【期待していた彩雲:長野県北アルプス山麓大町市】2016.7.3
太陽と彩雲 大町市役所にて 2016.7.2
梅雨で、筋雲や積雲が空一面に広がっていた昨日の2日、期待していた彩雲を大町市役所で見ることができました。
彩雲は決して珍しい現象ではありません。雲のある日に太陽付近を注意してみていると、たまに見ることができます。
氷の結晶に、太陽光線がプリズムのような役割をして屈折して見える環水平アーク(水平環)とは違い、彩雲は太陽近くの雲が虹色に染まって見える現象で、環水平アークほどの輝きはありません。でも、ちょっと魅力的ですね。
市役所の2階の渡り廊下で太陽を隠し、ほんのちょっとの光を入れました。太陽の日暈の一部と、近くの雲が虹色に輝いた彩雲が見えますね。
7月2日は、朝から筋雲や積雲が北アルプス山麓を覆っていた日でした。午前中も時々空を見上げていましたが、彩雲を確認できなかったために、午後に期待してまた大町市に行っていました。彩雲を撮るためではなく、お仕事ですけどね。
午後1時37分。車の窓ガラスに反射する太陽の彩雲を確認し、見上げた太陽付近に、やっと彩雲を確認することができました。
直接太陽を見なくても車のフロントガラスが教えてくれました。車を太陽方向に向けていたのがラッキーでした。
F値とシャッタースピードをあれやこれやと微妙に調整しながら、綺麗な彩雲を撮れないものかと何回もシャッターを切ります。
太陽にピントを合わせられませんから、あらかじめ近くの雲にピントを合わせ、固定します。
F値16。800分の1のシャッタースピードです。残念ながら、シャッターを押した後の画像を自分の影でカメラを覆っても、モニターで確認できません。目を開けて太陽を撮れませんので、太陽にカメラを向ける時には肌で太陽の光を感じながら、目はつむります。とりあえずそんな中の一枚。いくらか青空が入りました。
太陽と彩雲 大町市役所にて 2016.7.2
さらにF値を22まで絞ります。シャッタースピードは同じ800分の1です。
なぜって、彩雲の色もさることながら、これを撮りたいんです。四方八方に広がる太陽の伸びる光線。絞らないと撮れない写真です。ただし、青空が暗くなってしまうので、う〜ん、難しいなあ。
太陽と彩雲 大町市役所にて 2016.7.2
また目をつむり、感覚だけで太陽にカメラを向け、大きな太陽の日がさと彩雲をアップで狙ってみました。
うっすらと広がった筋雲が、いい雰囲気で太陽を隠してくれたので、太陽の周りに日暈ではない「光環」ができました。
太陽と彩雲 大町市役所にて 2016.7.2
さらに大きな太陽だけを何回も狙い、
ちょっとおしゃれした太陽の光環 大町市役所にて 2016.7.2
ちょっとおしゃれをした魅力的な太陽が撮れました。
実際の太陽はこんなに大きくありません。後日それをお見せいたしましょう。
この光環は「雲粒が揃っているときに限られ、不揃いの時は彩雲となる」と、岩槻秀明著「散歩の雲・空図鑑」(新星出版社刊)に、ありました。虹色のぼんやりした日暈かなと思っていた私ですが、日暈は間違いで、光環でした。光環は月でも生じることがあるそうで、この場合は太陽の光環なので「日光環」と、言うそうです。
そんな訳で、その日は出会う皆さんに空を見上げるように勧めた私でした。
「雨の次の日がいいんですか?」なんて聞かれてしまいましたが、そうとは限らないです。
ちなみに、当日の大町市役所から見た西側の空です。積雲の背景に、うっすらとした筋雲があるでしょう。こんな日には太陽の光環や彩雲などの現象を期待したいですね。
大町市役所から見た西側の空 大町市役所にて 2016.7.2
そろそろ夏ですね。雲のある時には環水平アークの狙いどきです。2009年7月11日に奥霧ヶ峰に行った時に撮影しています。
環水平アークは、この「ついつい見上げた空」のヘッダー に使っています。
【参照記事】