キアシドクガとの共生を考える(3)

投稿日: 2017/06/03 6:56:55

6月の第1週に入りました。

あちらこちらで見受けられた、蛾の成虫もすっかり影が薄くなりました。

それに代わり、モンシロチョウ、アゲハチョウなどが飛んでいます。

*交尾中のモンシロチョウ

可哀想にキアシドクガは「名前と見た目」で相当ハンディを負っています。

第1報でご紹介した昆虫研究者の曽我先生から由野台地区の情報を頂きました。

南区で最初にキアシドクガの異常発生が報じられたのは2015年、

相模原市立博物館の学芸員さんが「キャンプ淵野辺跡地」での様子を

伝えたことのようです。さらにTVのニュース・天気予報のコーナーで

「幻想的な蛾の乱舞」が報じられたとのことです。

ここの場所は蛾の発生場所(みずき群)と住宅地が交通量の多い道路で

分断されているためか、毛虫の迷惑騒動は起きなかったらしいです。

今年も「キャンプ淵野辺跡地」周辺自治会では蛾の発生が問題になっている

とのこと。

地区ごとに直面する「キアシドクガ」の迷惑はそれぞれ異なり、対応も

変わってくる難しさがあるようです。

ここから共生に向けた一つのヒントが導かれます。

住宅や生活道路に近いミズキが少なくなれば、毛虫侵入による迷惑騒動は

軽減できるのでは・・・・・・・・?

こもれびの森を回ってみて、生活圏から10メートルが一つの案として

浮かんできます。それより奥にあるミズキは現状のままで次世代の

キアシドクガの食糧庫として残せます。

地権者、行政、関係自治会が話し合いを持てば何らかの行動は起こせると

思います。例えば、行政が許可を出し、自治会やNPOが労力を提供し、

ミズキの間伐などを試すことはさほど難しい話では有りません。

第2段として、生活圏内に侵入してきた毛虫は「窒息作戦」と「清掃作戦」で

排除する。「窒息作戦」のタイミングは1週間のうち2回程度で激減させる

ことが可能と思われます。行政の支援があれば周辺自治会で対応可能と

考えます。今年、「すみれ自治会」は実績を作りました。

*キアシドクガ異常発生

したおかげで、餌が豊富になった「ムクドリ」の数が倍増しています。

次はムクドリの迷惑が発生しなければ良いと思っています。

最後に、こもれびの森にある灌がい水路に水を引き捕食する鳥を増やそうといった

案が別の協議会で話されていると漏れ聞きました。蚊の発生、水の事故など

2次、3次の副次的な問題発生と管理面も想定し議論の上、結論を出していただければ

地域住民も納得するのではないかと思います。