2022年度

農工祭での活動

今年も「エコレシピ」の認定をしました!

ごみダイエットNOKOは、調理や販売の方法を工夫したり、食材の余りを活用したりすることでゴミの量の削減に貢献するレシピを「エコレシピ」として認定しています。

今年は去年の倍にあたる6団体もの食品催し物団体を「エコレシピ」として認定しました。

「エコレシピ」を認定する理由は・・・

①農工祭で出るゴミの減量のため

②エコレシピを通じて、来場された皆さんや各模擬店の環境保全活動への参加してもらうため

③農工祭(学園祭)を通じて、普段の生活での環境への意識を高めてもらうため

です。


以下では、今年「エコレシピ」の認定を受けた6団体の紹介します!


今年「エコレシピ」に認定された6団体の皆様、ご協力ありがとうございました。

来年度は本年度より多くの団体の参加に参加していただけたらと思います!

テコンドー部のチゲうどん

麺が売り切れ次第、余ったスープを販売して

食品ロス軽減につなげました!

Foc'sのタピオカジュース

調理の際に出た茶殻を

小分けにして配布しました!

茶殻は入浴剤や油汚れの掃除に使う

ことでリサイクルできます!

ハンググライダー部のクレープ

牛乳パックをリサイクルして、

クレープの包み紙として利用しました!

林科の焼き鳥

焼き鳥の串は、なんと自作!

農工大の竹から串を作っています!

狩り部の鹿肉カツ

鹿肉を食べることによって、獣害から農作物や森林を守ることにつながります!

耕地の会のきんつば

調理の際に出たさつまいもの皮は、肥料として再利用しました!

非木材紙トレーの概要

 非木材紙は、木材パルプ以外の植物繊維を原料として作られた紙であり、再生紙と並んで森林資源の保護に有効であると考えられています。非木材紙トレーを利用することは、木材資源の保全や脱プラスチックに繋がるほか、土中で分解されることで焼却による温室効果ガスの発生を抑制する効果が期待されています。

(参考ページ:2021年度農工祭での活動

 消費者が環境のために取るべき選択について考えるきっかけを作りたいという思いから、ごみダイエットNOKOは農工祭での非木材紙トレーの使用を呼び掛けています。

 2022年度農工祭では、以下の7団体が計6300枚の非木材紙トレーを購入しました。

・自転車部

・林科の焼き鳥

・ツーリングカヌー部

・空手道部

・63代学祭委員

・歌研究会

・食農ゼミ

63代学祭委員

林科の焼き鳥

自転車部

非木材紙トレーの土壌還元の方法と非木材紙の分解過程を Close Up !!

1.土壌還元の方法

文化祭でトレーとして使用した非木材紙トレーを畑の土壌に埋め、微生物によって分解させています。

非木材紙トレーを埋める際、それらの分解がスムーズになるようにいくつか工夫を行っています。

・分解効率を上げるために、裁断機を用いて非木材紙トレーを細断する。

→断面が増えることで微生物が組織内部に侵入しやすくなり、分解が早まると考えられています¹⁾。

→埋める非木材紙の体積を小さくし、非木材紙トレーを全て埋められるようにしています。

土壌表面から約1mの深さまで、約2m×5mの広さの穴を掘る。

→非木材紙トレーを全て埋められるようにしています。

切り返し(年に2回)

→分解を担う菌類の大部分は好気性であるため、酸素が不足すると菌類の活性が抑制され、分解が滞ってしまうと考えられてます¹⁾。そこで、一度埋めたものを掘り起こすようにしています。この切り返しを通して、非木材紙とそれを囲む土壌に酸素を供給することにより、菌類活性化させることができると考えています。


参考:1)西尾道徳,「堆肥・有機質肥料の基礎知識」,社団法人 農山漁村文化協会,2007,

2.非木材紙の分解過程の観察

ここでは非木材紙が分解される様子を紹介します。

右の写真は、2022年11月3日に撮影された、昨年2021年の学園祭で使用された非木材紙トレーの様子です。

白色と茶色の混じった非木材紙の表面の一部に、白色や茶色の細かい毛のようなものが付着しています。これは、カビ(正式名は菌類)の一種であると考えています。カビが分解の主役となり、非木材紙に含まれる高分子の糖や、分解の難しい樹脂やリグニンという物質を分解することに長けています。

また、写真の写っているような甲虫の幼虫が多数発見されました。非木材紙が分解されたことにより、幼虫が摂取できる養分が生成されていることが分かります。

学祭のごみの計量について

計量の目的

 非木材紙トレーの利用推進,使用後の土壌還元,生ごみのたい肥化,割りばしのリサイクル,エコレシピの推進などのごみ減量の活動がどの程度結果に表れているかを把握するため,学園祭で発生したごみの総量を計測しました。

計測方法

計測日時は農工祭期間中の2022年11月11日(金)~13日(日)です。 計測は主にゴミステーションおよび中央集積所(農工祭で臨時に設置されるゴミ捨て場)に捨てられた,および運ばれてきたごみを対象としました。ここでは来場者の方のごみが回収されるほか,模擬店・一般企画などの団体から発生するごみが運ばれてきます。それらを12㎏まで測定可能な上皿はかり2台で計測して,分別品種ごとに計測値をスプレッドシートに記録しまとめました。また,特に団体から運ばれてくるごみに関しては必要であれば内容物の確認を行い,複数の品種が混在していた場合品種ごとに分別してもらうことで分別品種ごとの明確な測定値を得ることを目指しました。測定値は分別品目ごとに1日目,2日目,3日目ごとの合計値を出し3日間の合計値を算出しました。また2021年度の計測値とも照らし合わせ,どのごみがどう変化したかについて考察を試みました。ただし2021年度と2022年度では一部分別品目に違いがあるうえ,来場者数の変化(2021年度2000人(暫定)→2022年度3000人(暫定))と団体数の変化もあるため単純な比較はできず,あくまで参考程度の考察になります。

分別品目

可燃,不燃,廃油,野菜くず,ビン,缶,ペットボトル,割りばし,非木材紙トレー,金属くず,段ボール

2021年度は金属くずは不燃ごみに計上し測定を行っています

結果

 3日間の計量により得られた数値は表1,棒グラフで表すと図1のようになりました。参考値として,昨年度得られたごみの総量については表2に示します。また,各分別品目の全重量に占める割合は,2022年,2021年度それぞれにおいて図2のようになりました。

表1 2022年度学園祭の3日間で発生したごみの総量

表2:2021年度学園祭のごみの総量

図1:2022年度学園祭の3日間で発生したごみの総量の図示

図2:各分別品目の全体に占める割合(2022年度) 

図3:各分別品目の全体に占める割合(2021年度)

 今回の学園祭において,3日間に発生したごみの総量は1549.33kgでした。昨年度(今年度同様3日間の測定)のごみの合計は849.99であり,先述のような母数の違いから単純比較はできないものの,昨年度より2倍近くごみが増加していました。来場者数の増加,団体数の増加に伴い,ごみの総量も増加したことがうかがえます。内訳をみると,こちらも分別品目ごとに重量が異なるため単純比較はできませんが,可燃が約40%を占めており,次いで不燃,野菜くず,ダンボールと続いていました。この傾向は昨年度の内訳でも同様であり,これら4品目がすべてのごみの中でも量として多く出るものであることがわかります。

生ごみの堆肥化について

農工祭では可燃ごみとは別で「生ごみ」を回収して堆肥化することで、出るごみの量を減らしています。

生ごみの堆肥化は下の工程を経ています。


Step0 分別の呼びかけ

可燃ごみとして処理される生ごみの量をできるだけ減らすために、分別の声かけを行っています。

生ごみは水分含有量が多く、焼却処理には大きなエネルギーを必要とするため、なるべく可燃ごみに混ぜずに処分したいと考えています。


Step1 細かいサイズにして、よく水分をきる

生ごみの高すぎる水分量を落としたうえで、分解を早めることができます。

そもそも堆肥化とは、適切な水分含量における微生物による有機物の分解、すなわち好気性発酵のことです。水分が高すぎると嫌気性発酵が起こり、悪臭の原因となります。


Setp2 牛舎にもっていく

中央集積場から牛舎までの780mを頑張って運びます。


Step3 生ゴミともみ殻を1:1で混ぜる

水分調整と好気性発酵を促します。

堆肥化中は好気性微生物により大量の酸素を消費して有機物を分解します。堆積しておくと内部が酸欠状態になるため、定期的な切り返しやもみ殻による空気層の形成が必要になります。特に農工大の乳牛舎では牛糞尿を堆積させて堆肥化するため、そこに生ごみが投入されて酸素不足による嫌気性発酵が起こることを防いでいます。