CRK-10

2012年5月19~20日

CRKITS.COMのCRK-10という7MHzCWトランシーバキットをJL1KRA中島さんのご厚意で手に入れることができたので、あれこれいじってみます。

まず、フィルタの特性を調べてみます。キットに入っていた組み立て前の7.020MHz水晶を使ってCRK-10のフィルタ回路を再現して特性を計ってみました。片側は50Ωで終端、反対側はNE602の入力インピーダンスに合わせて1.5kΩを直列に入れています。縦軸は5dBです。マッチング用抵抗を入れているため、絶対的なロスは図からは分かりません。

スパン50kHzで見た通過帯域特性

スパン50kHzで見た通過帯域特性です。

スパン20kHzで見た通過帯域特性

スパン20kHzで見た通過帯域特性です。

スパン10kHzで見た通過帯域特性

スパン10kHzで見た通過帯域特性です。1.4kHz離れた逆サイドバンドは5~10dBくらいしか切れません。

次に、千石電商で買った2種類の7.000MHz水晶に交換してオーバレイ表示してみました。

スパン50kHzのオーバレイ表示です。

スパン50kHzで見た通過帯域特性です。以下、広い方はHC-49/U、狭い方はHC-49/U-Sタイプです。49/Uの方はオリジナルの7.020MHz水晶と中心周波数以外のカーブはほとんど同じですが、見かけの端子間容量が小さい49/U-Sの方が帯域が狭くなります。U-Sタイプは、逆にSSBやAM用などで帯域を広く取ろうとすると、肩がダレてくる可能性があります。

スパン20kHzのオーバレイ表示です。

スパン20kHzで見た通過帯域特性です。

スパン10kHzのオーバレイ表示です。

スパン10kHzで見た通過帯域特性です。

次に、HC-49/U-Sの水晶2個に直列に50pFのトリマコンデンサをつけて、中心周波数を7.003MHzに合わせたものと、元のままのものをオーバーレイ表示してみました。7.003MHzに合わせたあと、トリマコンデンサを外して容量を計ってみると、どちらも3.2~3.5pFと最小容量付近でした。3pF決め打ちで同様の結果になりそうです。

スパン50kHzのオーバレイ表示です。

スパン50kHzで見た通過帯域特性です。以下、帯域の狭い方が7.003MHzに合わせたものです。

スパン20kHzのオーバレイ表示です。

スパン20kHzで見た通過帯域特性です。

スパン10kHzのオーバレイ表示です。

スパン10kHzで見た通過帯域特性です。-6dB帯域はぱっと見で800Hzくらい。中心から1.4kHz離れた逆サイドバンドは20~25dBくらい落ちそうです。

オリジナル水晶とHC-49/U-S7003とのスパン10kHzのオーバレイ表示です。

千石HC-49/U-S7000水晶の7003シフト版とオリジナル7020水晶とを中心周波数は違いますがスパン10kHzでオーバレイ表示してみました。なお、オリジナル水晶や千石のHC-49/U水晶でも2個の水晶の接続点とGNDの間のシャントCの容量を大きくすると帯域は狭くなると思います。広くして賑やかな方がいいか、通信の確実性を高めるために狭くした方がいいかはお好みで。

7020水晶でシャントCを175pFにしたものと元の回路とのスパン10kHzのオーバレイ表示です。

オリジナルの7020水晶に戻し、2個の水晶の段間のシャントCをムラタの黒いトリマコンデンサ(公称最大容量120pF)にして帯域を狭めた様子。容量最大付近で図のようになりました。トリマコンデンサを外して容量を計って見ると175pFでした。