もともと、それは単なる祭りの催し以外の何物でもないはずだった。
『戦い抜け! 最後まで勝ち残れば、何でも望むことが叶えられる』
優勝すればなんでも望みが思いのままだということもあり、
過去、人間の戦闘奴隷が上官であるドレイク娘をめとったという逸話が残っている。
人族奴隷だけでない。
ゴブリンやボガードなども、力を示せとばかりに躍起になっていた。
そんな中……
戸惑ったような表情で、お互いの顔を見るメンバーたち。
どういう経緯なのか、秘密裏に集められた面々は、何が始まるのかと固唾を呑んだ。
そんな彼らの前に、不可思議な文様の加えられた狐の仮面が揃えられた。
「いまさら言うまでもありませんが」
オニキス様の遣いだという近衛兵が鹿爪らしい表情で、淡々と告げた。
「今大会での優秀な成績を市長様は求めております。
そのためにこの仮面をあなた方に貸与するのです。
くれぐれも無様な結果を出さないよう……活躍を期待しております」
否やという答えは、初めから用意されていなかった。
[卓情報]
開催日:2017/05/24 21:00~24:00
参加PC:
★軍幹部候補生
ガルガ(ドレイクナイト/男)
スィン(バジリスク/女)
★ガルガ's部下
リート(人間/男)
★スィン's部下
レチケッサ(ラミア/女)
★傭兵
ウィーク(ライカンスロープ/男)
登場NPC:
★軍情報通
ドレイユ(ソレイユ/男)
★司会者
ビルネ(バジリスク/女)
リザルト:
経験点:1000EXP(基本)+220EXP(追加)+(1ゾロ×50EXP)
報 酬:都市戦代表勲章(装備箇所『その他』『耳』/効果:魔防+2/売却価格3000G)
名誉点:20点(基本)+47点(追加) ※白銀勲章分名誉点含む
成 長:1回
【あらすじ】
初夏の爽やかな風が熱風に変わる闘技場では、仮面武闘会 都市戦が開催されていた。
PCたちは、バトルロワイアルな一回戦を勝ち抜き、やはりバトルロワイアルな二回戦へ臨む。
有力な選手たちは潰し合い、最後のに凝ったのはPCたちと漁夫の利を得たゴブリンズ。
ゴブリンズとの激しい戦いの末、勝ち取った決勝へのチケットだったが、
とあるPCの捨て身の戦法に全選手が戦慄し、出場辞退が相次いだ。
そう……妖精を見るたびに吐き出されるデーモンルーラーなラミア娘のヴェノムブレス(嘔吐攻撃)により、出場者すべてが戦いを拒否したのだ。
よって領都戦へのチケットをPCたちは手にする。
さて、領都戦への出場枠を獲得したPCたちに、ソレイユ男が語る。
なんでも、上層部からの依頼で、領都にて人探しをしてもらいたいらしい。
どうやら、今回の仮面に呪いというか祝福というか、付与魔法的なサムシングをした少女が、誰かに連れ去らわれてしまったらしいので、彼女を探して欲しいとのことだ。
封印されて、とある場所から自発的に移動できなかったはずなのだが、封印が破られ、その場所から何者かに誘拐され……
「その少女エルヴを猫っ可愛がりしていたソレイユがいたのであるが……野に放たれてしまってな。非常に面倒なのである」
そう、低レベルの有象無象がおのれの望みをかけて戦う仮面武闘会開催中なのに、そのソレイユに邪魔されては台無しになると市長が嘆いているらしいのだ。
「そこで、エルヴを探してほしいのである」
ソレイユ男の頼み=上層部からの密命に、PCたちは断るすべを持たないのであった。
その手は小さく、か弱かった。
背中を預けるほど信頼した相棒の面影を強く宿した幼子は、その小さな身体に見合わぬ胆力を持ち合わせていた。
流石、相棒の忘れ形見だけはあると、微笑ましく思いながら、流浪の旅に連れ出したことへの罪悪感をねじ伏せた。
相棒が亡くなり、遺品と残した金品を届けに行ったあの日。
幼いあの子は、自身の将来を見据えて、嘆願したのだ。
「コブ付きはいらないんですって……母さんだけなら面倒見るって人、多いの。
だから、遅かれ早かれ、あたしは孤児院に行くか、どこかの爺さんの妾になるしかないわ。
それより、父さんが見たという世界を知りたいの」
少女のまっすぐな目は、何かを決めたときの相棒の目にそっくりだった。
正直、昼間、訓練をしていた少女に剣筋がイイなんて褒めなければよかったと思いはした。
けれど、相棒を失って、もうどうにでもなれと破れかぶれだった当時の自分は、相棒とつながる微かな糸のようなものを求めていて……。
いつの間にか諾の返事を返し、攫うように連れ去った。
そして……結局、その子をも失った。
(ココにもいない……)
焦燥感に捕らわれながら、当てもなくさ迷い歩く。
今頃泣いているかもしれない。
恐ろしい思いをして、寒さに飢えに苦しんでいるかもしれない。
そう考えると、居ても立っても居られなかった。
「待っていて……今度はちゃんと……」
行く手を遮るゴーリーに拳を叩き込みながら、それは呟く。
あの時、失った小さな手の暖かさを忘れることが出来ず、想いを消化するかの如く少女の像を彫り、奉納した。
そして、手に入れた小さなぬくもり。
「待っていてね……エルヴ」
都市戦の終盤です。
戦闘回ということで、遠距離の戦闘を予定していましたが……バフ・デバフできるキャラがいなかった!
ちゃんとPCのスキルを見据えてやりましょうという教訓になりました。
たぶん、次回も同じことをしそうだけどw
さて、今回はゲロインさんが良い仕事をしてくれました。
妖精を見ると嘔吐するのに、直属の上司が妖精使いという設定が、素晴らしくうまくはまってくれて、
非常に面白かったです。
とはいえ、最後のドレイク竜変化からのブレス1ゾロに、すべてを持っていかれた感がありましたが(´∀`*)ウフフ
ダイスの女神さまはドラマチックなのがお好みですね。
次回からは、都市戦です。
今回、最後で出てきた密命を上手く膨らませて、シナリオに生かしたいところです。