従来の、教員が一方的に説明する授業から、生徒が主体的に学び、互いに教え合うスタイルへと変化させたところ、生徒たちの授業への意欲が大きく向上したことがわかりました。特に、問題解決の過程でひらめきを得たときの喜びや、異なる意見が飛び交う議論を通して、学習に対する主体性や深みが育まれているように感じています。
当初は、授業に集中せず、私的な活動に時間を費やす生徒もいましたが、時間の経過とともに、授業内容への興味関心が深まり、積極的に学習に取り組む姿が見られるようになりました。
学力調査の結果、短期間で平均点が大幅に上昇したことは、今回の授業スタイルの変更が、生徒の学力向上に有効であることを示唆しています。生徒たちは、「やらされている」という意識から、「楽しく学んでいる」という意識へと変化し、主体的に学習に取り組むようになっていると考えられます。
従来は、教員がすべての知識を生徒に伝えようとする傾向がありましたが、今回の試みでは、生徒が自ら考え、問題を解決することを促すために、教員の役割を大きく見直しました。生徒が自ら質問に来ることを待つことで、生徒の主体性を尊重し、より深い学びへと繋げようとしています。
数学の授業では、学習が得意な生徒に対しては、自由に自分が考える学習内容に挑戦する機会を提供することで、高度な学習に挑戦したり、丁寧な解説を作成をするなど彼ら自身で学習内容を選択しています。また、生徒同士で問題の解説を丁寧に作成し合うことで、教え合うことの大切さを学び、深い理解へと繋がっています。
生徒へのアンケートでは、従来のような一方的な説明を好む声も一部ありました。しかし、それは生徒が楽をしたいという気持ちの裏返しであり、必ずしもそれが生徒の成長につながるとは限りません。
今回の授業スタイルは、決して完成されたものではなく、今後も生徒の成長に合わせて改善していく必要があります。教員としては、生徒の学びを支えるために、必要な知識や情報を適切に伝えたり、学習の進捗状況を確認したりといった役割を担っていくことが重要です。
従来、すべての生徒に目が行き届いているかという不安や、理解できていない生徒に対して申し訳ないという気持ちを抱いていましたが、今回の授業スタイルに変更したことで、そのような心の負担が大きく軽減されました。生徒一人ひとりの個性や成長に寄り添い、彼らの自主性を尊重することで、教員も生徒も共に成長できるような授業を目指していきたいと考えています。
本校では、生徒一人ひとりの多様な学びのニーズに応え、協働学習を通じた深い学びの実現を目指し、新たな授業モデルを構築しています。
試行錯誤を重ねながら、授業スタイルを革新することで、生徒の学力向上だけでなく、主体性や学習意欲の向上にも繋がりました。教員の役割も、生徒の成長を促すファシリテーターへと変化し、より効果的な学習支援を行っています。
今後も、生徒のニーズや社会の変化に柔軟に対応しながら、より良い学習環境を創出することで、生徒の成長を最大限に引き出していきたいと考えています。