実践レポート

部下の成果や望ましい変化を褒める 

 相手の良いところや良い変化に気づき、それを認め、褒める言葉をかけることは、とても重要なソーシャルスキルです。特に、上司は部下に対して積極的に声掛けをしたいものです。

 そこで、私は「報告会」のときに、部下にほめ言葉をかけることにしました。

 

1.  Aさん 女性

〈月1回、2つの開発センターが合同で開発進捗報告をする大きな報告会にて〉

 Aさんは素晴らしい報告をしました。報告会終了後、Aさんと職場に戻りながら「完璧なプレゼンだったね!」と褒める と、日ごろ言葉数が少ないAさんが「実は家でプレゼンテーションの練習をしたんです!」などの裏話を聞かせてくれました。その表情からは、しっかり準備をした甲斐があった、という達成感を感じとることができ、私も嬉しくなりました。


2. Bさん 男性

 〈週1回の部門内の報告会にて〉

 Bさんの検討内容が良かったので「これで開発が一段進んだね。これからの開発の方向性を示していて素晴らしかったよ」と、部長、課長、課員の前で褒めました。報告会が終わって、私が会議室を出ると、Bさんが追いかけてきて「先日〇〇駅でYさん(私)をお見掛けしたんです」と親しげに話しかけてきました。いつもは少し自信無げで、私と話をすることはほとんどなかったのですが、嬉しそうに元気に話しかけてくれ、しばらく話が盛り上がりました。


3. Cさん 男性

 〈私の上位役職者であり、権威的な行動傾向がある人に対する報告会にて〉

 Cさんは、私と連携しながら報告をうまくやり遂げました。そこで終了後「報告がとてもよかった、うまかった」という内容のメールをしたところ、Cさんから「Yさんのお言葉でモチベーションが上がりました。ありがとうございました!」とメールが届きました。

 

 私がほめ言葉をかけたことがきっかけとなって、この3人と私の距離が縮まり、以降コミュニケーションがとりやすくなったと感じています。

 上司が部下のよい行動や望ましい変化に気づき、気軽にほめ言葉をかけることにより、部下のモチベーションが上がることが期待できます。同時に、部下とのコミュニケーション量が増えて信頼関係が強くなると思います。

 現実の職場にはネガティブな出来事が起きることが多く、上司が部下にほめ言葉をかけるという文化は今のところありません。ですが、管理職の中には私の行動をうまく真似して部下を褒める人が、少数ですが現れました。

「褒める文化」を浸透させるには継続的は努力が必要なのだと思います。今後の変化に期待をしています。