丸山岳

2023年度 藪漕ぎパーティー 夏合宿 in 南会津

文責:山崎

5日間、藪を漕いで奥会津の秘峰「丸山岳」を目指してきました

・日程

 9月2日(土)~7日(木)

・メンバー

 3年 山崎(PL) 2年 杉山(SL) 1年 中林(エッセン)

9月2日(土) 魚沼へ

 仙台から18きっぷで只見線に乗って小出へ。駅前の宿の女将さんにこれからの山行計画を伝えたらひどく心配された。やっぱり今夏の新潟は記録的な少雨らしい。同じ電車で来た杉山とお好み焼きを食べた。21時の電車で来た中林とも合流して、バスケW杯を見ながら最後の計画書の読み合わせをして就寝した。


9月3日(日) 出発の日

 小出から浦佐に移動してそこからバスに乗って奥只見ダムへ。トイレなど諸々を済ませて、いよいよ5日の藪漕ぎに出発。手洗い場の水は引用禁止の張り紙があった。

9:15 奥只見ダム出発 いきなり歩荷を背負って日陰のない林道を4㎞歩くのが辛い。
10:47 袖沢渡渉点に到着  Lを摂る。
11:22 袖沢を出発 藪漕ぎ開始。
12:26 C750で一本
13:26 C880で一本
14:47 C1040辺りでトップの杉山が沼に落ちる。ぱっと見ではただの平場にしか見えない場所だったので気の毒だった。非常事態にも関わらず、杉山は落ち着いていて偉いと思った。脱出した後、火を焚いて服を乾かす。

15:30 再出発
15:50 C1060にテントを張った。

 1日目は沼に落ちたことを除けば、想定よりも速いタイムで進めた。薄い灌木藪が主体で、白神のゲキ笹藪に比べたら天国みたい。

出発地の奥只見湖
奥只見レイクハウスは2023年で閉業してしまった

長くてつらい袖沢林道

袖沢の渡渉
平年は腰くらいの水位らしいが、今夏はスネくらい
上で飲み水がとれるか心配だ

沼に落ちた杉山

9月4日(月) 主稜線へ

3:30 起床
4:54 幕営地を出発
5:17 P1147を通過 丸山岳から村杉半島まで西に延びる稜線に乗り上げた。あとは丸山岳までひたすら藪を漕ぐだけだ。
5:56 P1147東のC1105で一本
6:47 袖沢峠(C1020)を通過 袖沢峠はメルガ股沢を登る沢ヤのアプローチルートなのでピンクテープやブナの切りつけなど人の気配がたくさんあった。
7:17 P1090で一本
8:13 コルから登り返したはじめのC1060で一本
9:12 P1115東のC1090で一本
10:14 P1266の手前で山崎の熊スプレーが藪に引っかかって暴発した。突然、顔や手の痛みと息苦しさに襲われて、原因に気付くまではかなり焦った。すぐに行動できる感じではなかったので、C1215で早めのLにした。下山まで獣の気配を感じることはなかったが、丸山岳の手前まで蜂のような虫にずっと付きまとわれていた。

10:40 再出発
11:46 C1337の一つ東のP1320で一本
12:34 C1337付近で2度目のL
13:29 C1330のコルにテントを張った。 藪がなく平らでかなり快適な天場。


 1日目に引き続いて想定外のトラブルに遭ったが、計画したタイムよりも早く進めていて順調そのもの。背丈を超える灌木藪が主体だが、薄いし稜線上の鹿道が利用できる区間も多い。たまに見える袖沢北沢対岸の尾根の雪食地形がかっこよくて元気が出る。山崎は寝るまでずっと左手が熊スプレーのせいでヒリヒリしていた。

2日目も藪はけっこう薄い

スラブ地形がかっこいい
右の水面は出発地の奥只見湖

9月5日(火)いよいよ丸山岳登頂

3:30 起床
5:00 出発
5:31 C1460で小休止
6:32 C1580で一本 このあたりで主稜線にでてからずっと続いていた鹿道が追えなくなって、濃い笹薮に変わる。
7:40 C1650で一本
8:42 C1720で一本
9:38 C1780で一本 山頂の平坦部はすべて湿原だと勘違いしていてすぐに藪抜けだと思っていた。
10:55 丸山岳に登頂 山頂湿原は残念ながらガスっていて写真映えする風景ではなかったが、ずっと来たかった場所だったので嬉しかった。山頂はdocomoの電波が微妙に入る。(SoftBankは会津朝日岳手前までずっと入らない。)
水を汲みに丸山朝日沢を下る。東大ワンゲルの記録通り、1750m辺りまで下ると水が取れた。

14:06 山頂を出発
14:21 登ってきた西に向かう尾根を外れて、北に向かって会津朝日岳に伸びる尾根に乗る。 思ったよりも東にいてトラバースしながら尾根に乗る。
14:46 C1760で一本 雨が降ってきた。
15:48 C1736の手前で幕営 一帯は丈の高いササ藪だったので木の下で無理やりテントを張った。

 二日目までとは違って計画タイムに比べて大幅にオーバーしているが、無事に丸山岳に辿り着くことが出来た。今回はエスケープルートもないので後は会津朝日岳までひたすら藪を漕ぐのみ。

丸山岳の姿が目の前に見えた

山頂まであと少し

「天空の楽園」と謳われる山頂湿原

南峰を望む
中央を左に流れるのが丸山朝日沢

9月4日(水) 大雨の藪漕ぎ

3:30 起床
5:07 出発
6:02 C1690で一本
7:03 C1590で一本 地図で見るよりもだいぶ尾根が細い。
8:09 コル手前のC1550で一本
8:57 P1550の手前で一本
10:07 P1552の手前で一本 丸山岳から北に伸びる尾根はかつて切り開かれた登山道の名残か獣道かが稜線の西側にかすかに続いているが、真横に生えている枝が邪魔で奥只見湖から丸山岳への稜線に比べてスピードが出ない。一本の手前で西の斜面にある沼地に続く獣道に誘われてタイムロスした。

10:44 P1552でL
11:59 P1442の手前の小ピークで一本
12:57 P1442の先の小ピークで2回目のL
14:15 大幽朝日岳手前のC1490で一本 大粒の雨が降ってくる。福島市や伊達市では災害級の雨が降っていたことを下山後に只見の温泉のTVで知った。
14:51 大幽朝日岳で一本 慶応ワンゲルが残したプレートを見つけた。
15:57 C1420コルで幕営 雨にやられて整地も適当にテントを張ったので床がボコボコで体が痛かった。

 

 4日目に引き続き、想定より大幅にコースタイムが伸びた。5日目での下山を諦めて会津朝日岳の避難小屋に泊まる話し合いもしていた。

4日目の朝焼け
奥山にいる感じがして最高!

中央の稜線が「くの字」になっているピークが大幽朝日岳で中央奥の雲がかかっているのが会津朝日岳
左奥は浅草岳?

大幽朝日岳にある慶応ワンゲルのプレート

9月6日(木) ついに藪抜け

3:30 起床
5:35 出発 ダラダラしていたら出発が遅れてしまった。
6:00 P1467を通過
6:28 P1450の手前のコルで一本 P1467 北の平らな部分でまた西に向かう獣道に惑わされた。
6:55 P1451を通過 鋸刃まで藪漕ぎは楽だが、岩が露出していて怖い。
7:22 南の方のP1520で一本
9:19 P1554の少し先で一本
10:27 鋸刃の南のP1590で一本 Docomoはこのあたりから電波が通じる。黒谷川の集落が見えて合宿が終わることを感じた。
11:16 鋸刃(C1610)を通過
11:32 C1580でL
12:47 会津朝日岳の登山道に出て藪抜け
12:57 会津朝日岳登頂 記念写真を撮ったり、2回目のLを摂ったりした。
13:22 電話で朝日観光タクシーに登山口への配車をお願いして出発。
14:27 叶の高手で一本 トップの杉山と中林がとんでもないスピードで下り始めて山崎は置いて行かれた。5日間も藪漕ぎを続けたあとによくもあんなに体力が残っているものである。

15:42 一本
16:27 赤倉沢登山口に到着して合宿終了。無事に夏合宿を完遂できた。

 配車をお願いした時間よりも早く来てくださった朝日観光タクシーに乗って只見の街へ移動。会津若松方面の終電に乗る中林を只見駅前で下ろして「ひとっぷち まち湯」まで乗って5960円だった。温泉で汗を流したあとは太郎鮨で杉山と慰労会をした。温泉でもご飯屋さんでも80L ザックを背負っていると只見の方がたくさん話しかけてくれて楽しかった。

鋸刃の岩稜

会津朝日岳登頂の記念写真

叶の高手から望む奥会津の山々

只見での慰労会