特定の期日までに、論文やレジュメといった文書をまとめる必要がある場合がある。このような時は、意識的にアイデアを出して、それを短期間の内にまとめることになる。
まず、喫茶店などに行って、短期間に集中して、アイデアを野帳からくがき帳に書き出す。この時は、とにかく頭にあることをすべて書き出すことを心がける。
このメモをデータ化し、それを元にしてとにかく一つ、文書をつくってしまう。アイデアメモを作ってから、文書にするまでの期間は、できるだけ短い方がいい。せいぜい一週間程度だろうか。そうしたら、それを徐々に修正する形で、完成に近づけていく。
完成した文書を一度に作るのでは無く、荒削りでもとりあえず形にし、それを徐々に修正して完成に近づける、というイメージである。一度文書を作ったならば、自分の理論のどの点が不十分であり、何について知らなくて、何を新たに考察する必要があるのかが見えてくる。そして、次はそれを念頭に置いた上で考察し、またそれをメモの形で書き出し、それを元にして、文書を修正する。それでまた不十分な点が見つかれば、またその箇所を修正する……というように、漸次的に文書を完成させるのである。そうやって全体の形を整えていき、最後に文体や誤字や表現といった、細かいところに手を入れる。
そのような方針が無いところで、いくら考えたとしても、それは結果に結びつかないことが多い。全体的な指針が無いと、それが文書の完成に寄与するかどうかと無関係に、その時たまたま目についたことを、闇雲に考察することになってしまうからである。労力としても時間としても、無駄なのだ。準備を万全にして、個々の論証の流れや全体の論理展開を頭に思い描き、いきなり完成した文書を作り出す必要性など無い。最初はどれだけ適当なものであってもいいのである。
文書の修正をする際は、PC上だけでやるのではなく、紙媒体も併用するのがおすすめである。そのほうが、全体の構造を把握しやすいのだ。
プリントアウトしたら、それを読みながら、ペンで書き込みを加えていく。それが終わったら、その書き込みを元のデータに反映する。そうしたらまた、そのデータをプリントアウト。また書き込み、反映……という過程を繰り返すのだ。