LeSS morning #7 〜スクラムの文化を維持したまま、スケーリングした時の弊害とは(導入編)〜
概要:https://techplay.jp/event/946338
運営の丸田です。
6月21日に「LeSS morning #7 〜スクラムの文化を維持したまま、スケーリングした時の弊害とは(導入編)〜」と題したイベントを開催しました。本イベントは江端がオーガナイザーとして参加し、参加者の方々の探求をサポートしました。
オフサイト会場はメルカリ様にご提供いただきました。運営を代表して感謝申し上げます。
オープニングトーク、システム思考ワークショップ
オープニングトークとシステム思考ワークショップを実施しました。オフライン参加者は4チーム、オンライン参加者は1チームに分かれ、スケーリングに関する議論の前にシステム思考を活用したワークショップを行いました。
ワークショップの手順は以下の通りです。
取り扱うテーマを決定(例:テストの成績が悪いという共通認識を持ちやすいテーマ)
テーマに対し、最も悪くなる一番の理由を書き出す
課題が「自分自身が起因する課題」なのか「周囲の環境が起因する課題」なのかをグルーピングする
「自分自身が起因する課題」と「周囲の環境が起因する課題」を矢印でつなげる
江端によると、このワークショップの目的は、「自分自身が起因する課題」と「周囲の環境が起因する課題」をつなげることで、自分達がどの課題により影響を受けているかを理解する手助けをすることです。また、江端の経験上、多くのチームでは課題の認識に偏りがあり(矢印の向きが一方向に集中する状態)、今回は課題の正しさよりも課題をどう認識しているか、メンタルモデルの可視化を経験してほしいと説明がありました。
当日のワークショップの様子を撮影しました。どのチームも「自分自身が起因する課題」と「周囲の環境が起因する課題」のどちらかに認識が偏っていることがお分かりいただけると思います。
オンラインチームの作業内容
オフラインチームの作業内容
オフラインチームの作業内容
オフラインチームの作業内容
スクラムの文化を維持したまま、スケーリングした時の弊害とは(導入編)
スクラムの文化を維持したまま、スケーリングした時の弊害について議論しました。先ほどのワークショップを参考に、本番の議論を行いました。
議論の手順は以下の通りです:
認知→検討→試験→導入の順に活動を洗い出す
認知〜導入までの活動を「提供する側」、「提供される側」に分けてグルーピングする
「提供する側」、「提供される側」をつなげる
時間が限られている中で、江端のフィードバックを受けながら、各チームから多様な意見が出ました。多くのチームでは、検討段階と試験段階の考え方・活動の違いに議論の焦点が当たっていました。
最後に江端から、可視化を繰り返すことで、時間やフェーズによって変わる要素と変わらない要素があり、特に変わらない要素が重要だという解説があり、参加者の皆さんの表情の変化が印象的でした。
会が終了しても江端の元に多くの参加者が集まり、質疑応答が続きました。その中で、「Scrum のやり方(HOW)から真似して導入する方法もあるが、なぜメンタルモデルの可視化が必要と考えているのか?」という質問がありました。
これに対して江端は、「Scrum のやり方(HOW)から真似して導入する方法もありますが、Scrumが現状把握するフレームワークであり、Scrumの実践者や利害関係者の心理的要因から影響を受けることを考慮すると、組織の当事者のメンタルモデルを可視化し、心理的に影響が大きい部分や気になっている部分をケアすることで、心理的な障壁が下がり、スクラムの文化を育みながら組織的に導入することが可能になる」と回答しました。
この回答により、参加者の皆さんが今回のテーマとの関連性を理解した様子も窺え(うかがえ)ました。
議論中の風景
議論中の風景
議論中のテーブル1(認知)
議論中のテーブル1(検討)
議論中のテーブル1(試験)
議論中のテーブル1(導入)
議論中のテーブル2(認知)
議論中のテーブル(検討)
議論中のテーブル3(認知・検討)
議論中のテーブル3(試験)
議論中のテーブル4(認知・検討)
議論中のテーブル4(試験)
オンライン側のmiroボード(認知・検討)
オンライン側のmiroボード(試験・導入)
イベント実施後のアンケート結果
今回は参加者34名中28名の方に回答いただきました。
どのような気づきや学びが得られましたか
LeSSはレバレッジポイントの塊で出来ているんだなぁと思いました!
メンタルモデルが、いま自分が感じていることをまず出すことの重要性
システムシンキングの前提条件、メンタルモデルの可視化という思考
システムシンキングという概念
システム思考のやり方
システム思考の理解、メンタルモデルを可視化することで不変な部分を見つけること、その手順に気付きました
フェーズが変わると判断が変わるというのに納得しました
あるべきを出すのではなく、今のメンタルモデルを表すべきだと学べた。
システム思考の考え方、注意点を具体的にイメージできるとともに、思考の傾向を見ることもできたため
スクラムの基本は組織論と心理学であることが改めて認識しました
システム思考、メンタルモデルの作り方、見方
組織への導入に悩んでいたので考え直すきっかけを得られた。会社に持ち帰って実践してみようと思う。
システムシンキングの基本的な考え方は分かった気はします。また、その時のメンタルで変化しても良いということがわかりました
メンタルモデルの可視化を繰り返す中で変わらない要素が非常に重要だと学んだ。
システムシンキングの進め方と注意点を学べた
今回の分け方では、自分たちで変えられること変えられないこと、どっちとも言えないことあるなと、皆さんと話していて思いました
物事の因果関係を2極化しての紐づきは見えていなかったが、問題改善には非常に重要であった
スクラムを導入するきっかけとしてVSMがまずできそうなものかと思っていたがシステムシンキングも先ずやってみる武器として有効だと認識した。
スクラムを推進する側、される側という視点を得られた
自己と環境or相手、それぞれのメンタルモデルにおいて、普遍項をみつけること、また時間やフェーズの変化によって、性質がまるで変わるものがあること
コミュニティイベント全体についてのフィードバック(感想・要望・改善案など)があればご記入ください
ないです。ありがとうございました!
今回の続編をまた是非実施して頂きたいです
オンラインで参加できて良かったです
オンラインの様子、これまでのハイブリッドでは最も具体的に見れました。
いつもありがとうございます!
今回のワークも非常に考えさせられました
もっとワークしたい
開始時間がもう少しだけ遅いとありがたい。
LeSS morning(コミュニティ)またはLeSSの夜明け(カンファレンス)についてのご要望があればご記入ください
いつもありがとうございます!
特にありません。
特になし
特にないです!
ありがとうございました!
江端さんからたくさん学びたいです!
今後も勉強していきたいと思います
開催頻度は個人的にちょうど良いです
特にないです
ワークショップ形式でまたよろしくお願いします
オンライン枠は続けてほしい!
特にないです。
TBDになっている部分を早く知りたいです!
引き続きよろしくお願いします!
実践的な話で良かったです。学びも多かった。
スクラム導入に役立つ知識を得たい。
組織論に発展する内容は気になります。アジャイル組織、みたいな。
非常に有意義な機会でしたが、オンライン枠が10枠しかないため、次回参加できるか不安です。枠を増やしてほしいです。
特になし
ここに書くほどの要望はありません。楽しみにしています。
今回参加して非常に勉強になったので今後も参加したい。
いつもありがとうございます
ワークショップは気づきが多く印象にも残りやすいため回数が多いとよい
今、思いつかないです。
もっとやさしいテーマが好きです
夜明け、チケット買いました!楽しみにしてます!!
特にありません
最後のボタン押せてなかったみたいで、回答遅くなり失礼しました!
また参加しますー!
いつもアンケートに協力いただきありがとうございます!いただいたフィードバックは今後の参考にさせていただきます。
本イベントの全体的な評価は上記グラフの通り、総じて満足いただけたようで安心しました。
今後もあらゆる参加者にとって学びになる場を提供しきたいと思います。
引き続きよろしくお願いします!