逆問題型力学変分原理 / Inverse Variational Principle

最小ポテンシャルエネルギーの原理は,連続体構造物の解析における有限要素定式化の指導原理として用いられます.今日,複雑な形状の構造物をコンピュータ上の有限要素モデルとして解析できるのは,このような力学最小原理に負うところが大きいのです.構造物を構成する材料や形状が予め分かっていて,荷重が作用した時の構造物の振る舞いを調べる順問題に対して,予め決められた振る舞いをする構造物の材料や形状を決める設計問題は逆問題と呼ばれます.

これまで構造解析のための力学は発展し,多くの力学的問題が解析的に解決できるようになりました.しかしながら,設計のための力学はどうでしょうか?解析技術が向上したからといって設計の技術は向上したと言えるでしょうか?

本研究テーマでは設計のための力学構築を目指して,力学最小原理の逆問題定式化を取り扱います.