2019年度 千葉大学園芸学部緑地環境学科 環境造園実習ⅡA班後半

テーマ:「農地のある町」

キーワード:都市農地、生産緑地、宅地化農地、住宅地、コミュニティ

<実習概要>

  • 緑地環境学科3年生を対象とした造園実習であり、対象地は松戸市北東部の市街化調整区域に隣接し、生産緑地及び宅地化農地と新興住宅地が混在する市街化区域内のエリアである
  • 「農地のある町」をテーマに、農的土地利用を前提とする町の形や、暮らしの形を描くことを目的とし、1グループ4,5名程度の3つのグループに分かれて演習を行なった
  • この実習では、ランドスケープデザインだけでなく、提案の実現可能性、妥当性、公共性、社会性及びグループワーク、コミュニケーションの達成度を総合的に評価する
  • 実習の前半では、市役所の方の協力を得ながら現地調査に基づき敷地の分析を行い、地域の課題発見と抽出およびコンセプトの提案を実施した
  • 後半は中間発表と毎週のエスキスを経て、最終的な計画・管理提案を班ごとに行った
  • 最終講評会には、松戸市役所職員(都市計画課、緑と花の課、子ども若者課)、松戸市内で子ども食堂を運営するNPOの方などに参加いただき、上記の評価軸を踏まえつつ総合的な評価を行った


<スケジュール>

6/14(金) ガイダンス:現地調査、実習概要説明、班分け、対象地の現地調査、関係者からのレクチャー

6/21(金) グループワーク:他事例の調査(柏市、国分寺市、堺市)、発表

6/28(金)現地調査:班ごとに対象地の現地追加調査

7/5(金) グループワーク、エスキス:基本コンセプトの設定、制度の活用、管理・運営手法の提案、発表

7/12(金)グループワーク、エスキス:前回の発表を踏まえたコンセプトの修正、提案方針の立案、提案内容の決定、サイトプランの検討

7/19(金)プレゼンテーション:提案内容の中間報告、緑の基本計画等の関連施策への反映

7/26(金) グループワーク、エスキス:公開プレゼンテーション資料の作成

8/2(金)プレゼンテーション:公開プレゼンテーションの実施


<最終発表>

1班:農をつなぐ道 発表ポスター / 発表資料 →(PDFにリンク)

概要:農地の貯水性に着目し、河川に隣接する当該エリアの防災性の向上を目指し、点在している農地や用水路を農の道で繋ぎ、農地に新たに調整池を設置することで、住民がその土地の持っているポテンシャルを再認識できるようにした。農地、通路、調整池を合わせて公園のような役割を担わせることで、農地と宅地の新たな共存の可能性を提案した。


2班:菜道 農地がつくる子どもの居場所 発表ポスター / 発表資料 →(PDFにリンク)

概要:当該エリアは農地の転用により、戸建住宅の開発が進んでおり、その結果、同じ松戸市内の他地区と比較して対象地周辺の子どもの人口が増加傾向にあることに着目した。農地に囲まれるエリアに直売所と子ども食堂が並ぶ“菜道“をつくることで、子どもたちをはじめとするコミュニティの居場所を形成し、地域の食文化をより豊かにすることを目指した。


3班:農地でつくるまち 発表ポスター / 発表資料 →(PDFにリンク)

概要:松戸市全体の中高生の居場所が少ないことや市民の農に対する関心の薄さ、対象地周辺に中学校・高校があること、農地が宅地化されるまで駐車場等として利用されていること、当該エリアの買い物の場の不足という多様な課題に着目し、これらの課題を解決する役割を農地が担える可能性を検討した。「中高生のための農園」、「空き地を利用したコミュニティ農園」、「農家が収穫したものを売るマルシェ」と3つのプログラムを対象地に組み込み、より暮らしやすいまちづくりを提案した。