OOH(OUT OF HOME)メディアとは、家の外にある広告メディア全般の総称であり、アウトドアメディアともいわれる。
電車などの交通機関に付随する交通メディア、ビル屋上看板に代表される屋外メディア、大型集客施設などで展開されている施設メディアの大きく三つに分類される。
かつては、四マスおよびネット以外のメディアは全てOOHメディアとして扱うような傾向があり、その名残りで今も宅内に配布される新聞折り込みチラシがOOHメディアとして扱われる場合がある。
⑴発達している日本の交通メディア
交通メディアは、電車、バス、タクシーなど様々な交通機関を利用した広告メディアの総称である。その代表が鉄道メディアで、交通メディア=鉄道メディアと扱われることが多い。また、短期広告キャンペーンで活用されるOOHメディアの大半が、日本では交通メディアとなっている。これは日本の鉄道網が大変発達していることに起因している。世界的に有名なニューヨーク、ロンドンの地下鉄利用者が1日数百万人程度だが、首都圏では毎日一千万人近い人が電車を利用している。
交通メディアは車両メディア、駅メディアの二種類に分類されるが、車両メディアはさらにその機能によって大きく三つに分類することができる(図表1)。
①効率的なリーチ獲得を追求する「ステッカー・窓上ポスター」
②リーチの獲得とインパクトの醸成をバランスよく追求する「中吊り・ドア横」
③大きなインパクト醸成を追求する「広告貸切電車・車体広告」
(車体広告を除く)車両メディア全般の最も大きな特徴として、ターゲットが立ち止まった状態で接触し、移動中の持て余した時間で読み込みも期待できるという点があげられる。
図表1
駅メディアは車両メディアと異なり、主にターゲットが動いている状態で接触する。最も大きな特徴は、駅という閉鎖された空間で、インパクトのある訴求を可能にする点である。駅メディアは三つのタイプのメディアで構成されている(図表2)。
①駅貼りポスター:
だいたい一週間ごとに貼りかえられる紙のポスター。キャッチーな広告ビジュアルで、マスメディア広告のリマインダーとして機能しているケースが多く見られる
②駅サインボード:
長期契約販売が多く、相当量を企業の社名告知、店舗誘導サインの出稿が締めている。人通りの盛んな優良スペースにはなかなか空枠が発生しない
③その他駅メディア:
柱巻きシート、天井吊りフラッグ等。形状・場所に合わせた広告クリエイティブを開発することで、インパクトの強い訴求が可能になる
図表2
※交通メディア
┗━━━━車両メディア
┗━━━━効率的なリーチ獲得を追求するメディア
┗━━━━リーチの獲得とインパクトの醸成をバランスよく追求するメディア
┗━━━━大きなインパクト醸成を追求するメディア
┗━━━━駅メディア
┗━━━━(短期出稿中心の)駅貼りポスター
┗━━━━(長期出稿中心の)駅サインボード
┗━━━━(変幻自在の)その他メディア