GR-SAKURA ではじめる ADK

GR-SAKURA は「がじぇっとるねさす」という、ルネサスと若松通商のコラボで産まれたArduino ピン互換のマイコンボードです。MCU はRX63N (R5F563NBDDFP)を使用しています。

最大の特徴は、、、基板が桜色です。

プログラムの作成は、Arduino と同じ文法で書ける Web コンパイラ(無償)を使用します。

Arduino の標準ライブラリも Web コンパイラに移植されているため、Arduino と同じように使える、より高機能なマイコンボードになっています。(まだまだ発展途中ですが、、、)

ADK に必要なUSB ホスト機能もMCU に内蔵しているため、ADK ボードとして使用できます。

プログラムの転送は、USB Mass Strage(USB メモリと同じ)としてマウントし、通常のファイル操作で書き込めばOK です。

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1. ハードウェアの準備

GR-SAKURA には、現在「GR-SAKURA」と「GR-SAKURA FULL」の2種類のボードがありますが、ボード自体に違いはなく、コネクタが実装されているかどうかの違いです。

USB Host のコネクタはGR-SAKURA FULL には付属していますが、はんだづけは自分で行います。

GR-SAKURA(無印) の場合は、コネクタは自分で調達します。秋月のこれが適合します。

(下の図の用に、裏面に取り付けます。ひねくれ者はこんな感じで付けます。)

USB ホスト機能を使用するには、ハンダによるジャンパの接続が必要です。

(ジャンパ設定の一覧:http://www.renesasrulz.com/message/18411

(GR-SAKURA用 ADK ライブラリ開発者のAkagawa さんの資料 (@OSC Kyoto 2012) より)

ADK はUSB ホストとして動作するため、外部電源も必要です。

GR-SAKURA には5V のレギュレータはないため、外部電源の電圧がそのままUSB に出力されます。必ず、5V安定化出力の AC アダプターを使用して下さい。(1A 以上のアダプタを推奨)

(若松純正オプション:こちら 秋月:こちら

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2. ADK ライブラリの導入

ADK を使用するための ライブラリはこちらからDL します。

(この記事を書いた時点での最新版は v1.1 (2013/1/5)です。最新情報はRenesas Rulz へ)

Web コンパイラで新規のプロジェクトを作成し、ライブラリのファイルを取り込みます。

ダウンロードしたZip ファイルを解凍せずに、「zip ファイルインポート」という機能を使うと簡単です。

ADK プロジェククトの作り方

1) 新規のプロジェクトを作成

2) ライブラリのアップロード(zip ファイルインポート)

zip ファイルインポート(Project_Root で右クリックしてメニューを出す)

3) サンプル(HelloADK.txt) を開く

AndroidAccessory > examples > HelloADK.txt を開きます。

ファイルの中身を全て選択し、コピーします。

4) gr_sketch.cpp を編集

もとからある スケッチファイル(gr_sketch.cpp) を開き、すべてを選択、先ほどコピーしたHelloADK.txt の内容をペースト。

Web コンパイラーのテンプレート(1) で選択したもの)が V1.01の場合、

21 行目のコメントアウトを外します(行頭の// 削除)。

(この手順はV1.02 以降は不要です。)

5) ビルド & ダウンロード

・上部メニューの [ビルド] を押して、コンパイルを実行します。

・コンパイルに成功すると、左側に sketch.bin というファイルが作成されます。

・sketch.bin をダウンロード(右クリックしてメニューを実行)して、GR-SAKURA に転送します。

プログラムの作成〜転送はこちらの動画が参考になります。(@carcon999 さん作)

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3. Android 端末の接続とアプリのダウンロード

GR-SAKURA にAC アダプタを接続し、USB ホストコネクタ経由で Android 端末を接続します。

Android 端末がADK に対応したものであれば、次のようなダイアログが出ます。

このダイアログは、アプリ配布先のURL になります。GR-SAKURA のプログラムに設定してあります。ダイアログにしたがって、Google Play から HelloADK をダウンロードしてください。

4. HelloADK アプリの実行

アプリがインストールされた状態で、ADK ボードの接続を行なうと、

アプリを起動するダイアログが表示されます。

HelloADK の機能は

On/Off スイッチ(上): GR-SAKURA のLED0 のOn/Off

On/Off スイッチ(下): GR-SAKURA のSW1(青いボタン)に反応

スライダー: GR-SAKURA のLED1 の明るさを調整(PWM 出力)

となっています。

HelloADK が動作しているところはこちら (YuuichiAkagawa さん作)

このアプリは Android とADK ボードの通信がうまくいっているかを確認するのが主な目的です。

ソースコードはこちらで公開されています。

さあ、これで GR-SAKURA でADK をはじめることが出来ました!