投稿日: 2017/05/29 1:45:23
大野台地区は小学校の校歌にうたわれる程、ミズキの木の
密度が高いです。キアシドクガの幼虫(毛虫)はミズキ、クマノミズキの
葉を食べ見事なほど木を丸坊主にしてしまいます。
毛虫が一斉に葉を食べる、パラパラ、バリバリと雨のようなが音が響き渡り
不気味なほどです。
去年に続き今年も毛虫が異常発生し、林に隣接する住宅や小学校、中学校では
林からの侵入者の量の多さ(毛虫の絨毯)に悩まされました。
繊細な心を持つ小学生・中学生の中には空から降る毛虫を振り払い、毛虫の
絨毯を踏みつけながら学校に行くのを躊躇し、家族を心配させた話も聞きました。
ここで、キアシドクガの成長過程での『迷惑度』を考察します。
1令幼虫・・・・・・・・毛虫ではあるが毛も薄くその存在もミズキの範囲にとどまり
気にされない。迷惑度:小
2令幼虫・・・・・・・・立派なまつげ状の堅い毛におおわれ、体長も3cm以上と
大振りになり建物の壁、電柱など人の生活圏に侵入。発生量が
多いと問題。迷惑度:最大
蛾(成虫)・・・・・・この段階で、苦情を訴える人はほとんどいない。乱舞する様を
楽しむ愛好家や補虫網を携え林を散策する家族もいる。
迷惑度:小
大野台すみれ自治会では、この毛虫異常発生事態にどのように対応したか
振り返って見ます。
◆4月末;毛虫の発生に気づいた住民が個々に市販殺虫剤などで毛虫退治
◆5月第1週;個々の対応では追い付かず、市役所や自治会に多くの対応要請が殺到
市は毛虫が無害である故を発生個所に掲示し住民に理解を求めた。
自治会と市担当課の協議で、殺虫剤散布などの強硬手段は生態系バランスの崩壊、
薬剤2次汚染など環境へのマイナス効果が懸念されるため環境に優しい代替対応を
模索することにした。
◆5月第2週;生活道路、住宅・学校の壁等に侵入してきた毛虫の量が異常に多く
苦情もピークに達した。市から職員さん達が派遣され箒と塵取りで道路上の
毛虫を排除した。
*小一時間で毛虫袋が数体も!!!
毛虫退治が高じて、目を閉じても毛虫が動く姿が焼き付いて離れ
ないなどノイローゼ気味の方もおられました。
自治会では、毛虫の窒息作戦を実施。この作戦の概要は皆さんお馴染みの洗濯機用のり
を水で希釈し、高圧散布機で緑地に接する地域内の樹木、柵、住宅外壁、道路、電柱
などにいる毛虫に散布。生活圏に侵入してこないよう境界領域にきた毛虫を糊付けし
窒息死させました。 散布範囲はこもれびの森、七丁目緑地、雨水調整池脇、小学校裏門、
中学校校舎脇、等々広範囲に渡りましたが、出会った小学生、中学生、地域の方から
お声かけ頂き励みになりました。
作戦大成功。「市の清掃作戦」と「自治会の糊付け作戦」の相乗効果で
目に付く毛虫は激減し、住民の迷惑感が急速に改善されました。
住民からの要請で連日毛虫掃除作戦に従事された ”水みどり環境課” 職員の皆様、
作業者の皆様のご尽力に地域を代表し厚く御礼申し上げます。
来年に向けキアシドクガの異常発生対策には行政・地域団体・専門家集団が
知恵を出し共生の道を探るべきであると痛感しました。