基礎ゼミ2016 構造物の振動とその制御を通して学ぶ実践的工業数学 ~常微分方程式と複素数・ラプラス変換~

【授業の目的と概要】

本課題では,複素数やラプラス変換など数学の講義で学ぶ内容が,実際に工学分野においてどのように応用されているかを演習を通じて学ぶことで,全学教育で学ぶ数学の工学における重要性を理解することを目的とする.

具体的には,地震動や風の作用を受ける構造物の振動解析やその制御のための理論の基礎を具体的に学びながら,その中で複素数やラプラス変換が常微分方程式の解法や制御理論の展開にどのように用いられているかを学ぶ.

【集中講義日程】

8/16(火)~18(木) 8:50-17:50 災害科学国際研究所2階 演習室(予定・講義室の空き状況により変更の場合があります.)

8/16は災害研新棟が夏季休業閉館のため休講とします。

8/17 8:50〜12:00,13:00〜15:00 於 災害研4階第二会議室

8/18 8:50〜12:00 於 災害研4階第二会議室

指定のテキストと演習用PCを持参して下さい.

【学習の到達目標】

工学における道具としての数学を使いこなすための基礎的スキルを身につける.

具体的には下記項目の理解を目標とする.

1.力学的釣合から運動方程式として常微分方程式が導かれることを理解する.

2.調和外乱(正弦波入力)に対する構造物の応答を微分方程式の解として計算する.

3.地震や風のようなランダム外乱に対する構造物の応答を差分スキームに基づく漸化式より計算する.

4.固有値解析を学び構造物の固有振動を理解する.

5.複素数を用いて振動現象をイメージする.

【授業内容・方法と進度予定】

授業内容

授業は集中講義のセミナー形式で進める.即ち,授業は学生が主体となって運営し,教員は課題についての疑問点や学生からの質問,議論の方向についてアドバイスする.学生は各回の課題を予め解いて授業に臨む.発表担当となった学生は予め準備した資料を基に担当課題について自らの取り組みを説明し,自らが課題についてどう理解したか,また理解できず躓いたところはどこかを説明する.

課題は数値計算言語MatXやoctaveを用いた数値解析で具体的な計算結果を求める.

第1日目 ガイダンスとティーチングアシスタントによるデモンストレーション

課題発表とディスカッション テキスト第1章~4章

第2日目 課題発表とディスカッション テキスト7,9,10章および付録A

第3日目 まとめ

【成績評価方法】

各回授業での発表内容,ディスカッションへの参加状況,提出課題を総合的に評価する

【テキスト】

吉田勝俊著:工学系の数学入門 短期集中 振動論と制御理論,日本評論社 ISBN4-535-78369- 1