【アサギマダラが舞う近くで幻の青いケシが咲き始める:長野県南アルプス山麓大鹿村中村農園】2015.5.30

アサギマダラが近くで舞う長野県南アルプス山麓大鹿村の中村農園では5月下旬から、ヒマラヤ原産の幻の青いケシが咲き出しました。特に今年の暑さは異常なのか、今までにない早い咲き始めとなり、開園を早めて6月4日からとし、農園では開園の準備に追われています。

幻の青いケシ:長野県南アルプス山麓大鹿村 2015.5.30

アサギマダラの調査で大鹿村を訪れ、関係者から「幻の青いケシはまだ早い」とお聞きしていましたが、大鹿村に行ったついでだから、せめて場所の確認でもと、山道を言われた通りに車で登りました。

大鹿村役場近くから30分以上山道を登ったところで「青いケシ」の駐車場案内があり、そこへ車を止めて農園へ。

開園はまだとのことでしたが、数輪咲き出したということで快く見せていただくことができました。

5000株もあるという青いケシの農場では、ほんの10輪余の青いケシが咲き始めたばかりで、園主の中村元夫さんは、機械で農園の手入れをしている最中でした。

声をお掛けすると、快く写真撮影もさせていただくことができました。

アサギマダラを見て来たばかりの目で見ると、青いケシは「アサギ色」と重なってしまいます。ケシの澄んだ青さが農園の中に点々とあり、その爽やかさが、今日の暑さを忘れさせてくれそうでした。

アサギマダラ:長野県南アルプス山麓大鹿村 2015.5.30

中村農園は青いケシ=メコノプシスの栽培を始めてから21年目だそうです。山を切り開いて畑にし、その後野菜を作っても肥料ばかりで大変だったために切り花を始め、青いケシは種から蒔いて育てたとのことでした。

200株からのケシは今では5000株に増え、新聞社が取り上げてくれたことがきっかけとなり、名古屋方面のお客さんが突然来てくださるようになり、多い時で1日1000人、近年では少し落ち着き、それでも一日600人ほどのお客さんが毎年訪れるそうです。

ヒマラヤ原産のケシは乾燥を嫌い湿度を必要とするとのことで、農園では水をまいていました。

また地面の反射熱を防ぐために、ワラを敷き詰め、しかもそのワラは毎年取り替えるのだそうで、真新しいワラの上で写真を撮らせていただくことができました。

標高1560メートルの農園だからこそケシも成長して大きな株となり、立派な花を咲かせるのでしょう。

過去に1万円ほど出して数本の花を買い、標高600メートル余の我が家の庭などに植えましたが、すべて絶えてしまったという苦い経験があります。そんな話をしましたら、標高は1200メートル以上ないと、難しいとおっしゃっていました。

気温が高すぎたのと、湿度の管理ができなかったこと、花が咲いて、すでにいくつか花を摘み取ったものを買ったこともいけなかったようです。種か、あるいはまだ小さな苗だったら翌年花を見ることもできたかも知れなかったと、いろいろご親切に教えてくださいました。

農園ではヒマラヤ原産の黄色いケシや、コマクサなども咲いており、クロユリは今にも咲きそうでした。切り花用の花などもたくさんあり、訪れたお客さんの目を楽しませてくれそうです。

車で登ってくる時に見ていましたが、農園の近くの林の縁を数頭のアサギマダラが舞っており、アサギマダラの調査で訪れたことなどお話ししましたら「ここにもアサギマダラがいるよ。アサギマダラが青いケシに止まってくれないかな」と、おっしゃっていました。

ヒヨドリバナはまだつぼみもないような状態でしたので、ケシに吸蜜に来たらいいですね。

青いケシとアサギマダラが一緒になった、そんな写真が撮りたいですね。

アサギ色の翅を持ち、ふわりと舞うアサギマダラと、空色の薄い花びらを持つ青いケシって、なんか似合いそうですね。

青いケシの花は、6月半ば頃から一ヶ月ほど楽しめるようです。

アサギマダラにも出会えるかもしれません。

ぜひ訪れてみてください。

午前8時から午後5時。

入園料500円。

中村農園 電話・FAX0265−39−2372

(昼間は出られないこともあるようです)

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ついついペコのついついあちこちニュースから

アサギマダラの記録2007-2010:長野県北アルプス山麓の記録

アサギマダラ Parantica sita

タテハチョウ科 マダラチョウ亜科 マダラチョウ族 アサギマダラ属