も記憶を失くした少女。
同情した4人の奴隷娘たちは、彼女を保護し、同じ部屋に住まわせるのだった。
その場には、呆然とする者たちが立ち尽くしていた。
誰も何が起こったのか理解できず無言でソレを見ていたが、次第にこの不始末をどうすべきかと伺うような眼差しを互いに交わしだす。
己が責任を取らずに済む方法を求めての自己防衛的な行動だったが、それぞれの思惑は不発に終わる。
ガチャリと後方の扉が前触れなく開き、一瞬の静寂ののち、愉快そうな笑い声が広くはない部屋の中に弾けた。
ビクリと身をすくませる者たちをしり目に、皮肉気な声色が言葉を紡ぐ。
「これはイイ……さすが慈悲深き神の使徒。
我々の手を煩わせることないようにとの、せっかくの心配りだ。
この状況を上手く使わなくてはならないな」
振り返れば、後ろに控える側近は心得たように頷いた。
「似た容姿の者をすぐに誂えましょう」
「あぁ…容貌は問わぬ。髪色と声さえ似ていれば、な」
酷薄な笑みを唇に浮かべる。
「顔など潰してしまえばわからぬ」
(ミラストマーを欺ければ、こちらの勝ちだ。
やっと、やっとだ……あの忌々しい女狐の悔し気な顔を見ることが出来る)
側近たちは、その場に散らばった衣服や装飾品を集め、大事に保管する。
これから連れてこられるであろう少女にこれらを身に付けさせ、守護者の目を欺くのだ。
そして、その少女を守護者の前でグラッセの手勢が……
「あぁ……殺すときは灰も残らぬよう徹底させろ。
塵一つでも残れば、偽りがばれる」
「御意に」
そっと零された言葉に側近は恭しく一礼した。
今回から領都戦編です。とはいえ、まだ領都に向かっていませんが(^^;
前回、主に約一枚が酷い状況になったので、その仮面の浄化をしてまいりました。
キーパーソンになるであろうNPCを出すことが出来たので、
彼女についても掘り下げたシナリオをしたいです。
NPCも増えてきたので、NPC紹介のページを作りました。
無事、広げた風呂敷をたためるよう、あまり広げすぎないで進めたいですね。
次回までに1週間のインターバルを挟みましたので、
チョット余裕を感じつつ、次のシナリオ創りを進めていきたいところです。