【日暈と幻日:長野県北アルプス大町市】2018.6.2
日暈:長野県北アルプス爺ガ岳登山口付近から 2018年5月20日撮影
本来は毎日のように地球上のどこかで発生しているにも関わらず、空を仰ぎ見ることが少ないので滅多にお目にかかれない自然現象ってありますよね。そんな自然現象の一つの日暈と幻日を5月20日に撮影しました。
その日は朝から北アルプスに入って、チョウの撮影をしていました。いつになく空には筋雲が浮かんでいます。筋雲は5000メートルから1万5000メートルもの高さにある氷の結晶でできた雲で、とっても綺麗です。でもこういう日って寒いんですよ。
撮影が一段落して、爺ガ岳登山口まで来た午後3時過ぎです。西の北アルプスに沈んでいく太陽の周りに日傘ができています。上の画像がそれですが、日暈(にちうん)、別名ハロと言います。針ノ木岳の北側にあるスバリ岳(2.752m)と赤沢岳(2.678m)の稜線の上部に浮かんでいます。この位置からは針ノ木岳(2.821m)は見えませんが、左側の山に隠れています。
ハロの視半径の角度は、9度、18度、20度、35度、46度などと、バリエーションが豊富なのだそうです。一番よく見ることのできるのは22度ハロだそうです。上の大きな円のハロは、恐らくその一般的なハロなのだろうと思います。今回もFXフォーマットの一眼レフカメラに、北アルプスの上の太陽と日暈(ハロ)を、画像いっぱいに何とか入れることができました。
次に面白いことをしてみました。これは上の画像と違い、目をつぶって撮影しています。太陽をファインダー越しに直視できないからです。
日暈:長野県北アルプス爺ガ岳登山口付近から 2018年5月20日撮影
何だか青い目の太陽ににらまれているように感じませんか?
実際に生じていた青さではありません。太陽を画面に入れながら撮影すると、よくゴーストができてしまいます。【カラフルなゴースト現象:長野県北アルプス】2017.7.28で扱ったようにです。
そのゴーストを斜め横に生じさせないように、真正面の角度で太陽に向かいました。そうしたら青いゴーストが太陽の周りに発生したという訳です。
当然太陽を直視できないので、熱だけで太陽を感知し、目をつぶって撮影します。何とも馬鹿げたことをして撮影していますが、面白くてしばらくやめられません。
この後、一旦この場所を引き上げ、ちょっと気になっていたアサギマダラに出会えないだろうかと、場所を鹿島槍ヶ岳(2.889m)の登山口に移します。
そこでは残念ながらアサギマダラには出会えませんでしたが、アサギマダラの幼虫の食草イケマで、卵を見つけることが出来ました。南から北上しているアサギマダラは、もう北アルプスに来て産卵していたのですね。
ここに来て幸いでしたが、鹿島槍ヶ岳登山道ではもっと珍しい現象を見るができました。太陽の左側にできた幻日です。太陽の左側に見えるので左幻日です。幻日は太陽とほぼ同じ高度にできるそうで、太陽側が赤くなるそうです。なので、幻日だけをアップした画像を見たら、赤い位置が左右どちらにあるか注意して見てください。赤の位置で太陽の方向がわかるなんて面白いですね。
夕方などには太陽高度が低くなるので見つけやすいです。夕方西の空を見るとたまに見つけることが出来ますよ。今回は時間は午後4時半ちょっと過ぎでした。
下の画像で幻日は、画面左側にある小さな虹色の部分です。たまたまですが、太陽のすぐ左側にも色のついた雲が見えますね。これに関しては私は分りません。
幻日:長野県北アルプス鹿島槍ヶ岳登山口付近から 2018年5月20日撮影
幻日:長野県北アルプス鹿島槍ヶ岳登山口付近から 2018年5月20日撮影
幻日を肉眼で見ることが出来た時間は、ほんの1分程度でした。この撮影を最後に幻日だけが消えました。これが幻日の現実です。以前にも写真に撮ろうと車を止め、カメラで感度やらシャッタースピードを合わせている間にどんどん光彩が薄くなり、ほんのわずかの間に消えてしまった経験があります。そんなものかも知れませんね。
幻日:長野県北アルプス鹿島槍ヶ岳登山口付近から 2018年5月20日撮影
皆さんも時々空を見上げてみてください。素敵な自然現象に出会えますように。