新地町について

事業の背景-新地町での「環境」「エネルギー」「まちづくり」の取組み


本事業の対象である新地町では、東日本大震災に伴う津波被害からの復興と原発被災地からの移住者の受入れが進んでいます。2011年度に新地町は、内閣府から環境未来都市の指定を受け、「スマートハイブリットタウン」の計画立案・事業を実施しています。さらに、震災後のJR常磐線の復旧に伴う新地駅前地区での土地区画整理事業によるインフラ整備、公共施設や住宅建設等に基づく生活環境整備による新たな復興まちづくり拠点形成を推進しています。

駅前地区では、相馬LNG基地から仙台に向けて敷設される相馬-岩沼天然ガスパイプラインが通過する利点を活かした天然ガス利用を基軸とした熱電併給(combined heat and power)をキーコンセプトとしたスマートコミュニティ事業が進められています。また、国立環境研究所により、町内住宅地区のエネルギー利用実態に関する膨大なモニタリングデータが蓄積されつつあり、企業グループとの連携の下で地域エネルギーシステムの展開、先導的な復興まちづくりの検討が進められています。

一方、東京大学大学院新領域創成科学研究科では、東京大学柏キャンパスが立地する千葉県柏市柏の葉地区で進む鉄道駅周辺の土地区画整理事業によるインフラ整備と、スマートシティ開発や施設整備の中心的役割を担う「柏の葉アーバンデザインセンター(Urban Design Center Kashiwa-no-ha (UDCK))」での実績、まちづくりの実践知に基づき、新地駅前で計画されている各種まちづくり事業への協力を、アーバンデザインセンター(UDC)方式を援用しつつ2016年度より開始しています。

このように、新地町では、「環境」「エネルギー」「まちづくり」に係る取組みが並行して進められており、大学の知と技術を復興知として活かした取組みを通じた地域社会イノベーションを具現化し、福島復興のモデルとなることが期待されています。