◆ぜひ感想をお聞かせください
https://forms.gle/ekai55aDnmzxHLzh6
◆紹介文献
S. Matsui, et al., Sex Disparities in Receipt of Bystander Interventions for Students Who Experienced Cardiac Arrest in Japan, JAMA Netw Open. 2, e195111 (2019)
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2019.5111
K. Kiyohara, et al., Gender disparities in the application of public-access AED pads among OHCA patients in public locations, Resuscitation 150, 60 (2020)
https://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2020.02.038
◆概要
公共の場で心停止を起こした人を救命するには、現場に居合わせた一般市民が心肺蘇生を実施し、AED(自動体外式除細動器)を使用することが重要です。しかし、倒れたのが女性だった場合、躊躇なくAEDを使用することができるでしょうか?実際に心停止患者にAEDが使用される割合に男女差があったのかどうかを実態調査した研究を2つ紹介します。ひとつは日本の小・中・高校の構内で起こった児童生徒の心停止を対象にした研究で、もうひとつは大阪市の公共の場で起こった全ての心停止を年齢で分けて検討した研究です。これらの研究結果の紹介に加えて、女性にAEDをためらわず使用できるように改善していくにはどのような取り組みが必要かについてもディスカッションできればと思います。
◆紹介文献
J. Jumper et al., Highly accurate protein structure prediction with AlphaFold, Nature 596, 583 (2021)
https://doi.org/10.1038/s41586-021-03819-2
◆概要
コンピュータ囲碁プログラムAlphaGoなど革命的な深層学習技術を開発してきたDeepMind社がサイエンス分野に大きな衝撃を与えたのが、生物を構成する基本分子であるタンパク質の3次元構造を原子分解能で正確に予測するソフトウェアAlphaFoldです。AlphaFoldは「50年にわたる生物学の未解決問題」を解決したものであり、Science誌の「2021 BREAKTHROUGH OF THE YEAR」の断トツ1位にも選ばれました。生物学はいま、どこへ行こうとしているのでしょうか?生物学と情報科学の融合分野であるバイオインフォマティクス分野で15年以上研究を続け、日本バイオインフォマティクス学会会長やInternational Society for Computational Biologyの理事なども歴任してきた岩崎が私見を交えて解説します。
◆参考文献
岩崎渉.機能未知遺伝子の機能を推測するバイオインフォマティクス:AlphaFoldから遺伝子誕生学へ.日本微生物生態学会誌 (2022)
小野悠
https://researchmap.jp/harukaono
第3回 2022年10月29日(土) 9時
再配信希望は motoaki.bamba@g.jaas.science まで連絡ください
◆紹介文献
小野 悠, 城所 哲夫, インフォーマル市街地の土地配分プロセスと土地所有メカニズム: ナイロビのインフォーマル市街地における空間マネジメントに関する研究(2), 日本建築学会計画系論文集 84巻 755号 179頁 (2019)
https://doi.org/10.3130/aija.84.179
Haruka Ono andTetsuo Kidokoro, Process and mechanism of land acquisition and land tenure security in informal settlements in Nairobi, Japan Architectural Review 4, 168 (2021)
https://doi.org/10.1002/2475-8876.12204
◆概要
法制度の枠外で自然発生的に形成される「インフォーマル市街地」(スラムとほぼ同義)は、地球規模課題のひとつとして長年にわたって世界的な取り組みがなされてきました。現在、全世界で10億人がインフォーマル市街地に居住し、その数は今後も増えることが見込まれています。
学生時代にバックパッカーとして単身、アジアや中東、アフリカ、南米など約70カ国を旅して回った小野は、工学的アプローチと人類学的アプローチを組み合わせることで、アフリカの近代化された都市の外側に広がるインフォーマル市街地の空間生成原理の解明を試みてきました。今回は、市街地の空間形態を決定づける一つの要因である「土地の所有」に着目します。土地を所有するとはどういうことなのか、人々の実践から明らかにしていきます。
◆概要
ウイルス自体に攻撃性があるという考えが広く受け入れられ、その考えに基づく研究も盛んに行われている。ヒトヘルペスウイルスは多くのヒトに感染しているが、多くの場合には問題を起こさない。しかし、稀に重傷症例が発生する。その背景に、生来の免疫機能異常(Inborn Errors of Immunity; IEI)があることが分かってきた。つまり、他のウイルスなどには正常に免疫が機能していても、特定のヒトヘルペスウイルスに対してだけ異常が発生し、重傷症例が出てくるというものである。IEIは研究が始まってまだ10年ほどだが、研究が今後発展することで、新たな診断法の開発や治療ターゲットの同定などにつながると期待される。(馬場基彰執筆)
◆参考文献
Jean-Laurent Casanova and Laurent Abel, Lethal Infectious Diseases as Inborn Errors of Immunity: Toward a Synthesis of the Germ and Genetic Theories, Annual Review of Pathology: Mechanisms of Disease 16, 23 (2021)
◆紹介文献
X. Li, M. Bamba, et al., Observation of Dicke cooperativity in magnetic interactions. Science 361, 794 (2018)
https://doi.org/10.1126/science.aat5162
M. Bamba, X. Li, N. Marquez Peraca, J. Kono, Magnonic superradiant phase transition. Commun. Phys. 5, 3 (2022)
https://doi.org/10.1038/s42005-021-00785-z
◆概要
磁場ってご存じでしょうか?磁石から出ていますよね。実は、「光」って磁場(と電場)からできています。電磁波というものの一種です。両者の違いは、磁石の磁場は止まっているのに対して、光の磁場は振動しながら伝搬していることです。止まっている磁場と動いている磁場、150年前は統一した理論で理解することができていました。しかし、その後の研究開発で、両者の理論は全く異なるものに枝分かれしてしまいました。2つの理論をもう一度繋ぎ直すことで、誰も見たことのない新たな現象を発見し、社会に新たな価値を産み出そうと考えて研究しています。2つの理論を繋ぎ直す鍵となるのが、超放射相転移と呼ばれる現象です。約50年前に予言されたのですが、これまで観測されたことがありませんでした。今回紹介する研究は、光の代わりに磁気的な波を使えば同じを起こせることを示したものです。この研究を起点として、50年前に予言された本来の超放射相転移を発見したり、加熱しただけでレーザー光が出るようなさらに新しい現象を見つけたりしていこうとしています。
◆紹介文献
Visible Learning A Synthesis of Over 800 Meta-Analyses Relating to Achievement
https://www.routledge.com/Visible-Learning-A-Synthesis-of-Over-800-Meta-Analyses-Relating-to-Achievement/Hattie/p/book/9780415476188
◆概要
学力にもっとも影響を及ぼす要因とは何か。このような問いを量的に解決しようとしたのがこの研究です。
これまでにも学力の向上を目指した授業実践の研究は世界中で数多く行われてきたのですが、それらの知見を統合することができていませんでした。
著者のハッティは、世界中の研究(800件超)を収集し、統計的手法を用いて学力に影響を及ぼす要因(指導方法、クラス編成、家庭環境など)を明らかにしました。
この研究の特色はメタ分析と呼ばれる統計的手法を用いて、各要因の効果を量的に統合し、比較可能な指標で示したことです。
現在もこのプロジェクトは進められており、こちらのサイトで最新情報を確認することができます。
当日の発表では、この研究の成果と課題のほか、この研究が教育研究に投げかけたことや、日本の教育研究への影響などについてお話したいと思います。
◆参考文献
【訳書(ただし一部)】教育の効果 メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化
http://www.toshobunka.co.jp/books/detail.php?isbn=ISBN978-4-8100-7686-8
◆紹介文献
Karen G. Lloyd, Andrew D. Steen, Joshua Ladau, Junqi Yin, Lonnie Crosby, Phylogenetically Novel Uncultured Microbial Cells Dominate Earth Microbiomes, mSystems 3, e00055-18 (2018)
https://doi.org/10.1128/mSystems.00055-18
Donovan H Parks, Maria Chuvochina, Christian Rinke, Aaron J Mussig, Pierre-Alain Chaumeil, Philip Hugenholtz, GTDB: an ongoing census of bacterial and archaeal diversity through a phylogenetically consistent, rank normalized and complete genome-based taxonomy, Nucleic Acids Research 50, D785 (2022)
https://doi.org/10.1093/nar/gkab776
◆概要
微生物は地球環境のあらゆる環境に生息しており、その数は地球全体で10の30乗〜31乗とも見積もられています。古典的には微生物を調べるために分離・培養のプロセスを経てその生理や生態が研究されてきましたが、環境中の微生物は99%が培養できないとされ、こういった微生物は「微生物ダークマター」と呼ばれてきました。しかし、ここ10〜20年の急速な遺伝子解析技術の発展により、培養を介することなくその遺伝子を調べたり、様々な環境サンプルから直接遺伝子を抽出し、そこに含まれるすべての遺伝子情報を取得・解析するということが可能となってきました。
では、「様々な環境」それぞれを見てみた場合、微生物ダークマターが多く存在している環境はどんなところなのでしょうか?ヒト(腸内など)、海水、炭水、堆積物、温泉、熱水噴出孔などの環境ごとに「培養されたグループ」「未培養なグループ」にわけてみていくと、ヒトに関連する環境ではすでに培養されているグループが多数であるのに対し、自然環境では未培養なグループが多数派を占めています。
今回の論文にある図表は比較的少数で、主張もシンプルです。それを眺めながら関連する「微生物ダークマター」の研究についてお話ししたり、なぜタイトルが「新種の微生物」ではなく「新規の微生物」としたのかあたりにも触れて近年の動向をお伝えできればと思います。
◆紹介文献
Asako Yamayoshi, Shota Oyama, Yusuke Kishimoto, Ryo Konishi, Tsuyoshi Yamamoto, Akio Kobori, Hiroshi Harada, Eishi Asihara, Hiroshi Sugiyama and Akira Murakami, “Development of Antibody–Oligonucleotide Complexes for Targeting Exosomal MicroRNA”, Pharmaceutics, 12(6), 545 (2020)
https://doi.org/10.3390/pharmaceutics12060545
◆概要
「副作用の無い薬を作りたい!」と思ったことが、私が研究者を目指したキカッケでした。大学で配属された研究室で、「遺伝子(核酸)に由来する疾患を人工核酸により治療する」という「核酸医薬」と呼ばれるコンセプトに触れ、それから核酸一筋です。I Love 核酸、です。しかし、素晴らしい機能を持った人工核酸を開発しても、それを細胞内に導入しようとすると、これが難しい。なぜかと言いますと、核酸医薬は従来型の低分子医薬品とくらべると分子量が高く、また、細胞には外来性遺伝子の侵入を防ぐ機構が備わっているからです(これが抗ウイルス効果には良いのですが)。当日は、核酸医薬の概説と、私が最近開発した「核酸医薬を細胞内に送達する手法」についてご紹介できればと思います。
◆参考文献
Ayuko Hosono et al., “Tumour exosome integrins determine organotropic metastasis”, Nature, 527(7578), 329-335 (2015).
https://doi.org/10.1038/nature15756
◆紹介文献
小池誠,マイクロ波聴覚刺激の概説-電波が聞こえるというパラダイムに転換-,情報処理学会研究報告,vol.2016-MUS-111, no.35, pp.1-7, May 2016.
小池誠,電波妄想とマイクロ波聴覚効果を巡る科学リテラシー,第40回日本社会精神医学会 プログラム・抄録集,pp.145-145, 2021年3月4日.
◆概要
電波は聞こえないと一般社会で信じられているが、電波の一種であるマイクロ波は波形が矩形波のときに音として聞こえ、マイクロ波聴覚効果と命名されている。矩形波のマイクロ波が頭部に照射されると、頭部でマイクロ波が音波に変換し、この音波が頭部組織を伝搬し、骨伝導で聞こえる。
ところで、マイクロ波聴覚効果は疑似科学という誤解を受けることが多々あるのだが、この誤解の原因は、矩形波のマイクロ波が頭部で音波に変換する機構が、簡単に理解できない点にある。
媒質に急激な圧力変化があると、媒質に音波が発生するのは一般的な原理であるが、媒質の急激な熱膨張によって発生する音波は熱弾性波という。矩形波のマイクロ波が頭部の組織内液及び組織外液を瞬間的に加熱することにより熱弾性波が発生し、この熱弾性波が骨伝導で聞こえる。
頭部の組織内液及び組織外液が急激に熱膨張するという点がポイントになるのだが、この点について、パルス照射時間という極めて短い時間における温度上昇速度という観点から説明する。
◆発表題目
分子の振る舞いから脳の仕組みを探る
◆発表者
坂内博子
https://researchmap.jp/hirokobannai86
◆日時
2022年12月23日(金) 21時
◆紹介文献
Bannai H “Molecular membrane dynamics: Insights into synaptic function and neuropathological disease”Neuroscience Resaerch, 129: 47-56 (2018) https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168010217302274
◆概要
私たちの記憶は何十年も保たれますが、脳を構成する部品であるタンパク質や脂質は一生を通じて常に入れ替わっており、その部品寿命は数日、長くても1ヶ月程度です。常に部品が入れ替わっているなかで、どのように脳という構造が保たれ、記憶・学習・思考といった高次の機能を果たすことができるのでしょうか?本発表では、脳に記憶が保存される仕組みを細胞・分子のふるまいから読み解く研究を紹介します。
◆参考文献
Bannai H, Lévi S, Schweizer C, Dahan M, *Triller A. “Imaging the lateral diffusion of membrane molecules with quantum dots.”
Nature Protocols 1:2628-2634. (2006)
http://www.nature.com/nprot/journal/v1/n6/full/nprot.2006.429.html
Bannai H, Lévi S, Schweizer C, Inoue T, Launey T. Racine V, Sibarita J.B, Mikoshiba K, Triller A.
“Activity-Dependent Tuning of Inhibitory Neurotransmission Based on GABAAR Diffusion Dynamics”
Neuron 62:670-682. (2009) * Selected for Cover
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S089662730900347X
Arizono M, *Bannai H, Nakamura K, Niwa F, Enomoto M, Matsu-Ura T, Miyamoto A, Sherwood MW, Nakamura T, *Mikoshiba K. “Receptor-selective diffusion barrier enhances sensitivity of astrocytic processes to metabotropic glutamate receptor stimulation.”
Science Signaling 5: ra27. (2012) *Featured at Science Signaling Pod Cast
http://stke.sciencemag.org/content/5/218/ra27
Bannai H1, Niwa F1, Sherwood MW, Shrivastava AN, Arizono M, Miyamoto A, Sugiura K, Lévi S, Triller A*, Mikoshiba K*. (1: co-first author) “Bidirectional Control of Synaptic GABAAR Clustering by Glutamate and Calcium”
Cell Reports, 13: 2768-2780 (2015)
http://www.cell.com/cell-reports/abstract/S2211-1247(15)01414-X
◆発表題目
細胞のビッグデータ:細胞アトラスの現在と未来
◆発表者
山形方人
https://researchmap.jp/yamagatm
◆日時
2022年12月26日(月) 12時
◆紹介文献
山形方人(2020) https://bsd.neuroinf.jp/wiki/シングルセルRNAシーケンシング
Yamagata M, Yan W, Sanes JR. (2021) A Cell Atlas of the Chick Retina Based on Single-cell Transcriptomics.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7837701/
Yamagata M, Sanes JR. (2021) CRISPR-mediated Labeling of Cells in Chick Embryos Based on Selectively Expressed Genes.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8376491/
Yamagata M. (2022) Towards Tabula Gallus.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8775434/
Yamagata M. (2022) Chicken Cell Atlas: Science and DeSci.
https://jxiv.jst.go.jp/index.php/jxiv/preprint/view/182 (in press)
◆概要
一人のヒトは、37兆個の細胞からできていると言われる。ヒトの遺伝子DNA配列をすべて決定するというヒトゲノムプロジェクトは最近になってようやく完成し、個人ごとのDNA配列を知ることも安価になった。一方、この10年ほど、ヒトのひとつひとつの細胞レベルで遺伝子発現(mRNAの種類と量)を調べるシングルセルRNAシーケンシング(scRNA-seq)という技術が開発され発展してきている。そして、この技術を積極的に活用したヒト細胞アトラス(Human Cell Atlas, Tabula Sapiens)という地図作りが、ヒトゲノムに次ぐ21世紀のビッグサイエンスプロジェクトとして進行中であり、2023年には最初のVersion1.0が公表される予定である。37兆個あると言われるヒトの細胞には、筋肉細胞や免疫系細胞など様々な種類がある。いったい何種類あるのだろうか?特に複雑な脳にはどんな種類の細胞があるのだろうか?このアトラスには、mRNAの情報だけでなく、それぞれの細胞が持っているタンパク質、それぞれの細胞の形や位置などの空間情報も組み入れることで、病気を深く理解したり、創薬にも役立つものとなると期待されている。
一方、私はニワトリの目にある神経組織である網膜の細胞アトラス作りを行った。ヒトは3色分(赤緑青)の錐体を持つが、鳥類は紫外線も含めて4色分の錐体を持ち、1km先の昆虫を見つけることができるという猛禽類に代表されるように鳥類の視覚系は極めて優れている。ニワトリの網膜には、137種類以上の細胞種があることがわかった。この結果について説明し、神経回路をゲノム編集を利用して可視化する技術や動物進化と細胞の進化、更にはこのプロジェクトが目指す鳥類のNatural Intelligenceの理解という問題について簡単に紹介したい。
◆参考文献
Mukherjee S. (2022) The Song of the Cell: An Exploration of Medicine and the New Human (Scribner Press)
Zeng H. What is a cell type and how to define it? (2022) Cell. 185:2739-2755. doi: 10.1016/j.cell.2022.06.031.
◆発表題目
人はなぜ上が好きなのか?
◆発表者
山田祐樹
https://researchmap.jp/YukiYamada
◆日時
2023年1月13日(金) 12時
◆紹介文献
・Sasaki, K., Seno, T., Yamada, Y., & Miura, K. (2012). Emotional sounds influence vertical vection. Perception, 41, 875-877.
・Marmolejo-Ramos, F., Elosúa, M. R., Yamada, Y., Hamm, N., & Noguchi, K. (2013). Appraisal of space words and allocation of emotion words in bodily space. PLoS ONE, 8(12): e81688.
・Yamada, Y., Harada, S., Choi, W., Fujino, R., Tokunaga, A., Gao, Y., & Miura, K. (2014). Weight lifting can facilitate appreciative comprehension for museum exhibits. Frontiers in Psychology, 5:307.
・Sasaki, K., Yamada, Y., & Miura, K. (2015). Post-determined emotion: Motor action retrospectively modulates emotional valence of visual images. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 282: 20140690.
・Sasaki, K., Yamada, Y., & Miura, K. (2016). Emotion biases voluntary vertical action only with visible cues. Acta Psychologica, 163, 97-106.
・Marmolejo-Ramos, F., Correa, J. C., Sakarkar, G., Ngo, G., Ruiz-Fernández, S., Butcher, N., & Yamada, Y. (2017). Placing joy, surprise and sadness in space: A cross-linguistic study. Psychological Research, 81, 750-763.
◆概要
実験心理学において,上側空間とポジティブ感情との結びつきは非常にロバストな現象として知られています。しかしそれがどういうメカニズムに支えられているかが分かっていません。例えばそういうメタファーがあるからだ,という説明があったりしますが,なぜそういうメタファーが生まれたのかが分かりません。
そこで私たちは,普通の実験室実験だけでなく,22カ国で横断調査をしたり博物館で実験してみたりVR的な体験を使ってみたりといろいろやってみましたが,やっぱりこれだという結論が得られていません。
そこで今回は,中国雲南省の少数民族の方々などへのフィールド実験にまつわる取り組みについて主に紹介しつつ,本件がどこまでわかってきたかについてお話したいと思います。
この辺りは論文化もされてない話なので,詳しく知ってる人は日本で数名なんだろうと思います!
素朴なものでも全然いいので思い付くアイデアがあれば何でも教えていただけたらと思います。
※本イベントでは、NPO法人JAASの正会員であれば、誰でも発表できます。発表内容の面白さ 、重要性、信憑性などについて、JAASや本企画の運営者が保証するものではありません。
◆発表題目
がん微小環境選択的な治療戦略
◆発表者
北原秀治
https://researchmap.jp/shuji
◆日時
2023年1月20日(金) 12時
◆紹介文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=Shuji%20Kitahara%20tumor&sort=date
◆概要
悪性腫瘍が誘導する異常な腫瘍血管は、低酸素、低pH環境などの腫瘍微小環境を作り出し、免疫原性の低下を引き起こす。癌細胞は免疫抑制因子を産生し、さらに関連細胞が惹起され、癌生育に最適な免疫抑制性環境が構築されていく。こうした腫瘍免疫機構をはじめ、腫瘍微小環境をコントロールするためのメカニズムには不明な点が多く、臨床応用するためにも早急に解明が必要である。われわれは上記を背景とし、この「腫瘍血管のコントロールによる腫瘍微小環境の正常化、そしてそのメカニズムへのアプローチ」が、結果として、既存の治療効果を最大限に発揮させる宿主環境を構築し、次世代の癌治療法となることを確信している。今回の「とにかく研究の話で盛り上がろう!の会」では、我々が開発した腫瘍モデル(細胞やマウスなど)を用いて、既存の治療法、分子標的治療薬や免疫療法、そしてその併用療法が、腫瘍血管、腫瘍微小環境にどのように対応していくのか、そしてどのような変化を起こさせるのか、また最終的にどのような治療効果を与えるかを最近の動向と合わせて報告する。
※本イベントでは、NPO法人JAASの正会員であれば、誰でも発表できます。発表内容の面白さ 、重要性、信憑性などについて、JAASや本企画の運営者が保証するものではありません。
井上貴文
https://researchmap.jp/takafumiinoe
第14回 2023年1月27日(金) 12時
◆発表題目
脳科学俯瞰と脳の細胞イメージングあれこれ
◆発表者
井上貴文
https://researchmap.jp/takafumiinoe
◆日時
2023年1月27日(金) 12時
◆紹介文献
「ドライ・ウェット脳科学」調査報告書、科学技術振興機構研究開発戦略センター
https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2019/RR/CRDS-FY2019-RR-06.pdf
◆概要
脳科学はダイナミックに発展をとげようとしています。従来ギャップが大きく噛み合うことのなかった生物学的脳科学と理論脳科学が、相互に影響を与えつつ脳の全貌が明らかになるゴールが見え始めています。大きな鍵のひとつは近年の脳情報読み出し技術の大きな進歩です。脳科学の動向の大枠を概説し、脳情報読み出しのほんの小さな例として私どもの研究室の成果も紹介します。
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◆発表題目
アレルギー反応の「悪役」マスト細胞を研究する
◆発表者
田中智之
https://researchmap.jp/mast_cell1970
◆日時
2023年2月7日(火) 12時
◆紹介文献
Tanaka, Satoshi, and Kazuyuki Furuta. 2021. “Roles of IgE and Histamine in Mast Cell Maturation” Cells 10, no. 8: 2170.
https://doi.org/10.3390/cells10082170
◆概要
マスト細胞は全身の組織に分布しており、様々な刺激に応答して、ヒスタミンに代表される炎症を起こす様々な生理活性物質を放出し、その結果、花粉症や食物アレルギーといった例で知られるような不快な症状が引き起こされます。アレルギーの治療薬には、マスト細胞が放出する物質の作用や、マスト細胞の活動を抑制するものが多いです。花粉症のように原因となるアレルゲンと呼ばれる物質が特定されるものもありますが、一方で原因不明の反応もあります。近年、後者のメカニズムの一端が解明され、慢性蕁麻疹をはじめとする難治性の疾患の治療法の糸口が見つかりました。今回は私の研究成果を交えながら、マスト細胞とその関連疾患について紹介したいと思います。
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◆発表題目
低温で生きる生物から価値創造〜「際」を考える〜
◆発表者
鶴田宏樹
https://researchmap.jp/read0069565
◆日時
2023年2月10日(金) 21時
◆紹介文献
「価値創造の考え方」日本評論社(2021)
◆概要
南極・北極の海に住む微生物は低温域でのみ生育することができる。生命が海底火山付近で生まれたとする説を取るならば、低い温度に適応した微生物(好冷性微生物)は最も進化した生命体であると考えられる。好冷性微生物が持つ生体触媒である酵素タンパク質の構造と機能の相関性を明らかにすることは、生命が持つ「適応」というものの一端を理解することになるかもしれない。そのモチベーションで研究を展開した。そして、好冷性微生物の低温適応を理解することで見えてきた「際」の存在から、全く視点・スケールの異なる「価値創造」を考えることができると着想するに至った。好冷性微生物が持つ生体触媒の面白さと価値創造を考えることとの共通点などをお話ししたいと思います。
◆参考文献
• H. Tsuruta, B. Mikami, 他2名 , The Role of Group Bulkiness in the Catalytic Activity of Psychrophile Cold-active Protein Tyrosine Phosphatase FEBS Journal, 275, 4317-4328 (2008)
• 安西祐一郎(1985)『問題解決の心理学』中公新書
• 安斎勇樹、塩瀬隆之(2020)『問いのデザイン』学芸出版社
• 國部克彦、玉置久、菊池誠(2021)『価値創造の考え方』日本評論社
• H. サイモン(1979)『意思決定の科学』産業能率大学出版部
• J. デューイ(2004)『経験と教育』講談社学術文庫
• C. K. プラハラード、V. ラマスワミ(2013)『コ・イノベーション経営』東洋経済新報社
• Newel,A and Simon.H(1972)Human Problem Solving, Echo Point Books & Media, LL
• 鶴田宏樹、玉置久「異分野共創と問題認識」大学教育研究31号(2023年3月)
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◆発表題目
窒素と環境、そしてときどきVtuber
◆発表者
片桐究
https://www.youtube.com/user/AMUGINE
◆日時
2023年2月22日(金) 21時
◆概要
2015年に発表されたSDGs(Sustanable Development Goals:持続可能な開発目標)という言葉は、だいぶ日常になじんできたように思います。産業エコロジーは「生態系」を意味するエコロジーに人間の営みである「産業」という言葉がつくことで、自然システム中の命尽きたものも次の命の糧となるようなできるだけ無駄のない人類の活動を目指す分野です。今日のお話では、そんな産業エコロジ―という分野について紹介した後、大学時代からの付き合いである推しの元素である窒素についてざっくりとお話します。最後に現在取り組んでいるバーチャルな姿を用いた活動について、自分の周りのことも含め紹介できればと思います。
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◆発表題目
医療・ヘルスケアサービスとPatient and Public Involvement(患者・市民参画)
◆発表者
吉田智美
LinkedIn
◆日時
2023年3月3日(金) 21時
◆概要
医療やヘルスケアサービスは人々のWell-Beingに対するインパクトが大きい.医療サービスの特徴は,病や障がいという,人々にとって有難くない事象によって経済が成立していることである.近年の医療技術イノベーションはゲノム医療や再生医療など人間の生命科学領域に益々深く足を踏み入れ,それら医療技術で使用される医薬品は単に人々の健康やQOLへの恩恵だけではなく,広く公衆衛生や社会福祉などにも広く影響を及ぼす.それ故に患者との価値共創(Patient Engagement)の重要性が増している.
そこで注目するのは研究における患者・市民の参画(Patient &Public Involvement:患者市民参画. 以下, PPIとする)である.近年,海外ではPPIの様々な取り組みが行われているが,我が国では萌芽期であり,考えは理解されているもののまだまだの段階である.我が国のライフサイエンス企業などの臨床現場に関わらない研究者は殆ど患者との交流の経験を持たない.
そこで今回は,参加者のみなさんとどのように我が国でPPIを進めればよいか一緒に考えてみたい.
◆参考文献
AMED「研究への患者・市民参画(PPI)」
https://www.amed.go.jp/ppi/
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