マルバチャルメルソウ

Mitella nuda L.

小型の夏緑性多年草。葉は丸く、基部は心形で2~4cmくらい。葉には両面に毛が生え、裏は赤くならない。 ほふく茎を出して横に広がる。初夏に根元から5~8cm程度の花茎をのばし、緑色の花を数個つける。他の多くのチャルメルソウ類と異なり、花にはおしべが10個つく。花は直径7mm程度で皿型。子房上位で、花柱は枝分かれすることなく、先端に点状の柱頭がある。萼片は平開し、花弁は7-9裂する。種皮は熟すと黒色となり光沢がある。最も広域に分布する種で、北米、東アジアのやや湿った林床に生育するが、北米産のものが染色体数2n=28の4倍体であるのに対し、東アジアのものは2n=14の2倍体であることが知られている。日本では北海道東部と長野県白岩岳、釜無山に隔離分布し、かなり稀な種である。

マルバチャルメルソウの花(栽培株2007年4月)

マルバチャルメルソウの自生環境

(北海道足寄町2007年6月)

沢沿いのカツラの大木の下に群生していた。

開花個体(北海道足寄町2007年6月)

チドメグサのように匍匐し、葉はよく見られるが、開花しているのは日当りの良い場所に生える栄養状態の良い株だけのようである。