【卒業制作】
野⽣⽣物の魅⼒に関する⽴体表現
【卒業制作】
野⽣⽣物の魅⼒に関する⽴体表現
木村尚紀
*主査・宇野あずさ/副査・石毛清八
本研究では、野生生物の生きることに特化した生態系や身体機能、それらが要因となる形態美を伝えるために、立体作品の制作および作品発表を通じて鑑賞者と猪を題材とする野生生物の五感を共有する試みである。本研究を通じて、農林業界が抱えている害獣問題に関心をよせるきっかけを作り、人間では認知できない感覚を持つ野生動物の魅力を発信したいと考える。立体作品の素材は、苔や欅樹皮、楢樹皮等猪の食性に近い自然物を使用しており、自ら採取したものを使用している。
【卒業制作】
感情の可視化の可能性
-フルイドアートを⼿がかりとする映像作品を事例に-
久慈彩華
*主査・宇野あずさ/副査・皆川俊平
フルイドアートとは、二色以上の液体を画面の中に流しこみ、画面の中で常に変化し続ける流動性や偶然性を活かして描く技法である。この技法の特性は不規則な形が描かれる事であり、液体同士が混ざり合うことなく流動的に反発しあうため、制作者本人にも行く末が分からぬまま常に完成形が変わる。自然と偶然が生み出す液体の動きは、人間の迷いや不安を想起させ、目には見えない人間の感情を可視化することができるのではないかと考えた。本研究では、アクリル絵具とポーリングメディウムを使用したフルイドアートを手がかりに、人間の感情の可視化を目的とする作品制作を試みる。
提出作品では、ポーリングメディウムを用いた絵画や、メディウムの動きを撮影した映像作品などを構成しインスタレーションを発表した。
【卒業制作】
折る行為をめぐる想像力
-紙を用いたインスタレーション作品の制作を事例に-
今野天真
*主査・宇野あずさ/副査・東方悠平
本研究では、これまで立体作品の制作過程で繰り返し取り入れてきた「折る」行為について考察する。ミウラ折りを用いた照明を制作した際に、自分の想像力を超えるかっこよさや美しさ、折ることの大変さなど普段見慣れた素材から多様な価値を得ることができた。この経験から、形や模様を加える「折る」行為に着目し、想像を超えて価値を見出す制作手法の効果について制作を通じて明らかにする。
提出作品では、筆者が述べる「折る」行為による価値を立証するために最も身近な素材である「紙」に折り目をつけ、光や影などの現象を加え、再構成したインスタレーション作品を制作する。
【卒業制作】
1畳半のパーソナル空間
-生活空間の提案-
髙松美羽
*主査・宇野あずさ/副査・皆川俊平
スコットランド発祥の建築様式から派生したスペースである「ヌック」を一畳半で作る。「ヌック」とは元々「暖かくて心地のいい場所」という意味である。コロナが流行し、家にいる時間が増えた今、これまでの生活環境に対する価値観が変わるなか自分だけの時間や空間を持ちたいという人も多い。ヌックを手掛かりに今日に求められる生活空間の提案を行いたいと考えた。最終的には実寸大の模型とその活用法をまとめたものを展示する。
【卒業制作】
ひとりでいる時の暖かみと寂しさ
-写真による空間表現の制作-
中田実咲
*主査・宇野あずさ/副査・東方悠平
人はひとりでいる時、どんなことを感じるのか。また誰かと一緒にいる時、どんなことを感じるのか。
これまで私は、ひとりでいる時寂しいと感じていた。そして、誰かといる時は特に何も感じていなかった。感じていないというのは、気づいていないということだと考え、「そばにあるはずなのに気づいていない」という点が「日常」と同じだと感じた。この二つの日常にはどのような差があるのか、これらの感情はどのように組み合わさって日々を構築しているのか。
このような考察から、私たちの目に映る世界の中から時間を切り取って可視化する写真を用いて比較したいと思い、上記の研究題目に設定した。
提出作品では、他者との関わりの中で引き起こされる暖かみや寂しさといった感情に着目して制作した写真群を通じて、鑑賞者には人との繋がりの中で生まれる自分自身の感情に目を向けさせる。
【卒業制作】
様々な形態の絵
藤田恭佑
*主査・宇野あずさ/副査・皆川俊平
本研究では、デジタルとアナログの媒体に絵を描き、それぞれの媒体の描画方法や表現方法における利点や課題点を研究することを目的とする。描く対象物は、食べ物や生き物を中心に描きたいと考えている。
展示では、これまでに描いた絵を3種類の方法で展示する。1つ目は、寿司を題材として写真フレームを支持体にしてアクリル絵具で絵を描き、回転寿司を想起するような展示空間を作り出す。2つ目は、食べ物をモチーフにデジタルで描いた作品群を印刷出力し、冊子状にまとめて展示する。そして3つ目は、絵具やデジタル画面以外に描いた試作品を展示する。異なる描画方法や展示方法によって描かれた「絵」を通して、今日における多様な絵のあり方を明らかにする。