複数の衛星データのシナジーで何ができるか?をメインテーマに研究を進めています。
●衛星データフュージョン手法の開発
特徴の異なる複数の衛星長期観測データを統合し、高時空間分解能の衛星データセットを作成する手法を開発しています。
ルックアップテーブルによる補間 (DBUX; Mizuochi et al., 2014; Mizuochi et al., 2017)
機械学習の利用: ランダムフォレスト (Mizuochi et al., 2018)、ベイズ的アップデート(Mizuochi et al., 2019)、conditional GAN(Mizuochi et al., 2021)
●衛星データの水文・環境学的応用
複数の衛星データセットを, アフリカ・ナミビア共和国の季節湿地、インドネシアの熱帯湿地、シベリアのサーモカルスト湿地などでの水文観測に応用しています。
UAV (ドローン) での貯水量推定 (Mizuochi et al., 2016)
湿地からの蒸発散量推定(プレゼン資料)
●ハイパースペクトルセンサの相互校正
衛星センサの打ち上げ後校正には機上校正・代替校正・月校正など様々な手法がありますが、同時期に軌道上にある複数の衛星センサとの相互比較によってもデータの品質を高めることができます(相互校正)。
EO-1/HyperionとTerra/MODISの相互校正(Mizuochi et al., 2020)
●複数衛星データを用いた全球陸面モデルの検証
陸面モデルは、地表面と大気の間の、エネルギーや、水・炭素・窒素などの物質の交換を記述するためのモデルです。
衛星などにより観測されている、土壌水分・蒸発散・河川流出などの全球スケールのデータを用いて、全球陸面モデルのシミュレーション精度の検証や特性の評価を行っています。(Mizuochi et al., 2021)
●衛星画像分類への機械学習の応用
衛星画像を機械学習し, 地上のダイナミックな土地利用/土地被覆のマッピングに役立てます.
つくば市周辺の土地被覆マッピング (詳しくはとらりもんのページへ).
土地被覆カテゴリは、 落葉樹林/1 常緑樹林/2 竹林/3 裸地/4 耕作地/5 草原/6 果樹園/7 水田/8 都市/9 水域/10 に分けています。
どのマップでも、霞ヶ浦、筑波山など大きな土地被覆は分類できています(サポートベクタマシンでは、霞ヶ浦にノイズが生じていますが)。ベイズ推定(KDE)のマップは、新治台地の果樹園なども抽出できています。