講義シラバス(筑波大学)
会計基礎(Introduction to Accounting)
・キーワード
簿記・会計・財務諸表(貸借対照表・損益計算書など)・財務諸表分析
・授業内容
簿記と会計の基本について講義します。日常の経済活動を会計的に記録することから始まり,決算を行って貸借対照表と損益計算書を作成する一連の作業の意義が理解できることが目標です。そして最後に,財務諸表をどのような形で活かすか(財務諸表分析)を理解します。
第1,2回:社会における会計の役割について説明し,様々な会計報告書を紹介します。
第3,4回:複式簿記の仕組みについて説明し,財務諸表を作成するための手続き(決算整理のない場合)を学びます。
第5,6回:資産・負債の評価基準について説明します。
第7,8回:収益・費用の認識基準について説明します。
第9,10回:これまでの内容をふまえ,財務諸表を作成するための手続き(決算整理のある場合)を学び,最後に財務諸表分析の方法を理解します。
ただし,学習の理解度に応じて変更される場合があります.
・履修条件
入学前に会計の基礎教育を受けた経験をもたない学生を対象とします。
・成績評価方法
毎週の講義の内容に沿った課題を出します。この課題の提出状況を40%,期末レポートを60%として評価します。
・授業外における学習方法
授業終了時に提示する課題をもとに復習を実施してください。
・教材・配布資料
教科書は指定しません。毎回配布する資料をもとに講義を進めます。
・参考文献
本講義の知識をさらに深めるために,以下の文献が有用です。どちらも「入門」と題してありますが,会計学の中・上級レベルまで網羅しています。
新田忠誓他(2012)『会計学・簿記入門〔第11版〕』白桃書房。
伊藤邦雄(2012)『ゼミナール現代会計入門〔第9版〕』日本経済新聞社。
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財務会計(Financial Accounting)
・キーワード
簿記・会計・財務諸表(貸借対照表,損益計算書,キャッシュ・フロー計算書)
・授業内容
近年,国際的な企業会計制度の変革はめざましい速度で進行しています。この流れで,わが国の企業会計もその根幹から変わろうとしております。本講義は,このような状況のもとで,財務会計の最新論点について学習し,企業の経営成績・財政状態およびキャッシュ・フローの状況を表す財務諸表の何が変わって,また何が変わっていないのかを学ぶことを目的とします。
具体的には,財務会計の個別論点である金融商品会計,リース会計,退職給付会計,税効果会計などについて,どのような論理で会計処理が行わるのかを学習し,その結果,財務諸表にどのようなインパクトを与えるのかを,ケースをもとに理解してもらいます。その際,こちらで用意した問題を解いてもらいますので,電卓を用意してきてください。
第1,2回:有価証券(売買目的有価証券・満期保有目的債券・子会社株式およびその他有価証券)の会計について説明します。
第3,4回:減損会計について説明します。
第5,6回:税効果会計について説明します。
第7,8回:リース会計について説明します。
第9,10回:連結会計の論理について説明します。
ただし,学習の理解度に応じて変更される場合があります.
・履修条件
会計の基礎教育を受けた(具体的には,「会計基礎」受講済み程度の知識をもった)学生を対象とします。
・成績評価方法
毎週の講義の内容に沿った課題を出します。この課題の提出状況を50%,期末レポートを50%として評価します。
・授業外における学習方法
授業終了時に提示する課題をもとに復習を実施してください。
・教材・配布資料
教科書は指定しません。毎回配布する資料をもとに講義を進めます。
・参考文献
本講義の知識をさらに深めるために,以下の文献が有用です。
伊藤邦雄(2012)『ゼミナール現代会計入門〔第9版〕』日本経済新聞社。
佐藤信彦他(2013)『スタンダードテキスト財務会計論II 応用論点編〔第7版』中央経済社。
伊藤邦雄(2007)『企業価値評価』日本経済新聞社。
中央経済社編(2012)『新版 会計法規集』(第5版),中央経済社。
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会計情報分析(Analysis of Accounting Information)
・キーワード
財務分析・企業価値評価・財務諸表(貸借対照表,損益計算書,キャッシュ・フロー計算書)
・授業内容
近年のわが国では,企業価値を意識した経営を求められることが多くなっています。そこで本講義では,どのような原理で企業価値が評価されているのかを確認し,その企業価値を戦略的に高めるにはどのようにしたらよいのかを主に会計の視点から議論します。そして最後に,関心のある企業を対象に分析をしてもらい,企業価値を高めるためにはどのような施策が必要かをプレゼンテーションしてもらいます。
第1,2回:ガイダンス・企業価値とは?
第3,4回:ファンダメンタル分析の方法
第5,6回:企業価値評価の方法
第7,8回: プレゼンテーション①
第9,10回:プレゼンテーション②
ただし,学習の理解度に応じて変更される場合があります.
・履修条件
会計の基礎教育を受けた(具体的には「会計基礎」を受講済み),もしくはそれと同程度以上の知識を持った学生を対象とします。
・成績評価方法
チームを組んで第7~10回に,関心のある企業を対象に分析をしてもらい,企業価値を高めるためにはどのような施策が必要かをプレゼンテーションしてもらいます。この課題を50%,出席点を50%として評価します。
・授業外における学習方法
授業終了時に提示する課題をもとに復習を実施してください。
・教材・配布資料
伊藤邦雄(2014)『新・企業価値評価』日本経済新聞出版社。
上記テキストを、第1回目の講義までに用意してきてください。
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財務会計特論(Advanced Course of Financial Accounting)
・キーワード
実証的会計研究・利益調整・会計情報・財務諸表(貸借対照表,損益計算書,キャッシュ・フロー計算書)・報酬契約・債務契約
・授業内容
利益調整(earnings management)とは,会計基準の規定の範囲内で行われる,会計利益の操作を目的とした裁量行動のことをいいます。現行の会計基準は,会計手続き選択について経営者にある程度の裁量を認めています。本講義では,この利益調整の動機および経済的影響について学習します。具体的には,報酬契約・債務契約・証券投資といった局面における利益調整の意味を理解し,その知識を実務に応用できることを目標とします。したがって、講義は実証的会計研究の方法および実証結果の理解がメインとなりますので、会計研究に関心のある方のみ、講義を履修してください。
第1,2回:ガイダンス・利益調整とは
第3,4回:利益ベンチマークに関する利益調整
第5,6回:利益ベンチマークに関する利益調整の決定要因
第7,8回:報酬契約・経営者交代と利益調整
第9,10回:債務契約と利益調整
ただし,学習の理解度に応じて変更される場合があります.
・履修条件
会計の基礎教育を受け,会計研究に関心のある学生を対象とします。
・成績評価方法
チームを組んで毎回、事前にテキストを要約し、その内容について説明してもらいます。この課題を50%,期末レポートを50%として評価します。
・授業外における学習方法
授業終了時に提示する課題をもとに復習を実施してください。
・教材・配布資料
首藤昭信(2010)『日本企業の利益調整-理論と実証』中央経済社。
上記テキストを、第1回の講義までに用意してきてください。これに加え、毎回配布する資料をもとに講義を進めます。
・参考文献
本講義の知識をさらに深めるために,以下の文献が有用です。
大日方隆(2013)『アドバンスト財務会計〔第2版〕』中央経済社。
須田一幸(2000)『財務会計の機能-理論と実証』白桃書房。
中央経済社編(2015)『新版 会計法規集〔第7版)』中央経済社。
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実証会計論(Empirical Accounting Theory)
・キーワード
実証的会計研究・会計情報・財務諸表(貸借対照表,損益計算書,キャッシュ・フロー計算書)・報酬契約・債務契約
・授業内容
会計学の先進的な知識をベースに,会計情報が実務のどのような局面で利用されているのかを考察し、会計情報の活用の仕方について、テキストや実証研究の結果をもとに議論します。具体的には,報酬契約・債務契約・証券投資といった局面における会計の機能を理解し,その知識を実務に応用できることを目標とします。したがって、講義は実証的会計研究の方法および実証結果の理解がメインとなりますので、会計研究に関心のある方のみ、講義を履修してください。
第1,2回:ガイダンス・実証分析の方法
第3,4回:財務会計に対する意思決定有用性アプローチ・効率的証券市場
第5,6回:資本市場アプローチに関する実証研究
第7,8回:契約理論アプローチに関する実証研究
第9,10回:基準設定をめぐる諸問題
ただし,学習の理解度に応じて変更される場合があります.
・履修条件
会計の基礎教育を受け,会計研究に関心のある学生を対象とします。なお、会計研究に関する事前の知識は必要ありません。
・成績評価方法
チームを組んで毎回、事前にテキストを要約し、その内容について説明してもらいます。この課題を50%,期末レポートを50%として評価します。
・授業外における学習方法
授業終了時に提示する課題をもとに復習を実施してください。
・教材・配布資料
太田康広・椎葉淳・西谷順平訳(2008)『財務会計の理論と実証』中央経済社。
上記テキストを、第1回の講義までに用意してきてください。これに加え、毎回配布する資料をもとに講義を進めます。なお、任意ではありますが、原著である
Scott, W.(2011), Financial Accounting Theory 6th ed., Prentice-Hall.
も用意しておくと、理解がよりスムースになります。
・参考文献
本講義の知識をさらに深めるために,以下の文献が有用です。
大日方隆(2013)『アドバンスト財務会計〔第2版〕』中央経済社。
首藤昭信(2010)『日本企業の利益調整-理論と実証』中央経済社。
須田一幸(2000)『財務会計の機能-理論と実証』白桃書房。
中央経済社編(2012)『新版 会計法規集〔第5版)』中央経済社。