◎多発性硬化症患者への疲労の治療:認知神経アプローチ

Treatment of Fatigue in Multiple Sclerosis Patients: A Neurocognitive Approach

http://www.hindawi.com/journals/rerp/2011/670537/

本研究の目的は、運動イメージの使用によって運動プランを改善することを目的とした認知神経リハビリテーションプログラムで、多発性硬化症患者(MS)の疲労を治療することである。20名のMSと診断され、疲労を訴える患者が2週に一度認知神経リハビリテーションの訓練を5週間受けた。患者は、疲労重症度スケール(FSS)、Modified Fatigue Impact Scale (MFIS)、MSQoL54、Expanded Disability Status Scale (EDSS)、MS Functional Composite (MSFC)によって評価された。5週の訓練後、疲労の軽減は、FSS(P=0.0001)とMFIS(P=0.0001)で検出された。MSFG(P=0.035)、MSQoL54(0.002)のスコアもベースラインと比較して改善した。6ヶ月後のフォローアップでは、疲労の尺度(FSS, P=0.0001; MFIS, P=0.01)と身体的サブスケール(MSQoL54, P = 0.049) で認められた。能力障害のスケールでは変化は認められなかった。これらの結果は、運動イメージに基づいた認知神経リハビリテーションがMS患者の疲労を治療するための戦略となるであろうことを示した。

※補足

FSS:疲労の主観的評価尺度

MFIS:疲労の主観的評価尺度

MSQoL54:MS患者のQOLの評価の質問指標

EDSS:MSの総合障害度の評価

MSFC:多発性硬化症機能評価で、症状の進行などの評価

(文責:濵田)