OOHメディアは、ターゲットに接触を図る上で三つの大きな魅力を有している。
●接触タイミング
マスメディアなどでは接触しづらい生活動線上の有効なポイントで、ターゲットに対して接触を図ることが可能
●接触方法
ターゲットに対して多彩なアプローチが可能
●接触量
都市部において、マスメディアに匹敵するサーキュレーションがある
⑴接触タイミング
ターゲットの生活導線上でOOHメディアが有効に働くポイントはたくさん考えられるが、中でも「購買行動の直前」、「商品消費意向の高まったタイミング」、「友人・知人との対話中や対話直前のタイミング」は、広告効果を認知というレベルで終わらせない大きな可能性を秘めたタイミングと言える。電車の中吊りポスターに掲載記事のトピックスを載せて、駅売店での購買を促す週刊誌の広告展開はターゲットを購買に導く強い力があるし、体臭が気になる汗ばむ夏の時期、満員電車に掲出される制汗デオドラントの広告は、しっかりとターゲットの視線を奪い、長く印象に残るものになっているに違いない。
また友人と街を歩いている時に、気になっていた新商品の広告が目に入れば、その場で商品に関する会話が始まり、その会話がテレビスポット広告の効果を何倍にも引き上げてくれる可能性がある(図表8)。
⑵接触方法
電車や自動改札機などに貼られる小型のステッカーから、電車の車内をすべてジャックする広告貸切電車まで、さまざまな掲出形態がOOHメディアには存在する。ターゲットへのアプローチの仕方、広告訴求の方法も多岐にわたる。電車やタクシーで移動中のターゲットに対して、読み物として広告を提供し、読み込みを期待するようなベーシックな展開もあれば、新商品発売時に渋谷の駅前に巨大な広告物を建造し、それをひとつのニュースとして話題拡散を図るような仕掛けもある。ターゲットがどういう心情の時に、どういう方法で接触を図るかで広告コミュニケーションの深度は大きく変わってくる。