ゼミ(演習)は受講者数が最大で20数名(もっと多い場合もあります)の少人数授業です。
少人数授業とすることで、教員の専門分野について学生が密度の濃い学習をすることが狙いです。
ゼミには、以下の4つの科目があります。
1年後期:基礎演習
2年前期:総合演習
3年通期:演習(3年)
4年通期:演習(卒業研究)
ゼミは少人数制の授業ですので、希望する教員の科目を必ず受講できるわけではありません。希望のゼミを履修するためには、選考に通らなければいけません。
ゼミの応募が始まる時期になると、大学から募集要項が送られてきます。これを熟読して、充実した志望動機を書きましょう。
このページでは、引き続き経営学部の各教員の専門分野や、ゼミの様子について紹介しています(※)。
ゼミの紹介文は演習(3年)と演習(卒業研究)を想定していますが、基礎演習や総合演習を選ぶときにも参考になると思います。
ぜひ、ゼミ選びに活用してください。
※ 本ページの画像の一部は、学内アカウントにログインしていないと閲覧できません。▶主な担当科目/経営心理学Ⅰ・Ⅱ
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
衛藤信之『心時代の夜明け』(PHP)
田坂広志『自分であり続けるために』(PHP)
ゼミでは、組織内の対人関ともに、(組織などにおいて)人が成長するとはどのようなことで、それを可能にするにはどのような条件が必要かといったことについて取り扱っています。
人の「成長」を考える際には、自己実現という概念を用いて考えることが必要となることが多いですが、最近は、この概念について直接理論的に深く考察することに時間を多く割くよりは、人と人が接する中でお互いの潜在的能力がうまく発揮されるようにするにはどのような対応や働きかけ、そして(組織心理的)環境が有効かといったことについて考えて議論することにより大きな重点を置いています。具体的には、組織内の対人関係やコミュニケーションの心理学、そして、コーチングなどについて扱っているということができます。
心理学的トピックというと、他人の「心を読む」ことが重要と考える人が多いかもしれませんが、ここではそれほど重要ではありません。また、自己実現という言葉が出てくると、すでに自分で意識している「個性」にこだわりを持ち、つよく主張する(他人に認めさせる)ことが大事と思う人がいるかもしれませんが、これもそんなに重要ではありません。どちらかというと、自分の行動を認識・理解する能力や様々な視点から物事をとらえて今まで見えにくかったものを発見する能力のようなものの方が重要です。
発表や議論は、通常、(4~5名で構成する)グループを中心として行います。グループ内の人たちと連携し、協力して物事を進める力が必要となるとともに、自分の考えや感じたことなどをしっかり表現する能力や努力も重要となります。責任をしっかり果たして協力し、自己や組織の心理的側面について深く考え、いろいろと発見していきたいという人にはちょうどいいと思います。
▶主な担当科目/経営組織論Ⅰ・Ⅱ
▶研究室/法科大学院・総合研究棟7階
▶オススメの本
岡田耕一郎・岡田浩子『だから職員が辞めていく~施設介護 マネジメントの失敗に学ぶ~』(環境新聞社)
岡田耕一郎・岡田浩子 (暮しの手帖社)『老人ホームをテストする』
岡田耕一郎・岡田浩子 『スウェーデンの老人ホーム』(環境新聞社)
研究対象が老人ホームなのでひどく地味なゼミのように見えますが、実際にやってい ることは、それよりもさらに地味です。経営コンサルタントが失敗した人事考課の仕組み を作り直したり、介護現場の管理職が作ったつぎはぎだらけのサービスシステムがこん がらがってうまくいかなくなったのを再構築したり、教育が苦手な職員に新入職員の教 育をしてもらうためのウルトラテクニックを開発したり、頭が痛くなるような課題に対して ひたすら悩み続けているゼミです。
3冊のオススメの本を読んでいただくと分かりますが、議論はかなりアグレッシブです。ですが、たんたんと時間だけが緩やかに流れているゼミです。
・岡田耕一郎・岡田浩子『だから職員が辞めていく~施設介護マネジメントの失敗に学ぶ ~』(環境新聞社)は介護現場のサービスマネジメントの問題点を指摘した本です。慶応義塾大学の入試問題になったおもしろい内容の本ですが、予備校の先生の解説はちょっ とずれていました。残念です。
・ 岡田耕一郎・岡田浩子『老人ホームをテストする』(暮しの手帖社)は老人ホームの介護 サービスについて解説した地球で一番詳しい本です。家族が老人ホームに入居する際に 老人ホームをチェックするための本として書きました。余りに詳しく書きすぎたので、老 人ホームで働く介護職員が自分の施設の悪いところをチェックするために活用されてい ます。意外です。
・ 岡田耕一郎・岡田浩子『スウェーデンの老人ホーム』(環境新聞社)はスウェーデンの老 人ホームとそこでの介護サービスシステムの実態を詳細に分析した本です。長年にわた るスウェーデン幻想を打ち砕き、日本の社会福祉関係者に衝撃を与えた本です。衝撃を 与えすぎたので、今度はデンマーク幻想に走っているようです。困りました。
私の演習では、ものづくり企業を主な分析・研究対象としており、同産業を様々な角度 から分析した文献、資料を講読し、それを起点に議論を進めていきます。全ての参加者が 毎回最低一度は発言をしなければなりません。そして、演習参加者の希望があれば、キャ ンパスを飛び出し、工場の生産工程の視察などに出かけます。視察を通じて、経営管理の 実践現場にふれることは、本演習で学び、議論をしたことについての理解をさらに深めて くれることでしょう。過去には、遠く九州や愛知県まで出かけ、自動車の生産現場やモノ づくりの歴史を分かり易く紹介したトヨタ自動車の展示施設を視察したこともあります。 そして、4年次の最後には、集大成としてレポート(卒論)を提出してもらいます。その分 析対象は、必ずしもものづくり産業ではなくてもいいのですが、本演習を通じて学んで きたものづくりマネジメントのアプローチが何らかの形で活かされていることが望まし いでしょう。
▶主な担当科目/経営戦略論、ビジネスリサーチ実習
▶研究室/6号館5階
▶オススメの本
(株)日本総合研究所 経営戦略研究会. (2024). 『新版 経営戦略の基本』日本実業出版社.
マイケル・ルイス(著), 中山 宥(訳). (2013). 『マネー・ボール』早川書房.
経営戦略は当然のことながら策定する企業や組織によって異なり、類似するものがあったとしても内容は唯一無二であると言えます。そのため、このゼミでは教科書や参考書などでフレームワークや分析手法を学びつつ、業界および個別企業のケーススタディを実施していきます。特に昨今経営に欠かせない要素となっているITについて、該当事例における活用方法やセキュリティ対策を含めた戦略に焦点を当て、想定される活用のメリットや懸念されるリスクについて考えていただきます。
皆さんには上記のケーススタディを通じて主体的に企業のIR情報や各メディア媒体から関連データの収集、分析処理、まとめをしていただき、毎回担当を決めてプレゼンテーションを実施いただきます。それにより将来を見据えて資料作成や発表をする力を養っていくとともに、聴く側としても発表に対するフィードバックやディスカッションをしていくことで、ただ受け身になって聴くのではなく積極的に自身の考えを発信する力をつけていただきます。
具体的に3年生のゼミでは前期はテキストの各パートについてその内容をまとめ、事例を示しながら説明していただきます。後期においては自ら将来の進路として希望する、もしくは興味のある業界および企業事例について発表していただきます。
4年生のゼミでは卒業論文の完成を目標とし、前期はその内容を想定しながら各自興味を持ったテーマについて、個人発表をしていただきます。テーマは経営戦略の観点を含めていれば横断的に設定しても構いません。後期は、初回に卒業論文の骨子を示していただいたあと、本格的な執筆に取り組んでいただきます。
皆さんにはこのゼミでの活動を通じて、過去から現在の状況、データを分析し、懸念されるリスクや将来展望を検討する力を養っていただくとともに、それを理論的にまとめて相手に説得力のある形で伝えられるようになっていただきたいと思います。
▶主な担当科目/人的資源管理論,人的資本経営論
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
濱口桂一郎(2013)『若者と労働:「入社」の仕組みから解きほぐす』中央公論新社。
ジェフリー・フェファー(2019)『ブラック職場があなたを殺す』日本経済新聞出版社。
武田晴人(2008)『仕事と日本人』筑摩書房。
人的資源管理とは,組織の中で働く人の管理を意味する用語です。ただし,同様の管理やその活動に対して,日本では一般的に「人事」という名称が用いられます。そのため,わざわざ「人的資源管理」という表現を用いる際には,従業員を人的資源,あるいは人材とみなして管理するという意味が込められています。ここでの人的資源,あるいは人材とは,会社に貢献したい,成長したいという意欲を最初から備えた存在のことです。つまり,人的資源管理とは,従業員がそうした意欲をもっていることを前提に管理していくことなのです。
従業員が自ら組織に貢献することを望む存在であると仮定することで,実際には働く人を管理する際の様々な問題が解消されてきました。人的資源管理は,みんなで一緒にサボる,やる気がなくて生産性が低い,経営者たちに反発する,といった問題を解消するのに役立ったのです。その反面,人的資源管理は,働き過ぎる,仕事を頑張り過ぎて燃え尽きてしまう,仕事と仮定を両立できない,などの新たな問題を生み出してきた側面もあります。こうした状況を踏まえて,より良い働き方を可能にする管理について研究を進めているのが,人的資源管理という研究領域なのです。
櫻井ゼミでは,以上のような人的資源管理に関する研究を,皆さんと一緒に進めていきます。具体的には,グループごとに研究テーマを設定し,先行研究を一緒に読みながら課題を設定し,実際に調査を行っていきます。また,その研究成果を公表するために,他大学のゼミとの合同研究発表会に毎年参加しています。こうした活動に少しでも興味がある人は,ぜひ櫻井ゼミに足を運んでみてください。櫻井ゼミでの学びは,きっと皆さん自身の将来の働き方を考える際のヒントにもなるはずです。
▶主な担当科目/日本経営史、現代日本経営史
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
苅谷剛彦『知的複眼思考法』 (講談社+α文庫)
小熊英二『日本という国(増補改訂版)』(イーストプレス)
藤本隆宏『日本のものづくり哲学』(日本経済新聞社)
後輩の皆さん、こんにちは。菅山ゼミについて、これから紹介していきたいと思います。
はじめに、このゼミは基本的にグループ学習がメインで、ゼミの仲間とともにパワーポイントを使って、プレゼンテーションをします。発表は緊張するから「嫌だ」とか、「無理」と思った人もいるかも知れませんが、発表に向けてグループで話し合い、まとめていく過程は、就職活動で役に立ち、 このゼミの良いところだと思います。とてもやりがいのあるゼミです。また、菅山先生はいつもニコニコしていて、とても優しい先生です。お茶目な部分もあって、ゼミといってもそこまで気張らなくても大丈夫です。
次に授業の内容についてです。この授業では、経営者の自伝資料や日経の名物コラム、菅山先 生の論文を読み進めて、日本の企業について多角的な視点から考えていきます。経営者の自伝資料では、経営者になるまでの道のりが詳しく書かれていて、生い立ちのことから、経営者となって 成功を収めていく流れまで学べます。私たちは経営学部なので、経営について色々学んできたと思います。他の授業で学んだ戦略などが、実際に出てきて理解を深めることが出来ます。また、一企業・一経営者の苦難と成功を、壮大なストーリーとして楽しみながら学べます。例えば、京セラや第二電電(現・KDDI)の創業者である稲盛和夫は、昔ガキ大将だったんです。このような意外な発見もあり、とても楽しく学べます。
最後に、どのゼミに入るか迷っている人に、強く菅山ゼミをオススメします。菅山先生は、基本的なことまで指導してくださいます。本の読み方、文章の書き方、スライドの構成の仕方。意外と細かいミスが多いものですが、先生は授業の中でしっかり訂正して面倒を見てくれます。この文を読んで、少しでも興味を持ってくれたら誰でも歓迎です。ゼミを選ぶ際の参考にしてくれたら嬉しいです!
4年生と集合写真
▶主な担当科目/イノベーション論
▶研究室/6号館5階
▶オススメの本
近能善範、高井文子(2010)『コア・テキスト イノベーション・マネジメント』(新世社).
渡辺千仭(2007)『技術経済システム』(創成社).
現代社会においてイノベーションの恩恵は計り知れません。ほとんどすべての経済活動に対し貢献し、国や産業・企業の競争力に影響を与えています。私のゼミでは、このイノベーションと経済・社会との間に横たわる関係を、それぞれが影響しあいながら働くシステムとしてとらえ、国や企業の経済活動へのインパクトを分析していきます。みなさんは、その学びの過程において、日本の経済発展の流れや、大企業の成長と衰退のプロセスなど、様々な経済・社会の活動に対する理解を深めることになるでしょう。
ゼミでは、イノベーションの影響・貢献について議論を行います。アルバイト先でのトラブルなど身の回りで起きたことから、グローバルな環境問題まで、さまざまな事柄について、ご自身の興味に沿った課題を見つけて、研究・検討を行ってほしいと思います。その際には、関連データの収集・処理・分析を通じて、データに基づいた客観性・説得力のある意見を表現することが求められます。議論を深堀りするためのツールとして、デザイン思考の手法やスタートアップのアプローチなども取り入れます。また意見をまとめる練習として、A4一枚紙程度のレポートをゼミの時間内に書き上げる、という課題を行います。
3年生のゼミでは、グループワークを中心に、イノベーションの理解に必要な押さえるべき理論と事例を中心に学習し理解していくことになりますが、4年生のゼミでは、個々が独自の視点で研究対象となる事象を自ら発見し、一年を通じて分析・研究を行うことが求められます。自ら調査を行い、理論に基づく仮説を見出し、データを集めての分析やヒアリングを通じてその検証を行う、そうしたプロセスの成果が卒業論文となりますので、大学での学びの集大成として形にしてもらいたいと思います。
「経営学および関連分野の本を読み論理的思考を身につける」というテーマで、ゼミ(演習)での教育を行っています。演習3年では、経営戦略論、リーダーシップ論、技術経営論、イノベーション論、ビジネスモデル分析など、様々な分野の本を題材とします。1年で3冊の本を読むことを目標としています。本を読み進めて、学生に繰り返し発表およびレポートを作成させることで、読解する力、論理的に考える力、そして発表する力を身につけさせたいと考えています。例年ゼミ生の数が少ないため、受講生は、ほぼ毎週発表を行うことになります。過去には1人で30回分の発表を行った学生が複数います。それらの学生に聴くと、毎回の発表は辛かったようですが、力はついたようです。演習4年も、前期は経営学関連の本を読みます。4年次には経営組織論などの少し理論的かつ難解な本に挑戦します。後期は、卒業論文の執筆に取り組んで頂きます。私のゼミでは、卒業論文を単位修得要件としているため、卒論を提出しないと単位は修得できません。
講義科目では、組織デザイン、国際経営論を担当しています。組織デザインでは、観光地と観光産業を題材として、組織の役割を解説しています。私が執筆した『観光学概論-海外文献を読み解く』をテキストにしています。観光地経営に興味のある学生は、ぜひ受講してください。国際経営論は、大学の国際化を図るという大学の教育方針の一環として、英語で講義を行っています。講義、テスト、レポートなども全て英語で行っています。
学生の皆さんは、数年後になりたい自分を目標として掲げ、その目標を実現するために必要な能力を構築するという意識を持って講義を受講してください。私は、53歳の年に「単著を3冊出版する」という約25年前に掲げた目標をようやく実現したので、次なる目標である「英語論文を5本公刊する」という新たな目標の達成に向けて日々研究に取り組んでおります。
▶主な担当科目/企業倫理、サステナビリティ・マネジメント、ビジネス・ケース実習Ⅰ・Ⅱ
▶研究室/6号館5階
▶オススメの本
横田好太郎(2006) 『キヤノンとカネボウ』(新潮社)
日経CSRプロジェクト編(2007) 『CSR 働く意味を問う』(日本経済新聞社)
本ゼミでは、CSR(企業の社会的責任)について深く学び研究していきます。企業の性質 は、営利性と社会性という2つの側面に分けられ、一般の経営学は前者を主たる対象としま す。しかし、企業が持続的に発展していくには、環境や社会に配慮した経営を行っていく必要 があり、企業には社会性も備えていなければなりません。ゼミでは、この企業の社会性を学 ぶことで、受講生は職業観や職業倫理を身につけ、社会人としての基礎力を養っていきます。
ゼミの進行は、テキストの輪読、パワーポイントなどを用いたプレゼンテーション、関連する 新聞記事の発表、ディスカッションなどを通して企業倫理も含めて経営学の修得に努めてい きます。また、工場見学を行ったり(キリンビール仙台工場やみちのくミルクなど)、希望者は 他大学との発表大会(インゼミ)にも参加して、ディスカッション能力をさらに磨いていきま す。そして、4年次では、各自テーマを設定して、1年間をかけて卒業論文に取り組み、大学で の学びの成果とします。卒業論文は、地道で根気のいる取り組みですが、大学で学んだこと の証しになるため、本ゼミでは卒業論文に力を入れて取り組みます。
なお、矢口ゼミを希望する場合には、ビジネス・ケース実習や経営学実習(実務家招聘講 座)などの実践系履修を必須としています。ゼミでは、知識修得、論理的思考能力、質問力な どを養いますが、そのような力を実践系科目を通して伸ばしていくためです。ハードなゼミか もしれませんが、皆さんの成長を一生懸命支援していきます。
2013年度:第3回復興構想インゼミ参加(於 東北大学)
東北・北海道経済学生ゼミナール発表大会参加(於 東北学院大学)
2014年度:第4回復興構想インゼミ参加(於 関西大学)
2015年度:第5回CSR構想インゼミ参加(最優秀賞受賞、於 八王子セミナーハウス)
2016年度:第2回石巻市創業ビジネスグランプリ参加(優秀賞受賞)
▶主な担当科目/アントレプレナーシップ、起業論Ⅰ・Ⅱ、リーディング&ライティング
▶研究室/6号館506
▶オススメの本
中村邦夫(2006)『「幸之助神話」を壊した男』日本経済新聞出版、ISBN:9784532193645
市川伸一(1997)『考えることの科学』中公新書、ISBN:9784121013453。
【ゼミの学習内容】
アントレプレナーシップやアントレプレナーという言葉は、私たちにとって身近なものになってきたと言えるでしょう。アントレプレナーシップは「起業家精神」、アントレプレナーは「起業家」と訳されるのが一般的ですが、アントレプレナーシップの本来の意味は、起業家の精神だけに関するものではありません。時代と社会の変化に対応しながら、能動的に新たな試みに挑戦しようとする起業家的な活動のすべてに関わります。ゼミでは、今後ますますアントレプレナーシップを持つ人材の存在が必要となる中で、これからの時代に求められる起業家的資質・能力について、アントレプレナーシップに関する歴史研究・事例研究を参照しながら皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
【ゼミ参加学生への要望】
(1)しっかりと厳しく勉強するゼミです。知的好奇心のある学生の参加を希望します。 (2)毎週のゼミでは、遅刻・無断欠席を厳禁とします。(3)大学での勉強の楽しさを共有したいと思います。またゼミ生同士の友好が深まることも期待しています。
▶主な担当科目/マーケティングⅡ(A)・Ⅱ(B)
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
田中洋『課題解決!マーケティング・リサーチ入門』(ダイヤモンド社)
守口剛ら『消費者行動の実証研究』(中央経済社)
山口一成・池内裕美『消費者心理学』(勁草書房)
小宮あすか・布井雅人『Excelで今すぐはじめる心理統計 第2版 簡単ツールHADで基本を身につける』(講談社)
芹澤連『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題』(日経BP)
山田典一『データ分析に必須の知識・考え方 認知バイアス入門』(ソシム)
このゼミではマーケティング・リサーチと消費者行動について取り扱い,データから売れる商品はどのようなものか,そして消費者の心理や行動の特徴について理解することを目的とします。まず,マーケティング・リサーチというと,あまりピンとこないかもしれませんが,アンケートや質問紙調査を思い浮かべると分かりやすいかと思います。簡単なように見えますが,サンプルサイズ設計や項目の選定,適切なワーディング等,調査票の作成を一歩間違えると何の意味も持たないデータとなってしまいます。そのために,2年次の総合演習や3年演習では,文献の輪読と具体的な定量調査を通じて,適切な調査,適切なマーケティング・リサーチの知識と技法を身につけてもらいます。次に,消費者の心理や行動について,心理学,特に社会心理学の領域の知見をベースに,その理解を深めていきましょう。例えば,新型コロナ感染症の流行が始まってすぐに,消費者が買いだめに奔る様子が報道されました。そして,過去には災害(東日本大震災など)の影響から,特定地域産の商品の買い控えも生じました。他にも,最近では消費者を騙したり,サービスの解約が難しくなるようなUI(ユーザーインターフェース)を仕掛けるといった,欺瞞的なマーケティング「ダークパターン」も消費者行動論で問題となっています。このような消費者の心理や行動の傾向,そして消費者としての自分自身を守る方法について,1年次の基礎演習や3年演習で,文献購読と調査データからその傾向と原因について考えていきましょう。そして,皆さんには身につけた能力と知識を元に,興味のあるテーマを取り上げ,4年演習で卒業論文をまとめてもらうことになります。一緒にゆるゆると,楽しく学んでいければなと考えています。
▶主な担当科目/商業史Ⅰ・Ⅱ、 商業政策論
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
斎藤善之ほか著 『「商い(あきない)」からみた日本史』(PHP・2000年)
斎藤善之編著 『新しい近世史・第3巻・ 市場(しじょう)と民間社会』(新人物往来社・1996年)
経営者や商人の人間研究を行います。3年前期は社史研究(グループで調査発表)3 年後期は地域の経営者や商人に少人数で聞き取り調査を行います。その結果は手作り で作成する報告書にまとめ、市民向け報告会を行って発表します。4年は自分でテーマを 決めて卒論研究を行います。4年終了時には卒論集を作成しゼミ後輩に向けて卒論報告 会を行います。ゼミの行事として、懇親会(コンパ)、夏合宿、3年4年合同芋煮会、現地町 歩き調査、市民向け報告会、卒論報告会などがあります。
自分たち(個人・グループ)で町に出て調査をする、実際に経営者や商人に聞き取り調 査をすること、またゼミでは報告(レジュメ型・プレゼン型)をする機会があり、人前でス ピーチしたり報告する体験を積み、技術と度胸を鍛えます。また本ゼミのほか、グループ 単位で調査や報告準備をするサブゼミ活動も活発に行われています。
▶主な担当科目/流通論、サプライチェーン・マネジメント
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
入山 章栄 (2019)『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)
米倉 誠一郎, 清水 洋 (2015) 『オープン・イノベーションのマネジメント』(有斐閣)(e-bookはココ、e-bookの閲覧方法はココ)
皆さんが子供の時と今を比べてみると様々な変化があったことに気づくと思います。変化したものは多いですが、全体的に見ると徐々に複雑かつ不確実性が高くなる流れになりつつあると言えます。この流れの中、企業は生存するため、協力と競争を繰り返しています。価値創造を高めるための、企業間関係構築の仕方、企業間のつなぎ方、仲間の増やし方について考えることがこのゼミのテーマとなります。
このゼミでは流通論、戦略論、イノベーション論などの経営学理論から毎年テーマを決め、テキストを輪読しながら理解を深めます。また、理論の理解だけにとどまらず、その理論を活用し、分析を試みることをこのゼミでは目指します。分析した内容をゼミで発表することにより、社会で求められるプレイステーション能力の成長も期待します。また、他人の発表を聞き、それに対する自分の意見を述べることで、もっと発展的な議論ができるゼミにしていきたいと思います。ゼミでの議論は卒業論文や事例分析のレポートを執筆することで実を結ぶことになります。
ゼミでは調査、発表、意見交換が繰り返されることになります。何か自分で調べたい、自分が知っていることを他人に伝えたい、他の学生とコミュニケーションを取りたいと思う学生の参加を待っています。ゼミではやることも多く、きつい時もあるかもしれませんが、ゼミ活動を通じて培った能力が皆さんの社会進出、そしてその後の活躍にも役立つようなゼミにしていきたいと思います。皆さんの挑戦を期待しています。
▶主な担当科目/情報処理概論Ⅰ・Ⅱ、 統計学概論Ⅰ・Ⅱ
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
西内啓 『統計学が最強の学問である [実践編]』 (ダイヤモンド社)
私のゼミでは、「データサイエンス入門」というテーマで、ビジネスの現場に存在する 題材を用いてデータ分析の手法を学修します。そして、データに基づく根拠を示して自 分の考えを説明できる能力を修得することを目的としています。
ビジネスにおいて、データ分析の活用機会は増加しています。その背景には、インター ネットの普及と情報技術の進歩に伴い、多種多様で大量のデータ、いわゆるビッグデー タの蓄積が進んでいることがあげられます。そのようなデータは資源と考えられ、そこから価値を創造し、データに基づく意思決定ができる人材が求められています。
しかし、データだけあっても、その適切な処理知識がなければ、データから有益な価値 を生み出すことはできません。データを扱うスキルを有している人は他の人よりも優位 な立場に立つことができます。なぜなら、一見、数値や文字の羅列であるデータを実際に 役立つ情報に変換し、価値を創造できる方法を知っているからです。このスキルはビジ ネスにおいても必須のスキルです。ビジネス上の複雑な課題に対処するために得られた 多種多様なデータを分析することによって、そこから有益な情報や方針を導き出し、適切 な意思決定の提案をすることができるからです。
▶主な担当科目/サービス・マネジメントⅠ・Ⅱ
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
トム・コネラン (2014)『ディズニー7つの法則(新装版))』日経BP
森岡 毅 (2016)『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』KADOKAWA
このゼミでは、観光に関わる様々なサービス(温泉、旅館やホテル、テーマパーク、グルメやスイーツ、鉄道や航空、動物園や水族館、美術館や博物館、お土産など)を対象に、「観光サービスのマーケティング・マネジメント」をテーマにグループで調査・研究を進めます。人気のある観光サービスは何が違うのか調査し、マーケティングや経営学の視点から考えをまとめ、プレゼンテーションします。テーマの選び方、先行研究レビュー、調査方法の選定、調査の方法、結果のまとめ方と分析、考察、発表の方法といったステップ毎に教員による説明とゼミ生のグループワークを通じて、4年次に個人で行う卒業研究のための基本を修得します。このゼミでは、実際に調査対象の現場に行き、見て、試す調査・研究プロセスを重視します。そのため、グループで決めた研究テーマの調査対象の現場に行く、あるいは、ゼミで調査対象を一つ決め、グループ毎にそれぞれテーマを決めて、様々な視点から調べるフィールドワークの方法を学ぶ機会を設けます(参加任意、各自実費負担)。また、ゼミでは不定期に将来の働き方についてワークショップを行い、早い時期から就活への意識を高めながら、着実に成長できるよう和やかにゼミ活動を進めます。
▶主な担当科目/マーケティングI(A)・I(B)
▶研究室/1号館8階
▶オススメの本
山田一成・池内裕美(編著)(2018)『消費者心理学』 勁草書房
山岸俊男(1998)『信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム』 東京大学出版会
このゼミでは、マーケティング、とくに消費者行動や消費者心理に注目しながら、データを重視した実証的な研究に取り組みます。マーケティングは、生産者(商品)と消費者をつなぐ大切な役割を果たします。そのためには、「消費者が何を求め、何を必要としているのか」を理解することが欠かせません。具体的な答えは商品やジャンルによって異なりますが、その背後には人々の心理や意思決定に共通する原理が存在しています。
また、俗説や思い込みに流されないためには、科学的な証拠に基づいた文献の読み解き方や、現実の消費者行動をデータで可視化・分析する力が重要です。このゼミでは、消費者行動や消費者心理に関する研究の進め方を、以下のようなステップで一緒に学んでいきます。
文献検索
研究デザイン
データ収集
統計分析
プレゼンテーション
3年生の前半では、消費者行動や消費者心理に関する理論や研究の具体例を学び、後半では模擬的に調査や研究を実践してみます。そして4年生になると、自分が興味を持ったテーマについて1から研究を設計し、データを集めて分析し、卒業論文として仕上げていきます。
取り組む内容は少しチャレンジングに感じるかもしれませんが、将来マーケティングやデータ分析に携わる仕事を目指す場合はもちろん、一消費者として自分を深く理解するための貴重な機会にもなるはずです。ぜひ、一緒に学びながら研究に挑戦してみましょう!
▶主な担当科目/財務会計論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
▶研究室/6号館5階
▶オススメの本
夏目漱石『私の個人主義』(講談社)
桜井久勝『財務会計講義』(中央経済社)
福井義高『たかが会計:資本コスト、コーポレートガバナンスの新常識』(中央経済社)
このゼミでは、このゼミでは、「財務会計論Ⅰ・Ⅱ」「ファイナンス」などの授業で学んだ知識や、「財務会計論Ⅲ」(2022年度入学者までは「連結財務諸表論」)「財務諸表分析」「コーポレート・ファイナンスⅠ・Ⅱ」などの授業で学ぶ知識を活用しながら、財務会計・ファイナンスに関するデータ分析とレポート・論文作成を行います。
3年次の前期には、財務会計・ファイナンス領域の中で各自が興味をもったテーマについて、個人で6,000字程度のレポートを執筆します。授業中の作業は、レポートの書き方に関するテキストの内容に沿ったペアワーク(各自で作成してきたアウトラインやレポートを見せ合ってコメントしあう)が中心となります。
3年次の後期には、コンテスト形式の株式学習プログラムである「日経STOCKリーグ」に参加します。3~5名ずつの班に分かれて、バーチャル株式投資、投資テーマの決定、株式投資銘柄のスクリーニング、ポートフォリオのパフォーマンス評価、レポート(20,000字程度)の執筆を行います。学内または他大学との合同ゼミを行う可能性もあります(受講者と相談のうえ決定します)。
4年次には、個人で卒業論文(20,000字以上)を執筆します。具体的には、先行研究を渉猟したうえで、リサーチ・クエスチョンを設定して仮説を立て、その仮説をデータに基づいて検証してもらいます。
ゼミ運営方針は「厳しいけれど、楽しく、ためになるゼミ」です。毎週、全員に事前課題がありますし、ゼミ中は全員の発言を求めます。ゼミ活動を最優先し、その中で恥をかいてでも自分を高めたい人をお待ちしています。
▶主な担当科目/現代企業課税論
▶研究室/6号館5階
▶オススメの本
S.I ハヤカワ『思考と行動における言語』(岩波書店)
伊丹敬之『創造的論文の書き方』(有斐閣)
ゼミの課題は、会計と税務の研究です。基本的には、テキスト『アカウンティングトピックス』を用いて、ディスカッション形式で進めていきます。
税理士・会計士になりたい人、会計・税務に関心がある人、普通でいいから正直に生きたい人、何をやりたいかまだ分からない人、とにかく、情熱がある人を求めます。合宿をしたり、飲みに行ったり、ボーリングをしたりして、親睦も深めます。ですから、大学生活を充実したものにしたい人も、大歓迎です。
簿記を学習し、計算問題を解き、精算表を作成するといった作業だけでは、大学生は面白みを感じないと思います。大学生ぐらいの年代になると、理論や議論ができる課題を学習したいのではないでしょうか。他の学問領域と同様に、もちろん会計・税法にも理論や議論があります。このゼミでは、会計・税務に関する理論的な側面を対話形式で、楽しみながら、学習していきます。
▶主な担当科目/工業簿記、管理会計論
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
伊丹敬之(2016)『現場が動き出す会計 人はなぜ測定されると行動を変えるのか』日本経済新聞出版社
澤邉紀生・吉永茂(2020)『会計事務所の経営支援 経営会計専門家の仕事』中央経済社
ゼミのテーマは会計学、中でも経営管理のための会計である管理会計です。経営者は企業の経営にあたって様々な情報を活用します。それに対して管理会計の分野では、経営者の要求に応じた(主として会計)情報を提供する様々な技法が提案されています。
3年生のゼミでは管理会計に関する書籍を読み、既存の知見を学習します。管理会計について広く取り上げた書籍と、原価企画やアメーバ経営、組織間コストマネジメントなど、特定のテーマについて取り上げた書籍の2冊を読むことを基本とします。また管理会計は企業の内部で実施されるため、外部からその様子が観察しにくいという特徴があります。そこでいくつかの技法について仮想的に再現することで、体験を通じて知識を定着させることを目指します。4年生のゼミでは卒業論文を執筆します。
管理会計の面白いところは、会計に対して抱かれることの多いイメージとは異なり、それが社会的法規制に影響されず、経営者にとっての有用性に対応して形作られる点だと思います。ゼミを通じて経営者のどのような要求に対してどのような技法があり得るのか、またどういった要素は不要なのか、という分析の視点を獲得することを目指しましょう。
実際に演習を受講した学生さんの感想を紹介したいと思います。
佐久間ゼミでは主に、指定された財務会計関連のテキストを参考にしながら要約をレジュメ にまとめ、論点についてディスカッションをしました。少人数のゼミだったので、より深いところ まで議論ができたことが知識の幅を広げるのに役立ちました。またレジュメを作成していく中 で文字を打つスピードが早くなったり文章をまとめる力が上達したりと、自身のレベルアップに も繋がりました。佐久間先生はとてもフレンドリーな方(あくまで個人の意見)なので、ゼミ自体 も楽しく進めることができました。財務会計の知識をもっと深めたい人にオススメのゼミだと 思います。
東北学院生も泣くほど(いろいろな意味で)の授業を君に! 本気で勉強したい、在学中に何か実になることを掴みたい、今までの自分を変えたいと思う学生におすすめ! 必要なのは、や る気!元気!根気!そして、NINN・TAI☆ 体感するだろう。これまでにない講義を!! 迫りくる提出物の締め切り!そびえ立つは、分厚い参考書! 数多の困難のその先に、身につくスキルは処世術!パソコンスキルも上達するかも! 全ての講義が終わる頃には、君もクリティカルな考え方に! さぁ君は、この授業の単位を修得することが出来るか。。。。。 日商簿記2級程度の事前知識があるとなお良し! このゼミでは、財務会計のいろは、経済学、マーケティングをしっか り学べます! また資料の要約や発表等も行うので、読解力やプレゼン能力も養えます!!
▶主な担当科目/ 財務諸表分析
▶研究室/ホーイ記念館5階
▶オススメの本
桜井久勝『会計学入門<第5版>』(日本経済新聞出版社)
沼田嘉穂『簿記教科書』 (同文舘出版)
福井義高『会計測定の再評価』(中央経済社)
このゼミでは、「この企業にはどのような特徴があるのかな?」「この企業の株式を買っ ても大丈夫かな?」といった疑問に対して、会計やファイナンスを用いて解決することを テーマとしています。具体的には、企業が公表している財務諸表を使って、企業を分析・評 価する方法を学び、それを使って投資の意思決定を行っていきます。企業の外部にいる “投資家”の立場から、企業を客観的に分析するというイメージです。
2年間のゼミの具体的な流れとしては、まず3年生の前半では、企業を分析・評価する 手法として財務諸表分析や企業価値評価の方法を学びます。その際、通常の授業のよう に一方的に講義を聞くというのではなく、一冊の本をそれぞれ順番に担当者を決めて報 告し、それに対して議論し合うという、皆で一緒に学んでいくという形式をとっています。 後半は、日本経済新聞社主催の株式学習コンテスト「日経STOCKリーグ」に参加し、前半で学んだことの実践を行います。内容としては、グループ(3~5人)ごとに学んだ分析方法などを用いて、どこの企業の株式を購入するのか、実際に意思決定を行い、最終的に1 つの研究レポートとしてまとめます。そして、そのレポートで全国の猛者たちと戦います。
そして4年生では、1年かけて卒業論文(卒論)の執筆を行います。せっかくゼミで1つ のことをより深く学ぶわけですから、その学んだ証を形として残してほしいと思います。 「大学時代はこういうことを学んだんだよ!」と将来子供にも自慢できるような素敵な論文 を書いてほしいと思っています。
勉強はもちろんですが、その他の活動も基本的には自由です。2025年度は、新歓コンパ、合同ゼミ(経済学部/他大学)、追い出しコンパなどを行いました。ゼミの主役は皆さんですので、皆さ んが中心となって様々なイベントを企画し、勉強も遊びも充実したゼミにしてもらえれば と思います。
本ゼミでは、「金融経済学の基礎を学び、実践すること」をテーマとしています。金融経済学とは「結果が不確実な状況における意思決定」を扱う学問分野です。
例えば、試験前に時間が限られている場合、「特定の分野に絞って勉強する」のか「全体を広く浅く勉強する」のか選ばなければなりません。このような選択も、実は金融経済学の意思決定問題に当たります。ヤマをはれば高得点を狙える反面、外れるリスクもあります。一方、ヤマをはらなければ安定して点を取れるかもしれませんが、高得点は難しくなります。したがって、合格点など他の条件がない場合、ヤマをはって「ハイリスク・ハイリターン」を目指すのか、ヤマをはらずに「ローリスク・ローリターン」で満足するのか、は試験を受ける個人の美学や価値観によって決まると言えそうです。
やや身近な例を挙げましたが、試験の点数が出題問題に依存するように、結果が不確実な状況では一般論として、選択した行動が「正解」なのかどうかは「将来」にならないとわかりません。それでも私たちは、実現する結果が分からない「現在」に意思決定しなければならないため、「客観的に正しい」選択肢を選ぶことは困難であり、「主観的に正しい」選択をするしかないのです。しかしながら現実社会では、例えば、やはり価格が上昇するかどうかわからない「株式投資」において、他者に投資を薦める「金融商品仲介業務」などが仕事として成立している。これは考えてみれば不思議なことであり、学問的に見て論理的なのか、という疑問が湧いてくるのではないでしょうか?金融経済学を学ぶことで、このような重要な問題について考え、答えることができます。
数式を多く用いるため、扱う内容はやや堅いですが、雰囲気は明るいゼミにする予定ですので、金融経済学の理論をしっかりと学びたい方の参加をお待ちしています。
▶主な担当科目/税務会計論
▶研究室/6号館5階
▶オススメの本
小塚真啓 編著『高校生のための税金入門』(三省堂、2020)
司馬遼太郎『街道をゆく』(朝日新聞出版、1971〜1996)
このゼミでは、税務会計と租税法に関する基礎的な理解を深め、学習を進めていきます。はじめに、「どうして会計と法律が関係あるのか?」と疑問に思う学生さんもいらっしゃるでしょう。簡潔に述べると、税務会計は、企業の税金(法人税)がいくらになるかを計算するためのものです。企業の視点としては、なるべく税金を安くしたいと思うでしょうし、国や地方公共団体は、なるべく税金を多く取りたいと思うかもしれません。これらの計算構造は法人税法などの規定に従って行われるもので、会計と法律の理解が重要となります。
また、租税(法)はあらゆる経済活動に隣接・関連しており、私たちの社会生活において決して無視することのできないものです。税務会計は租税法のなかでも企業の税に深く関係する法人税法に焦点を絞った学習が基本となりますが、時として所得税法や消費税法、相続税法などにも関連してくることとなり、みなさんが社会に出ていくにあたって重要な視点のひとつです。これらの理解を総合的に深めていくのが本ゼミの特徴になります。
本ゼミでは、3年次のゼミでわが国の税務会計や租税法の基本原則など、各租税法律の概要と基本的考え方についてグループワークや報告を通じ学び、4年次ゼミでチャレンジする卒業論文の準備を行なっていきます。
4年次のゼミでは、3年次のゼミで学んだ税務会計及び租税法関する知識を基にして、皆さんが設定したテーマの卒業論文を執筆・完成することに取組んでいきます。具体的には、各自がテーマに関する報告し、ゼミのみんなで討論を行い、卒業論文の執筆を進めていきます。また、必要に応じて個別指導を行い、研究や学生生活のサポートをします。
また、履修者のニーズに応じて、企業の担当者、行政当局、弁護士・税理士・会計士などの専門家をゲストスピーカーとして招聘することや、他大学のゼミとの交流などを予定しています。
▶主な担当科目/ファイナンス、金融論、 キャリア形成論
▶研究室/法科大学院・ 総合研究棟7階
▶オススメの本
駒村康平他(2021) 『みんなの金融―良い人生と善い社会のための金融論』新泉社
勝盛政治(2019)『初めての資産運用』パンローリング
小林孝雄他(2009) 『新証券投資論(理論編)』日本経済新聞出版
私のゼミでは、幾つかのプロジェクトに仲間と共に取り組みながら、体験的にファイナンスを学んでいきます。
たとえば株式投資をするために企業調査を行う「銘柄選択プロジェクト」では、数人のチームで 投資をする企業を選んでいきます。そしてこのプロセスを通じて業界動向、経営戦略、財務分析、株価の評価方法などを体験的に学んでいくことができます。
また最近力を入れて取り組んでいるのが「クラウドファンディング」という新しいファイナンスに関するプロジェクトです。クラウドファンディンとは、現実の社会問題を解決するために生まれた新しいファイナンスの方法であり、日本でも東日本大震災で被災した企業の復興を支援するために使われるようになってきました。ゼミでは実際にクラウドファンディングを使っている人たちに取材をしながら、より効果的なクラウドファンディングの利用方法を考えて、それを提案するという活動も行っています。
こうした研究の成果について、これまでインターゼミナール大会、証券研究学生連盟の全国大会などで発表することもありました。これからも「仲間と共に何かに取り組みたい」という学生のみなさんが活躍し、成長できるような場を創っていきたいと思っています。
ゼミの様子
社会人OG・OBとの交流