ハスナールにより、突然連れてこられたイポー。ヌルハニムのギャラリーでアーティスト交流を終え、時計を見ると、もう夜の12時を過ぎている…。
雨が降る中、取りあえずハスナールの車に乗り込んでみた。
車が到着した先は、イポーのセントラルステーション。19世紀ヨーッロパ風の白く優美な建物で、ホテルが併設されている。
面白い場所だなと思いつつ、ハスナールの後について行くと、ホテルのフロントでチェックインの手続きをしている。要約、自分たちが、ここに泊まるのだということを悟った。
バルコニーのような長く続く廊下沿いに部屋が配されている。キーを受け取り、白い窓扉を開け、部屋に入ってみた。イギリスの古いお家にホームステイしている感じだ。
だが、宿泊をするつもりじゃなかったので、洗面道具やスキンケアセット、着替えなど全く持っていない。私の場合、洗顔後、すぐに化粧水をつけないと、肌がガサガサになってしまう。この日は、早朝にKLからペナンへ移動し、今はそこから随分離れたイポーに来ている。長い1日だった。日焼け止めを塗ったまま、汗もかいたし、雨にも濡れた。思いっきりシャワー浴びたい…。
取りあえず駅の売店に行けば、何か手に入るのではと思い、皆で閉店間際の店に駆け込んだ。ちょうど終電がイポー駅に到着するところだった。駄菓子屋のような小さな店内には、日本のコンビニみたいな(突然お泊まりセットのような)気の利いたものは無く、水と歯磨き+歯ブラシを入手するにとどまった。うぅ〜っ、クリームだけでも手に入れたかった…。
部屋に戻り、取りあえずシャワーをということで、相方の佐藤がバスルームへ。ところが、「シャワーが冷たい!」と悲鳴のような声が…。お湯が全然出てこないらしい。
残念だが、シャワーは諦めよう…。終電に間に合わずカラオケルームで一夜を明かす事を想像しながら、ベッドに入った。ダブルベッドのスプリングが壊れているらしく、二人で横になると微妙な傾きができた。
「これは仮眠、仮眠、G-hotelに戻るまでの辛抱だ!」と自分に言い聞かせながら目を閉じた。