【地元でも「おいしい」と評判の「駅そば」:信濃大町駅】2011.2.12

地元大町市美麻新行のそば店のご主人が「まあ行って、食べてみましょ。美味しいから」と言うので、JR信濃大町駅の「駅そば」をわざわざ食べに行ってきました。

信州にはあちこちにそば店があり、必ずと言っていいほど、打つ人のこだわりがあるのが「そば」です。

何しろ信州人は理屈でそばを打ち、食べる時にも理屈をこね回すため、そば打ちの前では食べた気がしません。おっと、これは私の家人に関することで、すべてのそば打ち職人に共通ではありません。しかし、そば打ち職人には、そば打ち職人なりの、いろいろなこだわりがあるようです。それでかどうか、私は普段そんなにそばを食べないんです。

でも、どこかに旅行した後に、信州の土を踏んで、まず食べてみたくなるのが「そば」です。他所から帰ってそばを口にする時の、ほっとする気持って、きっと古里に帰って来たと言うことを実感させるのでしょうね。そんな魅力を持ったそばを、電車に乗って地元の人が、わざわざ信濃大町駅に食べに来ていたのです。

大町市常盤に住む西沢さん(52)は、回数券を買って、月に数回信濃大町駅まで「駅そば」を食べに来る駅そば好き。「いつもかき揚げそば(400円)を気に入って食べています」と言います。「なぜ?かき揚げそば?」「どうしてそこまで好きなの?」聞きたいことは山々ですが、「そばは理屈じゃない」と割り切って、西沢さんの話しを聞くことに。

「医者の帰りに寄っているんです」。なるほど、駅の近くには大町病院があります。「何十年も来ているから、元々すごいそば好きなんですよ。それで気に入って食べてます」西沢さんはそばを食べながら、満足そうな顔をしています。

「その時代、その時代で、少しずつ味が変わって来ていますが、今はとっても美味しい」と、それはもう、にこにこ。その笑顔だけで、理屈なんて要りません。信州のそば打ち職人さんが、どんなに理屈をこねてみたところで、西沢さんの喜ぶそばは「駅そば」なんですから。

寒い日はやっぱ温かいそばをと、私が注文したのは「山菜そば」。普通、そば好きは冷たいそばを注文するそうです。そばに違いがあるそうです。が、それはまたいつか。

「交替で勤務している」と言う、盛岡さんが「黄色いメニューは3分かかり、白いメニューは1分でできます」と、言います。

何が違うのかお聞きしたところ「どちらも冷凍ですが、黄色いメニューの麺は生麺で、白いメニューの麺は生ではない麺なので、茹で上がりに時間の差が出るんです」と、麺を見せて下さいました。「なるほど・・・」と思い、3分かかる黄色いメニューの麺を注文しました。

そばは3分後に茹で上がり、ナメコ、エノキ、ワラビ、ウド、ミズナの5種類の山菜が入り、生ネギの刻みが載った暖かい駅そばが私の前に差し出されました。

もう、美味しそう!これは、理屈抜きで食べられます。何ともだしの美味しい温かいそば。うーん、のど越しがよく、ネギの風味が旨さを増します。

盛岡さんは「夏はお客さんが多いですが、今は冬なので少なく、一日平均、100人から120人ですね。お持ち帰り容器もあり、電車の中でも食べられ、車から下りて来られない、足の悪い人にも喜ばれています。家から丼を持って来る人もいるんですよ」と、言われびっくり。駅に近い方が、わざわざ買いに来ているんですね。

食べてから駅長室に顔を出しますと、信濃大町駅駅長の中村さんは「欲目がなくて美味しいんじゃないでしょうか」と笑っていました。なるほど「欲目がない」、とにかく安い。280円からですから。

かけそば(280円)から、特上そばまであり、黄色の生麺は40円増し。持ち帰り容器20円。

営業は午前7時半から午後6時10分。途中10時から11時と、午後2時から2時40分は休憩が入ります。

大町市に来られる方は、立ち寄ってみて下さい。美味しいですよ。

❇︎:金額は変更されている場合があります。