【卒業制作】
まよれき ~陰陽五行思想で見るカレンダー~
【卒業制作】
まよれき ~陰陽五行思想で見るカレンダー~
金澤拓未
*主査・川守田礼子/副査・宮腰直幸
日本人の生活に根付いている民俗文化の基盤には、陰陽五行思想が取り入れられている。中国から輸入した陰陽五行思想は日本文化全般に強い影響を及ぼしたが、明治以降は徐々に衰退していった。しかし、現代でも、陰陽五行思想に基づく原義は知られていなくても、魔除け・厄除けなどの民間習俗や、節分・お盆などの年中行事といった生活のあらゆるシーンに残っている。改めて陰陽五行思想と我々の生活の関係性に着目して、日々をとらえるとまた違う発見、楽しさがある。そこで本研究では陰陽五行思想にのっとったカレンダー(暦)を製作する。陰陽五行思想にゆかりのある十二支を活用し、陰陽五行思想と日本の民俗文化の魅力を伝えたい。
【卒業制作】
南部菱刺しの魅力を伝えるブックレットの製作
高松有咲
田中舘瑠花
*主査・川守田礼子/副査・高屋喜久子
南部菱刺しは青森県南部地方に伝わる刺し子工芸である。本研究では南部菱刺しの魅力拡大のための冊子制作に取り組む。青森県の刺し子にはこぎん刺しと南部菱刺しがあるが、こぎん刺しには「kogin.net」や「そらとぶこぎん」等専門のメディアがあるのに対し、南部菱刺しにはない。そこで、南部菱刺しに関する情報と魅力紹介をコンテンツとした冊子を製作し、八戸圏域の主要施設に配布し、知名度向上と魅力発信を行う。今回の冊子の特徴は、次の2点である。1「菱刺し A to Z」と題し、A.B.C...によるキーワード紹介を基本構成とする。2イラストや写真を多用して幅広い世代が興味を持つように工夫するとともに、デザイン性と色彩に富んだ南部菱刺しの特徴を表現できるようなビジュアライズを目指す。冊子仕様は中綴じB5、本文30ページ、100部製作の予定である。
【卒業制作】
新郷村のリアル農村⽣活を伝える動画制作
橋端慧
*主査・川守田礼子/副査・後藤厚子
新郷村に住んでみたいと興味を持ってくれる移住者を増やすことを目指し、新郷村のリアル農村生活を魅力的に伝える動画を制作する。私の出身地である新郷村は、少子高齢化と村外移住による人口減少による荒れ地、空き家の増加が大きな問題になっている。ふるさと自慢わがまちCM大賞による紹介や村内向けのイベントによる地元離れを防ぐ動きが行われているが問題解決には至っていない。本研究では、担い手のいない農地を活用しての自給自足生活や空き家の利活用事例を取り上げた内容とし、開放的で時間にとらわれない田舎のライフスタイルを印象付ける。動画は2本、各動画とも約三分から五分を目安に作成する。一本目のタイトルは「おいでよ不思議の新郷村」、内容は新郷村の観光スポットを中心に村内の景観を紹介する。二本目のタイトルは「農楽々の日々」、農業の様子と自家製の野菜での料理を中心に1日の流れを紹介する。
【卒業制作】
⾝近な野草での草⽊染め―⾃然との共⽣―
松尾あにす
*主査・川守田礼子/副査・皆川俊平
本研究では、ヨモギ、クルミ皮、栗皮、コーヒー滓などを用いた草木染めを行う。不要になったシーツや衣服などを集めて染色したのち、これらをつなぎ合わせ、縦4m 横1.5mのタペストリーを制作する。私たちの周りには、古来より食用や薬用として一般に採取、利用されてきた反面、現代では雑草として処分されてしまう植物がある。また、コーヒーや調味料など賞味期限が切れて捨ててしまう食品も多い。かつては生活の中で活用されていたものがあっさり廃棄されることは、残念でならない。それらに新たな価値を見出し、不要とされる植物・素材たち一つ一つに丁寧な価値付けを行っていくことが「喜び」となり、自然と共生することであり、多様かつ持続性のある生活を作り上げることにつながると感じた。ものを大切に、使えるものは再利用する、小さなことだが大切なこれらのことを、草木染め作品を通して伝えたい。