⑶接触量
次に接触量であるが、都市部においてはマスメディアに匹敵するサーキュレーションを誇る。JR東日本企画が首都圏の一万人にメディア接触状況(一週間)を調査したところによると、交通メディアはテレビ、新聞、インターネットに次いで接触率が高かった。交通メディアには屋外メディアや施設メディアは含まれていないので、それを含んだOOHメディア全般となればさらに高い数値になる(図表9)。鉄道会社別の利用者数を見ても、関東では一日延べで四千万人に達しており、交通メディアのサーキュレーションの高さが伺える(図表10)。
但し、鉄道路線や駅、街、施設によってサーキュレーションのレベルは様々であり、細かく展開エリアをセグメントできるのがOOHメディアの特徴でもあるので、ここでいくつかのサーキュレーション図表を提示する。
● 図表11:性、年齢別の関東主要鉄道路線に関する利用率グラフ(一日平均・延べ)。JR東日本の利用率が飛びぬけている。JR東日本と東京メトロ以外の私鉄の利用率は凡そ10%以下にとどまる。F2、F3層については全般的に利用率が低い。居住エリアと都心を結ぶ私鉄は、若者の構成比が高く、都心を運行する地下鉄は低い。
● 図表12:関東・近畿・東海の大型駅に関する乗降客数表(一日平均・延べ)。二〇〇六年のディズニーリゾート入場者数、一日平均約七万人という数値と比べると、駅にいかに多くの人が集まっているかが推察できる。また駅については、その半数以上が定期券利用者であるため、多くのビジネスパーソンや学生に対してくり返しの訴求が可能となる。
● 図表13:性、年齢別の東京主要繁華街に関する来街率グラフ(一日平均・延べ)。どの街についても来街率は十%以下の数値にとどまるが、新宿のM1層(二十~三十四歳男性)の来街率は九%に達しており、新宿という街の大きさ物語っている。東京、新橋には大人の男性が数多く集まり、池袋や原宿は若者が数多く集まる街といったことが窺える。表参道は若い女性の来街率とてもが高い。