勉強会 第1回発表資料

■ 2012-13年度 第1回勉強会概要

「日本の開発援助の付加価値とは-知識の現地化支援-」

■内容:

グローバリゼーションにより、人・モノ・金・情報の流動性は高まり、開発援助の焦点も手法も変化しつつある。情報伝達のスピードが加速し、民間と公的部門の役割分担が見直され、また、途上国に流入する資金の量も質も変化している。他方、日本の援助はかつてold continuityと言われたように、細かな修正は経つつも、大きな変化を見せずに来ている。この継続性は日本の援助の弱みと捉えられがちであるが、その意味を検証すると逆に強みとも言える。新しい手法やグッドプラクティスに関する情報が増えても、それらを途上国の個別の文脈に合わせて現地化(Localize)していかなければ、持続的な効果を生むことは難しい。その意味では、開発とは依然として人々の日常と生活にかかわる地道な努力の積み重ねでしかなく、外部者の短期的な評価で左右されることには弊害もある。

■講師: 神 公明氏(JICA英国事務所所長)