膿とは、炎症を起こした部位が化膿(かのう)して生じる黄白色または黄緑色の不透明な粘液です。
色が濃くてドロドロ、ねっとりしたタイプの膿と、透明感があり、薄くてさらっとした、水分の多い膿に分かれます。
膿の成分
膿の成分は、主に白血球と血清です。
その他では、壊れた細胞組織や死んだ細菌などが含まれています。
尿道炎の膿
尿道口(おしっこがでるところ)から膿が出るのは、尿道口から侵入した病原菌が、尿道の粘膜に感染して、尿道炎を起こしているからです。
尿道炎の膿の状態には2種類あります。
濃くてドロドロ、ねっとりしたタイプの膿=膿性尿道炎(のうせいにょうどうえん)
透明感があり、薄くてさらっとした、水分の多い膿=漿液性尿道炎(しょうえきせいにょうどうえん)
膿性尿道炎
淋菌感染症(淋病)が原因の尿道炎に、多くみられます。
性行為(セックス)をしてから、2~7日の潜伏期間の後に、尿道口から、黄色くてドロドロした濃い膿が多量に出て、強い排尿痛を伴います。
淋菌性尿道炎の特徴ですね。
漿液性尿道炎
淋菌以外の病原菌による尿道炎に、多くみられます。
エッチをしてから、1~3週の潜伏期間の後に、尿道口からやや水っぽい薄い膿が少量出てきます。
おしっこをする時も、あまり痛みを感じないことが多いようです。
非淋菌性尿道炎と呼ばれます。
たいていの場合、クラミジアが原因となります。
どちらの尿道炎も、女性の膣にペニスを入れなくても、フェラチオによる、口からの感染も珍しくありません。
混合性尿道炎
膿性尿道炎と、漿液性尿道炎の両方の特徴が混じります。
20~30代の若い人達の性病では、淋病とクラミジアのダブル感染は、珍しくありません。
下記は大まかな目安です。
痛みの強さなどの自覚症状は、人それぞれ感じ方の違いがあります。
尿道炎の潜伏期間は、ヒトに感染した菌体の数によります。
一度にたくさんの菌が入れば、その日のうちにでも、発症しますし、菌が少なければ、数日から数ヶ月かかって症状が出ることもあります。
症状がでるまでの気がつかない間に、恋人同士や、夫婦間で、パートナーに移してしまい、相手の身体の中で病原菌が繁殖し、その病原菌をもらい返すケースも、意外と多くみられます。