2プレ 

面白山北東稜

・山域:二口山塊(関山峠→面白山)

・日程:8/7~8/8

・メンバー:山崎(PL, 気象), 青木(SL, 医療),  中林(装備), 早川(エッセン)

文責:早川

 夏合宿本番に向け、面白山北東稜線上を関山峠から面白山へ1泊2日の藪漕ぎ合宿を行いました。

8月7日(月) 天気:曇り(正午)

 早朝6時、部室前に集合し田中さんの運転で関山トンネル登山口へ向かった。車内には、陽気に会話をする運転手とそれに呼応する助手席、それらを後目に仮眠する者がいた。どうやら睡眠不足であるようだ。元来、登山の朝は早く、大学生にはなかなか辛いものである。典型的な大学生である筆者も徹夜することは少なくない...。

 7時手前に関山トンネル登山口付近に到着し、田中さんを見送った。なぜだか部室前から見送るまで笑顔が絶えていなかった。朝から元気なものだ。7時08分に出発し、予定より23分早く登り7時30分に見晴台に到着した。特に見晴らしが良いわけではなかった。ハイペースな登りは睡眠不足にはきついようであり、若干熱中症気味のようだった。

 見晴台からは藪漕ぎである。取り付き点からP822(2日目)まではトレースやピンクテープがあったが、本番に向けて灌木やツタの濃藪がある尾根上を正確に進んだ。初めは士気高く全員が尾根上を進んだが、次第に先頭以外は藪の薄いほうや尾根から少し外れたトレースを頼り、低きに流れていった。とはいえ、8時15分に関山大峠、10時11分に小新川山と順調に進むことができた。

 小新川山を過ぎると、蒸し暑さや濃藪のため疲れが目立ち始め、みるみるペースが落ちていった。足元への注意が散漫となり、ツタに絡まり靴ひもがほどけるということが頻発した。もしかしたら、少しでも休憩するための行動であったかもしれない。そのため、P832に到着したのが予定より1時間13分遅れた12時43分であった。このペースでは日の入り前に1日目の目標地点P950に到着できないと考え、P822手前の北西に尾根が伸びるピーク付近Co790を幕営地にした。到着したらすぐさまテントを張った。時刻は14時過ぎであった。

 目が覚めたら16時手前であった。起こされたのかどうかは分からないが、16時は気象通報が始まる時刻である。筆者含めた1年生の2人は初めての天気図であった。PLから説明を受け、すぐに本番が始まった。結果は惨敗であった。とても人様に見せることができない代物であり、かろうじて分かるのは仙台の天気だけであろう。上級生のそれは見事なものであり、練習の必要性を痛感した。

 1日目のエッセンは夏合宿本番と同じ焼肉である。同じにしたのは、夏場の山行で生肉の運搬が可能かどうか検証するためである。結果としては可能だったが、肉の色が暗く、気のせいか少し酸っぱい香りがした。焼いてしまえば特に気にならず、おいしい焼肉を堪能した。特に美味しかったのは付け合わせのピーマンであった。ワンゲル部員は緑に惹かれるのであろうか。食事後は明日の行程を話し合い、19時頃には就寝した。深夜に獣の足音に目が覚めたが、特に何事もなかった。

8月8日(火) 天気:曇り(正午)

 4時に起床し、エッセンを作り始めた。朝食はパンとシチュー、ベーコンであった。これも本番と同じメニューであり、エッセンとしてパンが適するかを検証するためである。いつも合宿の朝食は米を炊いていたが、今回は調理するのがレトルトのシチューとベーコンだけであり、幾分楽であった。ズボラな大学生にとって、朝からパンとシチューとはあまりにも贅沢だったと反省。いや、山中だからこそ贅沢も許されるのだろうか。食べ終わったら、撤収作業をし4時59分に幕営地を出発した。

 5時09分にP822に到着した。ここから先は行程を変更し、エスケープルートである小新川沢と和津倉沢の中間尾根を北沢出合まで尾根上を進んだ。ルート上部ではトレースやピンクテープが全くなく、気分爽快であった。藪屋はそうした道からしか得られない脳内物質の中毒者であろう。とはいえ、藪に隠れた倒木が多いのは勘弁であった。怠慢のためスパッツをはいていなかった筆者はなおさらだ。1日目ほどの疲れも困難もなく、P815を通過したのは5時57分であった。

 暫く進むと、Co760付近の尾根が崖になっていた。地図を見た感じ西側のほうが傾斜が緩いため、そこを無理やり降りた。下から見ると、東側のほうが楽そうであった。地図だけでなく、しっかりとルーファイも行うべきであった。その後も特に困難はなく、8時11分にP672、9時48分に北沢出会いに到着し無事下山した。軽くLを取り、林道を歩いて奥新川駅まで向かった。

 今年度の山行はほとんどエスケープしたため、林道歩きはこれでn回目であった。毎回嫌な思いである。今回は、特にSLが嫌な思いをしていた。SLが雨具を着ると、雨が止むという法則が成り立ったのだ。2時間20分歩き、12時08分に奥新川駅に到着した。駅ノートに目をやると、訪問者が何人か見受けられたが、はて住民以外は何のためにこの駅に降りるのであろうか。13時29分の電車に乗り14時17分に仙台駅に到着した。ここも曇りであった。

(地図や写真)