平成29年度ISEE研究集会「外部太陽圏とピックアップイオン」
[概要]
近年のVoyager探査機やIBEX衛星による観測を通じて外部太陽圏、特に星間物質と接する境界領域の様子が断片的に明らかになり、
地球近傍を始めとする内部太陽圏と比較して、星間中性粒子起源のピックアップイオンの影響が非常に大きいことがほぼ確実視されています。
「外部太陽圏とピックアップイオン」研究集会では、ピックアップイオンがもたらす効果について、電磁流体モデリングによる太陽圏構造・
粒子運動論効果に基づく境界層の非定常、非一様性・乱流生成メカニズムといった基礎物理過程に関する理論・シミュレーション研究を
軸にした講演を募ります。また将来のIMAP計画を見据えた最新の観測成果の紹介も含め、今後の研究の方向性についても意見を交わしていきたいと思います。
なお、本研究集会は平成29年度ISEE太陽圏宇宙線シンポジウムとして、「太陽地球環境と宇宙線モジュレーション」
「太陽圏・宇宙線関連の共同研究成果報告会」との合同開催となっております。
研究集会「太陽地球環境と宇宙線モジュレーション」では、宇宙天気研究において鍵となる太陽活動と地球環境、太陽ー地球間磁場、
太陽圏内への銀河宇宙線輸送、高エネルギーガンマ線観測による宇宙線源の探索、暗黒物資探索、などについて最新の研究成果に焦点をあてながら議論する予定です。
研究集会「太陽圏・宇宙線関連の共同研究成果報告会」では、ISEEの共同研究の進捗状況や成果について紹介して頂きます。
これらの研究会の合同開催を通じて、異なる分野の研究者間で相互理解を深めてゆくことを期待しています。
日時:
平成30年2月20日(火)-2月22日(木)
会場:
名古屋大学 宇宙地球環境研究所(研究所共同館Ⅰ)3F講義室(301)
地下鉄名城線「名古屋大学」駅下車2番出口から徒歩10分程度
http://www.isee.nagoya-u.ac.jp/access.html
世話人:
坪内健、宗像一起、松原豊(幹事)
招待講演者(予定):
鷲見治一 太陽圏外圏構造と長短期時間変動
大平豊 超新星残骸衝撃波中のピックアップイオン
山崎敦 ひさき衛星による惑星間空間ヘリウム分布の光学観測
川田和正 ALPACA計画による新しい宇宙線観測とその周辺(仮題)
浅岡陽一 CALETによる宇宙線観測とその周辺(仮題)
清水雄輝 宇宙線反粒子探索計画GAPS
三宅芙沙 年輪の炭素14を用いた古太陽活動の復元
栗田直幸 太陽活動の変化は南極の水循環に影響を及ぼしているのか?
山岡和貴 人工衛星を用いた宇宙空間からの太陽中性子観測
野田浩司 CTA-LSTで探る系外天体における宇宙線加速
常定芳基 テレスコープアレイによる超高エネルギー宇宙線観測最新結果