シンポジウム「魚類化石研究の現状と可能性」
日本古生物学会2017年年会 2017年6月9日(金)北九州市立自然史・歴史博物館 ガイド館
コンビナー: 籔本美孝(北九州市立自然史・歴史博物館)・髙桒祐司(群馬県立自然史博物館)
近年、魚類化石研究を進展させる環境条件が整いつつある.例えば、日本の博物館でも国内外の保存状態の良い魚類化石が蓄積されてきており、さらに、水族館では、世界的に飼育の難しかった深海性魚類やサメ類に代表される大型魚類の長期飼育が可能となり、現生魚類の生態に関する情報もより一層得られるようになった.また、近年の分子生物学の発展に伴って、現生魚類の多くのグループにおいて分子系統関係が明らかになっていることも、魚類化石研究を進展させる一つの原動力となっている.魚類化石の研究は、現生魚類との比較形態学的研究にもとづく分類学的記載や系統分類学的研究がほとんどであるが、最近では水族館における現生種の行動観察にもとづく化石サメ類の機能形態学的研究や、分子系統学的研究と古生物学的研究にもとづいた分岐年代の推定や魚類の多様化プロセスの解明といった融合的な研究も進められるようになってきている.本シンポジウムでは、日本の魚類化石研究者が行っている研究を紹介し、魚類化石研究の現状と未来の可能性について議論することを目的とする。
1. 13:00~13:10 趣旨説明 籔本美孝(北九州市立自然史・歴史博物館)
2. 13:10~13:40 日本における軟骨魚類化石の研究 −現状と展望− 髙桒祐司(群馬県立自然史博物館)
3. 13:40~14:10 「水族館古生物学」の展望 冨田武照(沖縄美ら島財団総合研究センター)
【14:10~14:25】休憩
4. 14:25~14:55 硬骨魚類化石の研究 −日本の博物館所蔵の主な魚類化石と研究の可能性について− 籔本美孝(北九州市立自然史・歴史博物館)
5. 14:55~15:25 第四紀淡水魚類化石の研究-玖珠盆地産淡水魚類化石を例に- 宮田真也(城西大学)
6. 15:25~15:55 魚類における分岐年代推定と多様化プロセス解析 昆 健志 (琉球大学)
【15:55~16:15】総合討論