【ユーザ企業に内在する壁】
■情報システム部門と他部門との壁
業務プロセスの変更に対する業務部門の抵抗。
経営者の現場追認思考。
過去に行ってきたITへのコストに対する業務改革の無さに対する経営者の情報システム部門への不信感。
ビジネスソリューション(ビジネスモデルや業務・経営のプロセスに関わる戦略や施策)の説明はせず
テクノロジーソリューション(サーバースペック、ネットワーク構成、開発方法など経営者や業務部門には
どうでもよい事の情報システム部門による説明。
■CIOと情報システム部門の壁
総務や財務などの管理担当役員によるCIOの兼任により、本来のCIOの役割が機能していない。
CIOは、経営者に対しIT活用の可能性や戦略的価値を理解させITを使ったビジネスプロセスの革新や
イノベーションを実現させなければならないが、それが機能していない。
CIO:最高情報責任者(Chief Information Officer)
■意志決定プロセスの壁
組織内の先輩・後輩の関係などにによる情実人事が少なからずあるため、CIOも前任者を否定しにく
空気があることと集団合議で行われる稟議制度がリスク排除の動きとなり新しいことを容易には受け
入れない体質をつくっている。このため新たなIT施策の実施は容易ではない。
【SI事業者の内在する壁】
■収益区分/事業区分の壁
販売/開発/定期収入(クラウドサービス・サポート等)の区分が新しいビジネス創出の妨
げとなる。営業/開発部門は定期収入への移行は自分の業績評価を下げることに繋がる。
■ 経営資源の壁
経営者は収益が見込める事業へ経営資源を優先的に配分するため根拠ある合理的な
計画の描けない新ビジネスへはなかなか投資しない。
■業績評価制度の壁
評価基準が受注・売上額などのままではシステムを所有から利用するビジネスへシスト
させると営業/開発部門の事業業績や個々の成績評価が低くなるのでモチベーションの
低下を招くため現行スタイルを変えたくない。