チップス
学振の申請書を書く際に気にするべき5つのこと
ここで書かれていることは、科研費の申請書を審査する大御所の先生、科研費・学振をとっている一流の先生方やポスドクさんにいただいたアドバイスがベースになっています。
以下の5つのチップスを取捨選択して使い、他の人の意見も参考にすれば、きっとすばらしい申請書が書けることだと思います。
* とにかく見やすく
- 各項目を章立てにする。
- 文字は大きくすべき(最低11、12ptも可?)。
- 行間もそこそこ必要(1.2とか?)。
- フォントは明朝もしくはゴシックにすべき(通常は使われない、ポップ体などは×)。
* わかりやすく
- 一文は短く、簡潔に。高校生でもわかるように噛み砕いて書く。
- 最初の一言二言で概論を言い、その後各論へ。きちんと論理立てて書く (論理のパターン、プロジェクト構成の曖昧さ、まとまりの悪さは目につくようです・・・)。
- 必要に応じて、箇条書きを用いる。
- 文章の構成は、パラグラフライティング、コンクルージョンファーストを心がける(知らない人はググってください)。
- 図は重要!矢印だらけでよくわからなかったりするのは×。
- ボールドもしくは下線付きの文章、図を見ただけで内容が分かるように。
- 書くことはなるべく絞る。できれば一つの内容に集中して、「これをする!」ときちんと明文化する。欲張って他の内容を増やすとわかりにくくなる(書くべきこと ≠ 書きたいこと)。
* タイトル・内容は適切に
- タイトルはきちんと身の丈にあったものにする。内容の割に大きなタイトルだった場合は、印象を悪くするだけ。
- 提出する細目に合わせた内容にする(細目は、できるだけ人が少ないor レベルが高くないところに出す!)。
- 研究の進行が滞ったり、失敗したときにどうやってそれらに対処するかをきちんと書く!
* 自分の味をだす
- 自分の長所(できること)、短所(できないこと)をきちんと書く。できないことはどのように努力して補うか(e.g. 著名な先生に聞く)を具体的に書く。
- 学振では申請者の個人も見るそうなので、これまでの個人的な経験と絡めて、どういう経緯でその研究をはじめたのか、といったことも書けると良いらしい。
* 人に見てもらう
- とにかく、草稿を早めに(少なくとも2週間前程度までには)完成させて、科研費をコンスタントにとっている先生、ポスドクの人など最低2人以上には見てもらおう。自分では気がつかなかったミスも見つけてくれるはずだし、何より 「当たる」 申請書の書き方を、添削を通して教えてくれるはずです。
- 自分の分野の人だと、分野外の人からみてよくわからない言い回しなどが結構あったりするので、分野がちょっと離れた人に見てもらって、そういう用語を砕いた、より一般的な表現に変える。審査員はたいてい、あなたの研究に関しては素人に近く、マニアックな専門用語を使った文章は理解できない可能性があるので。
- 研究者ではない、もの書きのプロ(ライターなど)が知人にいる場合は、その人にも見てもらうと◎ わかりやすい文章の書き方を、添削を通して教えてくれるはずです。
分かりやすく書かれているものは、一回通して読むだけで、何がしたいかがわかるようです。
逆に、分かりにくい申請書は何度読んでもわからないようです。
短時間でわかるように、また、売りを最初に持ってきて、何が一番重要なのかをきちっと書く必要がありそうです。
どんなにすばらしい研究でも、その内容が伝わらなければ意味がないと思います。
いろんな人に見てもらって、少しでもわかりやすい申請書を作ることが重要だと思います。
それに、学振に限らず、書くことを通じて、何かを人に伝えようとする技術は今後の人生で必要なものかな、という気がします。
研究職に就こうが就かなかろうが、多かれ少なかれ、書いて何かを伝えるってことはすることになるでしょうし。
この機会に、いろんな人に自分の文章を読んでもらって、書いて伝える技術を鍛えてみると良いかもしれません。
参考書籍・URL
エリート的な文章の書き方 http://disadvantaged.web.fc2.com/
学振特別研究員になるために~知っておくべき10のTips~ https://www.slideshare.net/tonets/10tips-32604093