大学院

哲学・倫理学専攻 倫理学分野

倫理学分野は、哲学分野とともに長い歴史を有しています。哲学とは別に倫理学を専門分野として設けている大学院は全国でもわずかしかなく、その中でも、本分野は最大規模のスタッフを擁しており、日本における倫理学研究の拠点の一つになっています。

倫理学分野のスタッフがカバーしているのは、近現代のドイツ、フランス、イギリスの思想です。発足以来、この領域に重点を置きながら、スタッフをバランスよく配しています。また、現代の倫理学は規範倫理学・メタ倫理学・応用倫理学に大別されますが、本分野では、規範倫理学はもちろん、メタ倫理学や応用倫理学の研究・教育も行っています。さらに、宗教哲学、社会哲学など、倫理学と密接に関連する領域についても、長年にわたり、研究と教育を行っています。

スタッフの具体的な専門分野は、中世・近世の形而上学、現代のフランス思想、近代のイギリス倫理思想史、カントの倫理学、医療倫理学、メタ倫理学などです。

倫理学分野は少人数教育をとくに重視しています。例年、修士課程には4名程度、後期博士課程には5名程度の大学院生が在籍しており、それぞれの問題関心に従って専門研究を進めています。修士課程では、研究者としての基礎を養い、優れた修士論文を執筆することを目標としています。後期博士課程では、学会や研究会での口頭発表や論文執筆などを通じて、研究者としての能力を高め、研究成果を博士論文としてまとめることを目標にしています。修了者の多くは研究者の道に進みますが、大学院で得た専門知識を活かして社会で活躍する人も数多くいます。