ククモウイルス(cucumovirus)は、直径約30 nmの小球状粒子、3分節1本鎖RNAをゲノムにもつ植物ウイルスです。分類は、ブロモウイルス科ククモウイルス属(Bromoviridae Cucumovirus)になります。アブラムシによって媒介されます。
種としては、キュウリモザイクウイルス(Cucumber mosaic virus)、トマトアスパーミィウイルス(Tomato aspermy virus)、ラッカセイ矮化ウイルス(Peanut stunt virus)、Gayfeather mild mottle virusがあります。
ラッカセイ矮化ウイルスの電子顕微鏡像
植物ウイルスの中でも特に宿主範囲が広く(多犯性;感染できる植物が多い)、世界中で作物に被害を与えています。
分離地、分離植物、病原性の違いによって、分離されたウイルスの塩基配列が少しずつ異なっており、「分離株」「系統」として、種の下の分類がなされています。我々は、病原性の異なる同種の別系統のウイルスを用いて、病原性の解析を行っています。
キュウリモザイクウイルス(CMV)は1アミノ酸変異で様々な病徴を誘導する
ラッカセイ矮化ウイルス(PSV)感染したササゲ接種葉の退緑斑