序文
日本YMCA同盟
総主事 田口努
創立時からのブランドロゴを変え、「みつかる。つながる。よくなっていく。」ことを新たに決意した私たちは、新型コロナウイルスの世界的な拡大によって、もっとも大切な人と人とのつながりが絶たれるという未曽有の危機に直面することとなった。次々と地域社会の課題が浮き彫りになる中、活動の現場で、職員、会員、関係者が“ポジティブネットの実現の姿”を思い描き、突き動かされるように行動し、灯を掲げ、いまも担い続けている。この戦後最大といわれる危機において、YMCAの価値が地域社会から切実に求められていることを全国のYMCAが確信している。
この冊子では、地域社会の再創造のために、レジリエンスの回復とポジティブネット創造のために、私たちがこの間、祈りをもって取り組んできたことをまとめている。激動する世界において、いま十分に検証できないことは、歴史の中で評価されることになるだろう。私たちにできることは、この経験をもとに前に進むことだ。
「光は暗闇の中で輝いている」。この聖句のもと、2021年から新たな日本YMCA中期計画(2021-2023)がスタートする。冊子の後半で、さきがけとなる働きと共に紹介している。YMCAから隣人、地域、世界に広がっていくポジティブネットのビジョンは、いまこそ人をひきつけ、かけがえのない場所となることを信じ、全国の力を結集したい。(2021年5月)