スペクトル理論, 散乱理論と逆問題について研究しています.
障害物, 不均質な物質, あるいは何らかの力がかかった空間を波が通過したとき, 入射した波は障害物その他の影響によって乱され, 散乱波となって再び遠くへ伝わっていきます.
この散乱された波が持つ性質を数学の視点から詳しく調べるのが散乱理論です.
波動方程式やシュレディンガー方程式を中心に, 古くから研究されている, 伝統のある数理物理学の一大分野と言えます.
近年では, リーマン多様体のように``曲がった空間"を伝わって行く波や, あるいは結晶格子のモデル化である無限グラフのような離散的な対象での散乱理論の研究も盛んになってきています.
このような幾何学的な対象を取り込んだスペクトル, 散乱理論の解析には, 解析学だけでなく, 微分幾何学, グラフ理論, 代数幾何学など数学の幅広い分野が関連しています.
併せて, 愛媛大学工学部 / 理工学研究科において, 応用数理研究室における研究指導を安藤教授と共に担当します.