生命倫理・医療倫理は、医療や生命操作に関する技術・制度・政策に伴う倫理的な諸課題を哲学・倫理学、社会学、法学、医学など多様な学問の知見に基づいて検討する学際的な領域です。私の場合は、特に慢性疾患医療や終末期医療、生殖医療の文脈での課題に着目し、「福祉」や「自由」、「自律」などの倫理学の諸概念の観点から分析すると共に、これら諸概念をめぐる現代英米圏の規範倫理学・生命倫理の議論に検討を加えることで、課題の考察を行っています。近年は特に出生前検査や中絶など生殖に関する技術が社会に提起する課題について検討しています。