SHIBAURA探究1期生の未来創造ベンチャー フェーズ1(高校1年生)の記録です。
実装されたテクノロジーやシステムで「すごい!」と思うものについて調査します。5人のメンターの先生方からもそれぞれ「すごい!」が紹介され、生徒たちも興味津々。生徒が調査したテクノロジーも多岐に渡ります。
「まず、先生たちの熱意がすごかった。聞いてて面白かった。そして自分がすごいと思ったことを調べるのも楽しかった。」
「今朝ニュースを見ていたら丁度このAIカメラのニュースをやっていて「すご!」って思った。このようなシステムが実装されていることにとてもびっくりしました。今後の探究で自分もみんなに「すご!」って思ってもらえるようなシステムを考えたいです。」
SIT7(7つの学問系統)と企業の成長事例やV字回復事例を結びつけて、過去の事例から学ぶ時間。意外なところに、意外な学問が活用されていたり、新たな気づきがありました。
「建設会社のV字回復について調べていると「建設コストの増加」「資材の高騰」などのワードが多く出てきました。資材の額が高くなると出た利益から引かれる額が多くなり、収益が減ることで赤字になることがわかりました。また海外進出が赤字回復の手助けになっていることも多かったです。」
前回各自で調査した企業の成長事例やV字回復事例を同じ学系の人たちに共有する時間。
「どんな企業も、苦境に当たった時に、それぞれ今までにないような大胆な取り組みをたくさんしてきたからこそ、今の会社があるのだなと思った。学科はどこかに偏るかと思っていたが、意外とある程度分散していた。自分は土木関係を目指して建設系を選んだが、建築や都市開発を目指している人も多く、みんな違うんだなと思った。」
未来創造ベンチャーでどんな探究をしたいかを考えるのが本日のMission。「Stabと一緒に持ち歩くマウスをつくるには」というメイン課題を例に、みんなで一緒に課題を分解してみます。自分たちで考え、生成AIにも聞いてみて、視点を広げます。
「自分のやりたいことを探究できるようになって自由度が上がって探究しやすくなったなと改めて感じた。自分と同じような人たちと集まって好きなことを探究できるとはとても楽しみだ。」
前回自分で立てた未来創造ベンチャーのテーマを同じ学系の多くの人とプレゼンし合って、テーマの解像度を上げることが本日のMission。1万円、5千円、1千円を誰に投資するか、フィードバックとともに渡します。
「系統が同じ人同士でグループになって発表することで、皆の考えを聞くことができたり、自分の考えに共感や意見を出してくれたりしてとても楽しかった。また、同じ系統でも違う方法、使い方があるんだなと思った。」
今度は、学年全員の未来創造ベンチャーのテーマを一覧にして、全員でアイデア紹介セッション。立ち寄った校長先生にプレゼンしたり、生徒たちは非常に活発にプレゼンし合います。教員の出番はありません。見事に自走しています。
「同じようなテーマの人とプレゼンし合う機会があったが、それぞれ問題だと思っている場所が違うことで使う予定のテクノロジーが違っていた。相手がその分野に詳しい人だったからというのもあったがここまで違う意見になるとは想定外だった。それでも、複数の観点から解決策を練ればいい案ができると思うため、ぜひ同じチームになりたいと思った。」
みなさんの手元の探究計画書に書いてあるサブ課題、それは本当に十分な「サブ課題」でしょうか?5つの「サブ課題」を解決したら、「メイン課題」の解決が見えるでしょうか?
サブ課題がメイン課題のいくつかの側面をとらえるだけになっていないでしょうか?という問いかけののち、自らのサブ課題を練り直す時間です。
「サブ課題を深掘りしていったり、サブ課題を深掘りすることでまた新たな課題が見つかっていくのが興味深かった。人がfreshになる基準は違うと思うので、そこを考えていきたい。」
「サブ課題を深堀するときに領域内の情報はたくさん探せたが、領域外のことを調べようとしても、どうしても無意識に自分のテーマやサブ課題に関係あるものを選んでしまうので、難しかった。」
前回のサブ課題づくりの生徒の感想から、「言葉の定義の大切さ」「他者と話すことの大切さ」「視野を広げることの大切さ」「情報収集の大切さ」を伝えました。また、高校生活で頑張ったことは「探究を頑張りました!」と胸をはって言えるような未来創造ベンチャーにしてほしい、自分・自分たちで進めなければ何も進まない、研究とはそういうものですとも伝えました。
2学期が楽しみです。
「今日はサブ課題を煮詰めていった。サブ課題に関連する文献を調べていくうちに、自分たちのテーマに強い愛着がわいてきた。2年間このテーマ、このメンツで頑張っていきたいと思う。」
「自分のテーマが先生が言っていたことの条件がある程度入っていて、自分の中での成長を感じることができた。それに加え、以前よりも楽に課題を立てられるようになっていたので着実にスキルアップしているのだなとおもった 。」
夏休み中に練り上げて作成したスライドをもとに、自身の探究テーマについて発表をしました。メインで取り組む課題や課題解決のためのプロトタイプのアイデアなどを10部屋に分かれて発表し、フィードバックを付箋で渡しました。他の人の意見を取り入れ、よりよいものにしていきます。
「みんなの発表を聞いて自分が考えもしないようなアイディアやよりよく改善できそうなアイディアをいくつも知ることができた。また自分の課題に対する有用なフィードバックを得ることができた。」
「フィードバックは、思っていたより否定的な意見が多かったが、実現出来たら便利という意見もあったので、実現して否定的な人にも認めてもらうように、頑張りたいと思った。」
今日のテーマは生成AI。ChatGPTやGeminiなど、様々な生成AIが登場している昨今、どのように活用するか、どのようなことに注意するかなどを考えました。特に、情報漏洩には気をつけたいですね。まったく同じ文章を入力した結果の回答が、人それぞれで異なることも実感できました。
「今までは、課題などでAIを使うのは、なんとなくずるい気がしてあまり使っていなかったが、今回の話を聴いて、参考にする程度なら良いかもと思った。色々な生成AIがあるそうなので、いろいろ試してみたいと思う。」
「今までは使い方があまり分からなかったので使っていなかったが、今日の講義を聞いてより効果的な質問の仕方や指示の仕方を知ることができたので、これからもっと使っていきたいなと思った。」
これから探究活動を始めていくにあたって、リサーチスキルについての講義を行いました。新規性や再現性とは何か、先行研究の資料集めの方法について学びました。これらは、今後進学した先での専門分野の研究にも生かせるものでした。最新の論文は英語で書かれているものが大半なので、英語をツールとして使いこなす必要性も実感できました。
「英語で書かれた論文やWebの記事などを翻訳するときにただ翻訳していたが、ほかにも自分のレベルに合わせて直す機能などがあることを知った。また、これから自分のアイデアを発表するときなどは先行研究がないかなども気にしていかないといけないと思った。」
「理学と工学の違いについて、再現性や新規性の観点からも知ることが出来た。また、研究職につくためにはその分野の知識だけでなく、英語力も必要だということを知れた。」
ここから3回の授業をつかって、教員への壁打ちを行いました。探究の構想を1チームずつ個別に話し、探究を進めるにあたり、テーマが大きすぎないか、先行研究の調査は十分か、言葉の定義が曖昧ではないかなどを確認します。他者に話をすることで、生徒たちは自分がやりたいことを明確に、具体的にすることができました。
「自分の凝り固まった意見だけでなく第三者の意見を聞くことができてとてもよかった。今回は先生に意見をいただいたけど、友達や、家族などにも聞いて別の視点からの意見も聞いてみたい。」
「今回はあまり進捗を得ることができませんでした。次回からはプロトタイプを終わらせなければいけないことを意識して取り組まなければいけないと思いました。今までの探究ではできていたことが全くできていないように感じるので、どうにかしたいと思いました。」
教員との壁打ちを踏まえて、いよいよ探究活動を開始するフェーズに入ります。昨年度までと異なり、自分たちで一から考えて、自分たちで動かなければ何も進みません。教員も、3D CADを使いたい、論文を調べたい等、希望はできるだけ叶えられるように動いています。今後が楽しみです。
「今日は3DCADを使って傘を作っていたのですが今まで僕の考えを投影してみるとどうなるのかが視覚として理解ができていろいろな改善案やいろいろないいところが見つかりました。」
「私たちのテーマに似た開発を行っている企業が日本国内において驚くほど少ないということが改めて分かりました。少々ニッチなテーマであることは自覚していましたが、まさかここまでとは思わず。大きな壁に早速ぶち当たっております。」
各チームの探究テーマに関して、プレ発表の動画を作成しました。他の生徒が予め動画を視聴し、建設的なフィードバックを行う取り組みを行いました。生徒は活発にフィードバックを行っていました。
「フィードバックを様々な人からもらうことで、今まで考えなかった欠点や気づきを得ることができた。今回の意見をもとに、この先のプロトタイプ製作や、その後の探求活動に生かしていきたいと思います。また、これからもこのような機会を設けてより良いものを作っていこうと思います。」
「実際に自分のプロトタイプを使っている人から意見をもらったので、その意見を反映し、改善できるようにコーディングを頑張っていきたいと思う。また、今回の授業で建設的なアイデアをもらったので、それを基にプロトタイプ自体の改善と、今後の新機能の案を練っていきたいと思った。」
発表内容のキャッチ―なタイトル(他者を惹きつけるタイトル)と学術的な副題を考える取り組みを行いました。生徒はそれぞれ試行錯誤をしながら、他の生徒や教員と相談をしながら、タイトルづくりをしていました。
「キャッチコピーの話を聞いたとき、確かに、面白そうな名前や印象に残る名前だったら、普段は興味がない分野のプレゼンとかを見たいと思えるなと思ったので、自分も人を引き付けられる題名をたくさん考えられるようになりたいと思った」
「GPTにタイトル案を考えてもらったが、どことなく古臭いというか、なんかよくあるような感じの案しか挙げてこなかった。創造という面ではまだ人間に分があるなと思った。AIも万能ではないということを思い知らされた。」
学術的な副題を考えるのは難しかったようですが、何度も相談しながら改善を重ね、副題を完成させました。
「キャッチコピーを考えるのは案外簡単だったが、副題を考えるのに苦戦した。パッと見て何をやっているかわかるような副題を考えるのが自分には難しかった。特に理工系の知識を加えるのが大変だった。」
「今回からポスターの作成に取り組んだ。ポスターでは今まで自分が取り組んだものを一からやるため一年間の振り返りのようでとても良かった。また、自分の中で納得できるとても良いタイトルが考えられたのでそれに見合う発表を探究DAYでしたい。」
中間発表に向け、発表のポスター作製をしました。論文やポスター発表の形式(「序論」、「方法」、「結果」、「考察」、「今後の展望」)で作成をしました。
「ポスターに考えをまとめることで、自分の考えを具体化していくことが出来た。また班員同士で考えを共有することも出来たと感じる。ポスターを使い探究DAYでは、たくさんの意見をもらいピックアップしていきたい。自分たちがやりたいこと、客観的にみてどの機能が需要があるのかを見極める大切な日であると思う。そのためのポスターなので、丁寧に作った。」
「探究DAYで発表するときに自分の考えをうまく伝えて共感してもらえるようにわかりやすくポスターを書いたりしました。またポスターを作っているうちにまだ調べが足りてないなと思うところがあったので、そういうところを調べていきたいと思いました。」