⑵注目が集まる屋外メディア
屋外メディアとは、文字通り屋外に設置されたメディアであり、ビル屋上ネオンや壁面広告幕などを指す。駅メディア同様、主にターゲットが動いている状態で接触する。
最も大きな特徴は、屋外という開かれた空間でインパクトのある訴求を可能にする点である。近年、埋没しない広告を創り上げる「クリエイティブメディア」という発想が注目されているが、これはメディアがないところにメディアを創造するという考え方で、屋外という開かれた空間でこそ活かされる施策と言えるかもしれない。屋外であれば、大草原に広告メッセージ載せた巨大ミステリーサークルを仕込むようなことも可能となる。
大まかには、繁華街対象型、道路対象型の二つに分けられるが、屋外メディアは遠方からも視認できるようにとても大きなサイズで設計され、大きな製作初期コストを要するため、現状は一年以上の長期間契約で販売されているスペースが多い。繁華街対象型媒体の短期スパン(二週間前後)販売は、渋谷、銀座、新宿など多くの人が集まる限られたエリアで行われている。様々なタイプのものがあり、渋谷の駅前にも屋上サイン、街頭ビジョン、突き出しサイン、ウインドウサイン、壁面サインといった本当にたくさんの種類のメディアが設置されている(図表3)。
図表3
● 屋上サイン:
建物屋上に設置されたメディアで、ガラス管に封入したガスを発光させるネオンサインがポピュラー。屋外において最も大型のサイズで展開可能。建物の大きさの三分の二以下に収めるのが一般的な規制基準。
● 壁面サイン:
建物壁面に設置されたメディアで、広告物の大きさは百平方メートル以下に収めるのが一般的基準。布地やターポリン(防水布)で壁面のアンカーに巻き付ける懸垂幕が一般的。
● 街頭ビジョン:
プラズマやLEDを使って映像などを流すメディア。人通りの多い交差点に設置されているケースが多い。
● 突き出しサイン:
壁面から突き出した形で設置されたメディアで、袖看板とも呼ばれる。
● ウィンドウサイン:
ウィンドウの中に商品などを陳列するメディアだが、二階などにある場合はガラスの内側にシートを貼って利用したりもする。