【卒業制作】

場所問わずに飾れる絵画とは何か~陶板絵画の制作を通して~

荒木田 琴音 ARAKIDA Kotone

主査・石毛清八/副査・皆川俊平

本研究では 、場所を問わすに゙飾ることができる絵画制作を目的に陶板画の研究を行う。陶板画とは陶磁器と絵画を横断した制作手法て、゙薄い板状の陶器土に着彩・絵付を施し焼成を行う、ヨーロッハて゚ 盛゙んな壁画制作手法のひとつで、゙耐水性があり、紫外線による褪色の影響か少゙ないことから、建築の内外装に用いられている。

私はこれまて油゙絵制作やタブレットによるデジタル画まて、゙幅広く絵画制作を経験し、展示を行ってきた。

その際に油彩や水彩画てば 水濡れや紫外線劣化の恐れかあ゙るため、飾る場所か限られてしまうことに気かづ いた。

そこて、゙場所を問わす飾゙れる点を活かした陶板画を制作し、浴室やリビングなどの様々な場所のインテリアとして、絵画をより親しみやすくすることができると考えた。

最終審査提出作品は、いくつかの試作を経て、着彩した図柄を活かすために白色の半磁器土を使用し、四方 10 センチの陶板を組み合わせ た絵画を制作・展示する。

【卒業制作】

陶素材を用いた自己表現手法の研究~「心の揺らめき」を手がかりに~

内海 杏樹 UTSUMI Aki

主査・石毛清八/副査・東方悠平

私はストレスコントロールが苦手という自覚から、 “自己表現”をテーマとした作品制作を通して心の平安に繋げようと考えた。本研究では自分の負の感情や心の靄を 原動力に制作活動を行い、陶素材ではどのような表現が可能か検証する。

研究は練りの習得や各種粘土・釉薬の特徴を知るためのタイル作りから始まり、中間審査を経て本制作のコンセプトの検討に入った。この制作活動はただ心の靄を発散するために行うのではなく、これからも来るであろう心の波も“きっと乗り越えられ る”というような希望的なメッセージを持たせる必要があると考えた。そこで揺れて も戻ってくる炎のイメージに倣い「心の揺らめき」という副題を付けることにした。 連作の一作品目『衝撃』は突然心の平安が乱される不快感を、二作品目『記憶』は“心 というものは想起と忘却によってバランスをとっている”という実体験を形にした。 この二作品にはドベ(水で溶いた粘土)を装飾として使用している。水分量を調節す ることで、鋭いトゲやクリームの様な厚く柔らかい造形を残すことができた。三作品目『思い出』は大学生活で経験した楽しい出来事を植物に見立て立体的に展開した。

私は陶素材の特性を生かし、三連作を通じて感情のグラデーションを表現した。それにより、自分の負の感情や心の靄を原動力にした制作活動が特徴のある作品作りにつながり、かつ作者の心を平安に導き未来に向かう力になることを明らかにした。

【卒業制作】

獅子頭制作

中村恵都 NAKAMURA Keito

主査・石毛清八/副査・東方悠平

  • 青森県五所川原市飯詰にある獅子舞の頭制作。

  • 長い間使われボロボロになった獅子舞だが制作者や制作方法が不明なため独学で獅子 舞を新しく作り、それを元にして作り方を マニュアル化

  • 小さい頃からやってきた獅子舞、コロナの影響で衰退しつつある今多くの人に知って もらう為にキーホルダーなどのグッズ制作の考案

【卒業制作】

暮らしと陶器の関わり方について~園芸用品としてブランドデザイン~

和田 彩奈 WADA Ayana

主査・石毛清八/副査・皆川俊平

本研究では、陶器を使用したガーデンピックの制作をした。

工芸実習等で陶器のコップや茶碗などの食器制作を体験するうちに、陶器を使用し た作品を制作してみたいと考えた。

陶器の作品といえば、一般的に皿や壺など屋内で使用するものが多い。だが、陶器に塗る釉薬の役割には、装飾の他にも、強度を高めたり、水や汚れを吸収しにくくし たりするなどの効果があり、屋外でも十分に使用することができるではないか。そこ で、屋内外でのガーデニングに飾りとして使用されることの多い、ガーデンピックに 陶器を活用しようと考えた。そして、テーマ毎に複数の作品をつくり、それぞれセッ ト商品としてロゴをつくるなどブランドデザインも考える。


ガーデンピックの制作に使用する素材は、半磁器土やオーブン陶土を使用した。半磁器土には堅牢性・つや・高級感、オーブン陶土には手軽さ・加工がしやすい・色が鮮やかという特徴の違いがある。また、オーブン陶土では釉薬は使用せず、絵付はアクリル絵の具、仕上げは Yu~というコート剤を使用する。そのコート剤が釉薬の役目を果たす。


今回制作した作品のテーマは三つあり、八戸の特産物に関する「八戸ピック」、動物シリーズで「あにまるピック」、ラーメンをイメージした「らぁめんピック」を制作し た。八戸ピックとあにまるピックに使用する素材には半磁器土を使用して、らぁめんピックではオーブン陶土を使用してよりリアルに見える色彩表現を心がけた。