皆さん”ブラックウォー”ってご存知ですか?最近博物館等で展示されていることがあります。
下の写真のように、筒の中に黒い紙のようなものが見えます。実はそこには何もないというものです。
この黒く見える部分の上側には縦方向に振動する偏光を通す偏光板。下側には横方向に振動する偏光を通す偏光板を内側に貼っています。
ではどうして、あたかも黒い紙が浮いている様に見えるのでしょう?
光は直進しますから、
① 円筒の上側から円筒に入った光が円筒の上側から出てくる場合、光はそのまま抜けてきますからその部分は透明に見えます。
② 円筒の下側からきて、下側から抜けてくる場合も同じです。
③ 円筒の下側から入った光が、上側から抜けてくる場合はどうでしょう?下側から円筒に入った光は横方向に振動する偏光になっていますから、上側の偏光板を通ることはできません。そのため、その部分は暗くなります。この出てこれない光は、運悪く下側の偏光板と上側の偏光板が接する線が作る輪で囲まれた平面を通った光です。このため、この境界線に黒い紙のようなものがあるように見えるのです。
私はこのブラックウォールが大好きでした。数えたわけではありませんが、数百人の高校生に紹介したと思います。いろいろな"ブラックウォール"を作ってみました。そのうち、ブラックウォールに不満を持ち始めました。難しすぎるんです。そう、写真の様に、平面を作るなら簡単ですが、それ以外のデザインを作ろうとすると大変です。そこで、いろいろ試した結果マジシャドを考案したのですが、マジシャドについて話す前に、2分の1波長板の話をしなければなりません。